表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/205

ヘビの巣の宴

90話 ヘビの巣の宴


 国境を出て、しばらく行くと街道がなくなる。

 どこも似たりよったりで、荒れ地になり草木も減っていく。


 「やだ、また暑いとこ。やっぱり旅慣れてるわねローラさん。あたしも町に着いたら日傘買おうかしら」


「何いってんだ。町に着いたら傘はいらなくなるだろ」


「ルルレット、傘ならある」


「ええ、ミシェールホント?!」


「東方の傘だが陽はさえぎる」


 ミシェールは「なんでも袋」から傘を出した。


「それ、雨傘だろ、東方で見たぞ」

「直射日光が避けられれば違うわ」


 まあだろうな。


 ティアーナはレイにもらったデカい縁の帽子にマント。

 エスタにもレオにもらった植物の乾燥した蔦で編んだ帽子をかぶせた。


「アニタ、くっつかないでよ暑いわ」

「お姉ちゃんだけ、ずるいアニタも入れて」


「暑いが、東方の砂漠にくらべればたいしたことない、なっグッピー」


「ああ、ん! なんか居るなぁ」


  クゴィイ


「あら、ジローどうしたの?」


   キキッ


「パーカーまで。アレかしら」


「キャッ! なんか出てきた」


 鎧ネズミのジローが長い顔を地面に突っ込むと、なんだか紐みたいのを何匹もくわえて顔を上げた。


「イヤだ、こいつらチュビラ?!」


「どうやら、砂漠ヘビの巣に入っちゃたわね」


「ヒィ〜ロラン助けて!」

「大丈夫、アニタがいる!」


 アニタが腰の短剣を抜き足元のヘビを斬りこむ。


「アニタ、ティナに習ってる」


「あ、エスタ。手で掴んだら危ないぞ!」


 おい、ウソだろ。捕まえた蛇を噛み殺してる。 


 どうやらジローのマネをしてるらしい。

 おあっ食った。そこまで。


「こいつらは、ジローの好物なのよ、毒はないから、食べられるわ……でも、さすがに生では……」


 鎧ネズミのジローは殺した砂漠ヘビを喰い漁った。

 って、おいエスタ、ネズミと喰い争うな。


「おーい。こっちに斬り刻んだのが沢山あるぞ〜」


 ティアーナとグッピーの周りは刻まれたヘビの山が。


「丁度イイ。こいつを串焼きにしてメシにしよう。腹減ったぞロラン!」


 ミシェールの袋から日除け布を取り出し、焚き火をし、お茶を沸かした。

 ヘビは開いて串を刺し焼いた。


「用意がいいのね」


「ローラさんは、野宿はしないの」


「野宿はしないわね。町に着かなかったらジローの上で寝るわ」


「動くベッドだな」


「ゆらゆらしていいわよ」


「ジローに勝る乗り物はねーな。この砂漠ヘビってーのは、なかなかいけるな。ルル、食えよ。うめーぞ!」


「やだ、チュビラの仲間は食べれない」

「食えるものは食っとけルル!」

「だ・か・らぁ」

「ホラ、干し肉がある」

「ありがとうミシェール。これ、美味しい。なんの肉?」

「カウカウ」

「え!」

「野生のだから」


   ポロロン


♪ どうしてかぁああ知らないけど、頭の中に聞こえる声ぇ♪ その美しい声は、やがて歌になるぅう♪ その歌声に誘われてぇ皆ぁ何処にいくのかしらぁあ♪


「ヒュー天下の吟遊詩人ローラ・レイの歌がただで聞けるなんて贅沢だねぇ」


「あら、1ニーニョいただくわ」


「え、金とるの?」


「お願いね」


   ポロポロロ〜ン


「え、サルが楽器を」


  キキッ


「サルじゃない、リスザルだと。お金は冗談よ」


  ポロポロロ〜ン ポロポロン


「まじかよ、曲を引き出した!」


 リスザルの曲に合わせて踊りだすローラ。

ルルの激しいダンスと違いゆっくりで悩ましい。

 足の動きを見せるためか、スカートを取りくねくねと踊る。

 ソレを見ていたルルが立ち上がり、踊りだした。 

 いつもの激しいのとは違う。

 ローラに合わせたのか? 

 ローラは踊りをやめてリスザルの楽器を取り、さっきのとは違った激しい音を出した。


「こういうのが得意そうね」


 ルルは早いテンポで踊りだした。


「ちくしょう。酒が欲しいな、砂漠の宴だぜ!」


 グッピーも立ち上がり槍を持って変な踊りをはじめた。


「アレは酔拳ならぬ酔槍だ。あんなのあるのか? 初めて見た」


「ティアーナも剣舞見せてくれ」


「ひぁあほ! どいて、どいて。当たったらあぶないよぉ」


 ホントに踊りだした。

 双剣の舞、あれで敵の手足が鮮血とともに舞う。

 ローラの楽器さばきも見事で剣舞合わせて弾きこむ。


「あいつホントにシラフか、おっとあぶない」


 その日はそのまま蛇の巣で野宿になった。


「ルル、よく寝れたか」

「まあね……なんで」

「昨夜の寝床は蛇の巣だったじゃないか」

「あ、忘れてた」

「みんな食っちまったから大丈夫だったからな」


「あ、ロラン町が見えてきた!」

「相変わらず目がイイなアニタは」


               つづく 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ