グッピーを救けろ
94話 グッピーを救けろ
牢。
「さあ、はけ。マガ・ザンクレを殺ったのはおまえだな」
バシッ
「てぇーな。俺は殺ってねー。叩かれるのはいいけどよ、寒いんだよココは。上着着たままじゃダメか、男のおっぱい見たってつまんねーだろ」
バシッ
「強情な奴だ。たしかに男の乳見てもなぁ。だが女はどうかな。おい女を連れてこい」
「おい、そーゆー意味で言ったんじゃねー」
「男ってぇのは中々口をわらんが、この女はどうかな。おい服を脱がせろ!」
「てめー役人のやることかー変態ヤロー」
「女が痛い目にあう前に、はいちまいなデヘヘ。こいつイイ乳してんな」
「あたいの乳ならいくらでもくれてやるから彼を叩くのはヤメな! プッ」
「てめぇ汚えな。うっなんだか寒いな……」
「だろー外は暑いのにココは、やけに寒い、変なのが取り憑いてんじゃないのか。拷問室だけによ」
「うるさい、よけいな事はペラペラとウッへ、へ、へエックション! 寒いぞ、おいドアを開けて外の気を入れろ」
「は、はい。寒っ……なんなんだ」
ガチャ
「ヒイッ」
ドアを開けた瞬間に冷風と共に兵士が倒れ込んできた。
「どうした?!」
ドアを開けた兵士も倒れた。
影が入って来たと思ったら棍棒を持った拷問兵が股間を抑えて倒れた。
よほど強く打たれたのだろう泡ふいて気をうしなってる。
「グルドン救けに来た!」
両手棍棒を持ったティアだ。
「寒いな、これは?」
「ミシェールだ。早く」
「ティア、俺の槍を」
「大丈夫だ、ここに」
「ロラン!」
オレたちが町を出るときにおきたガルガンダの頭殺人事件。
ちょうどオレたちが町から出るのを逃亡と間違われて槍使いの二人組という目撃者の話からグッピーとキャサリンが捕まった。町から出るとき、二人は夫婦という設定だった。
町外れの農場の納屋。
「ちょっと遅かったなぁ。けっこう殴られたぜ。ありゃ拷問して楽しんでたんだ。役人のくせによ」
「悪かった、グッピー。キャサリン。出るのは簡単だったが、あの後町に入るのに手こずって。町の周りをまわって、この農場から潜入したんだ」
「ああ、そうかまあキャサリンは無傷だったから良かった。商売道具に傷付けたら申し訳ねー」
「あんたのおかげでオレは捕まらずにすんだ。ありがとうキャサリン」
「一宿一飯の恩義ってやつさ。気にすることないよ」
「おい、あんたら! 居るのか」
「誰か来た!」
「大丈夫だ。ココの主人だ」
「仲間は救け出せたのか?」
「ああ、うまくいった」
「そうか、出るなら。牛の放牧をするから一緒に出るといい」
「この辺は港から離れてるから、港の争いとかに影響うけないそうだ。行くか」
「ちょっと待て、俺は役人どもの話をチラッ聞いちまったんだ。ガルガンダの頭を殺った奴は三叉の槍を使ってたと」
「そこまで、わかってたのになぜグッピーを役人は。グッピーの槍見ればわかるだろうに」
「やつら、本当の犯人を捕まえる気なかったのさ」
「なにそれ、ひどい役人ね。王都に訴えてやる」
「そうか、役人どもはマンダニの頭からけっこうもらってるてぇ話を聞いた。もしかしたらガルガンダの頭殺しはウヤムヤになるかもしれんな。それか、適当に犯人をでっち上げ解決するか。前にも港のケンカで人が死んだ時に事故で終わった事も」
「そうか役人のくせにゲスヤローだ。で、よう三叉の槍で思いあたる奴が」
「知りあいかグッピー」
「知りあい……まあ知った顔だ、あのデカい顔は」
「多分そいつは、マンダニの新しい用心棒だな。ウチの若いのが言っていた。もう一人、やはり槍を使う男が。そいつは赤い顔をしてるんで赤鬼と、三叉槍のデカいのが色黒で黒鬼とか呼ばれてるそうで」
「赤鬼……そいつは知らねぇな〜。そうか三叉は色黒で、デカいのかぁ間違いねーな。で、俺はその黒いのに聞きてぇことがあるんだ。もう少し町に居たいんだが」
「そうか……どうするみんな」
「なによ、聞きたいことってグッピー」
「師匠のコトだ。実は黒いのは俺の兄弟子だった」
「黒いのはグッピーの鬼兄……」
「アニタ、兄弟子よ。グッピーの師匠に先に学んでいた弟子よ。ホントの兄じゃないのよね」
「ああ、たまたま俺より先に師匠に弟子入りしただけだ。人間的にどうかというヤローで俺は好かん」
「悪党の用心棒やる奴だ、ろくなもんじゃないんだろう。グッピー」
「ああ……」
「お頭、棺屋がき来ました!」
「ああ、今行く」
「不幸があったのか?」
「ええ、若いのが先日食堂でのケンカに巻き込まれて……」
「食堂……港の大通りの」
「知ってるのか? あそこの女将はわしの妹で」
「そんな縁が……。よしオレは、しばらくグッピーとこの町に」
「ならアニタも。とーぜんエスタも」
「いつものパターンね」
「グッピー、黒いのとケンカなら、あたいもまぜろ」
「ミシェールとキャサリンは」
「ロランのそばに」
ミシェールあんたは。
オレはあんたの真意知りたい。
「あたいも……一緒に居ていいかい」
つづく




