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女神の港町

92話 女神の港町


「ルルなんか、おもろいことあったか?」


 夕方、宿に集合した。

 メシを食って部屋が空くのを待った。


「おもしろいコトねぇ。エスタが屋台の果物を咥えて逃げたの」

「その前に野良ケモが同じ事したんだよ。ソレを見てエスタがマネたんだよ」

「そう、でミシェールがそいつを火球を飛ばして焼いたのソレを見たエスタが逃げるのをやめて返しに戻ったけど、その果物と焼けたのを買い取ったわ。べつにおもしろい話じゃないわね」


「そうか、エスタは屋台から物を取って逃げると焼かれると学んだな。しかし、ミシェール、魔法を使って大丈夫だったのか」


「魔法じゃない」


「それがあたしらもはじめ何が起きたのかと。突然ケモが燃えだすんだもん」

「あとでミシェールが火球投げたって。そんなのアニタも見えなかったよ」


 ミシェールがついていったのはエスタを見張っていたのか?


「あたいの剣、研ぎ屋がヘタで明日まで待ってくれと取られた。あたいはまる腰だ」


「わざわざ見せんでもいいティア!」


 ティアーナがマントをひろげて空っぽの剣鞘を見せた。


「ローラさん、どうしてるのかな」


「知人のトコにでも泊まるんじゃないか」


「この町の酒場でひと稼ぎするって言ってたわ」

「お姉ちゃん見に行こう!」

「ダメよ酒場は子供は入れないわ」


「ああ、酒場には怖いおじさんが沢山居るぞ。こういうメシ屋と違うんだぞー」


「大丈夫だアニタ強い。ティアーナに習ってるグッピーより強い!」


「アニタ、まだまだだ。ロランより弱い」


「え〜このまえロランに勝てるって」


「ソレは短剣同士でやったらだ。ロランは長剣を使ってるアニタは勝てない」


 短剣だと、オレはアニタより弱いのか。

 これはヤバいぞ。剣の稽古かかせないな。


 翌朝ティアーナが剣を取りに行き戻ると町を出た。

 ローラ・レイとは会わなかった。


 今度はちゃんとした道がある。

 あの宿のオヤジが言うより早く着いた。

 

 港の方に巨像がみえる。でかいなあのマコーナの神殿の像よりでかい。


「アレを見るのは明日にしよう。まず宿を」


 町に入る前から見える女神像、思ってたより大きい。


 難なく町へ。

 宿を探そうと町の通りを歩いてると。


「おい、ロラン。あの路地で布にくるまってる物乞い」

「あ、あの赤毛どっかで……」

「なに、どうしたの知り合い?」

「ホラ、娼館で……」

「ナニ、あんたたち昨日女遊びしてたの」

「女遊びって、どんな遊び?」

「アニタは知らなくていいの」

「違う、前を通っただけだ!」

「あの女か。あ、おいグッピー!」


 あっ、積極的だなグッピーは。


「やあお嬢さん。またあったなー」

「ん、あんたは?」

「憶えてねーか。昨日あんたがやめた店の前で。あんたがビョーキのコト教えてくれたから入らずにすんだ。いやー助かったよ。まえにひどい目にあってなー」

「ああ、あの時の二人。あれ、今は一人?」

「相棒はあっちだ」

「女だらけじゃないか、子供も」

「まあ女はいるが、べつに俺の女じゃない、して言えば相棒の女だ」

「で、寂しくてあたいに声をかけたのかい」

「そんなんじゃない。泊まるとこないのか?」

「あたい意気がって店出たけど金無しなんだ泊まるに泊まれない」

「なぁ〜んだそうか、なら昨日の礼だ俺らについてきな」



「あの女の宿代は俺が出す、今夜だけだ一緒に連れてく」


「なんなのあのケバイ女。グッピーってあ〜ゆ〜のも好みなのぉ〜。ミシェールやティアーナとは大分違うわ」

「なんでティアが出てくる」

「知らなかったのかルル。グッピーは、ぽっちゃり以外は恋愛対象だ。ルルやアニタも入ってるぞ」

「やめてよグッピー!」

「バカ言うなロラン、子供は対象外だ!」


「悪いね、今晩お世話になるよあたいはキャサリン・ボルタだ」


              つづく





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