娼館前にて
91話 娼館前にて
西方パスキン国に入って最初の町は東方のミンが居た町ほど大きく高くないが壁が、砂漠側にあった。
防砂堤だろう。
入り口には警備兵だ。
ギュスターヴを出た時と同じ設定で難なく通れた。
ここでも目立つローラ・レイのファンという兵士が。ギュスターヴの出口以上沢山いた。
「ローラさんは有名なんですね」
「時と場所にもよるわ。場所によっては無名だからいろいろ苦労するわ。変な目で見られるのは普通よ。放浪の娼婦だと思われた事も。私の踊りが淫らだと捕まりそうになったり、魔女あつかいされたり」
「ああ、ローラを魔女あつかいぃ。それもどうかと思うが娼婦ってーのもな。俺には天使にしか見えねぇ」
「あら、お上手だこと。少し変わったかしらグッピーさん」
と、ローラがグッピーに投げキッスをした。
「グッピー、新しい嫁ぇ。ミシェールが泣くわよ」
「泣かない」
ローラは町に知人がいるので会うと別れた。
オレたちは食料品屋に荒れ地や砂漠で獲った獲物を売り宿を探した。
「ろくな物食べてないから、美味しい物食べれる宿がいいなぁ」
「砂漠のヘビは美味かったぜ」
「ゲテモノ食いのグッピーと一緒にしないでよ」
「ヘビ美味しい!」
「エスタまで」
タイミングよく、会話に入ったなエスタ。
まあものを知らないだけでバカではないので思ったよりちゃんと話が出来るのは早いかもしれない。
「お姉ちゃん、あそこは?」
「トーフォー飯店。東方料理の店かしら」
「宿マークもあるぞ、いいかもなロラン」
「久しぶりにカナの料理みたいの食えるかな」
「あら、あたしのはカナ直伝よ。よく食べてるじゃない」
「ルルのは、なぁ〜か違うんだよなー」
「ああ」
「ロランまで、もう作ってあげなあから!」
「ミンやアンはどうしてるかなぁ」
店に入る。
「港町に行くには、徒歩だとどれくらいかかる」
「徒歩ですか。今出ても明日になりますね」
「そうか、じゃ今夜泊まりたい空きはあるか?」
「そうですね。夕方にたつお客さんが居るんで……」
「二人部屋二つと三人部屋一つなんだが」
「大丈夫です」
「メシ食べたら、また夕方に来る予約たのむ」
カナの家庭料理とまた違う東方料理は美味かった。
「さて、夕方までどうするか」
「あたしたち町中を見てくる」
「女はどの町行っても同じだな珍しくミシェールも行ったぞ」
ミシェール。やはりオレとは居づらいのか。
オレもなぁあの場で逃げたからなぁ。が、あの場で契るのもいろいろまずいよな。
「あれ、ティアーナは?」
「なんでも研ぎ師のトコへ行ったぜ、変なもん斬りすぎて刃がボロボロだってよ」
「グッピーの槍は大丈夫なのか」
「俺は毎日手入れしてる。そうだ、さっき娼館見つけたんだ野郎二人だ。行ってみないか?」
「ああ、どうしようか」
路地に入るトコに目立たない看板がある。
「グッピー、よく見つけたな」
路地に入ると裏通りに店があった。
「わかったよ、やめるよこんな店! 3日分の給金はいらねぇよ」
「つったくエラそうに。店の修理代、こっちがもらいたいくらいだよ! とっと出ていきな!」
「なんだ店のまん前で」
「あ、あんたらココに入るのか?! やめとけビョーキ持ちばかりだヨ!」
「コラッ! 営業妨害だよ、失せな!」
「聞いたか、病気持ちだってよやめるか」
「ああ」
「俺、まえに感染されて、ひでぇ目にあったんだ」
「お客さん、どーぞ。イイ娘がいるよ」
「いや、俺たちは通りすがりだから。おっあの店だ。あったぞ」
オレたちは通りの向いにあった武器屋に入った。
「なにげに入っちまったが、なんか買う物あるか」
「ない!」
「お客さんひやかし? 今の見てたよ。あそこの娼館に来たんだよね」
「あ、いや違う」
「とぼけなくてもいいよ、あの店はさあよく、ああやって娼婦が出ていくんだよ」
「そんなんでよくつぶれねーな」
「そうなんだよねぇ 噂では港町に入る奴隷船から女の奴隷を買って働かせてるそーだ。私もね、何回か行ったが、ソレはわからなかだたよ」
噂好きでおしゃべりな店主だ。
「でもね、夜中に馬車が来て女奴隷が降ろされるのを見たことがあるんだよ」
「あのよ、やめた女が、あそこは病気持ちばかりだと言っていたがホントか?」
「昔はそうでもなかったが最近、奴隷を入れてから多いって噂を聞いたよ。私もね、そんな噂を聞いてから行ってないね。あの店は旅人の客が多いからね。地元の人間は若いのしか行かない」
「おしゃべりなおやじたったな」
「まさか、お茶まで出してくるとはな」
武器屋で、いろんな町の噂を聞かされた。
ためしに港町の女神の話も聞いた。
湾内を見下ろす巨大な女神像で、両手をひろげた「自由への女神」と呼ばれてるらしい。
しかし、その港に行動に不自由な奴隷が運ばれてくるのは、なんともヒニクな話だと、いかにも持ちネタを話した。
つづく




