ローラ・レイ2
87話 ローラ・レイ2
夕食が終わり、部屋に戻った。
「食った食った。カウカウの肉、はじめて食った。けっこういけるもんだなー」
「オレもだが、アレは野生だそうだから、そのへんのを食うなよ」
「食うか。で、次の行き先は、決めたのか?」
「いや、まだだ。女神のコトが知りたい」
「女神……なんてー名だっけ。北にあった大神殿の……」
「マコーナだ」
「そうだ。あのでっかい婆さんの女神像のコトをか」
「ああ。でもあれはあくまで北方の神像だ。こちらでもマコーナらしいが、ヴィルヘルムに聞くまで知らなかった。ここ西方ギュスターヴでは、違うのかもと思うが……」
「そうだな俺も知らなかった。物知りにでも聞いてみるか」
「物知り。誰か知ってるのか?」
「ホラ、いたいた」
一階の食事場へ下りてみると。隅のテーブルで何かを飲んでいる吟遊詩人のローラ・レイがまだ居た。
「どーもローラ」
「あらグッピーとロランちゃん。どうしたの」
「一緒に一杯やろうかと」
「違うだろグッピー!」
「何かしら、おかけになって」
「おい、女将。なんでもイイから酒くれ」
「あの、実は何でも知ってそーなあんたに話しが」
「なんでも……ソレはないわよ」
「まあわかるけど。女神マコーナって知ってるかい?」
「ええ、北のゾンネンシュターンにある大神殿の女神でしょ。行ったことあるわ」
「そのマコーナだ。ナニか知ってるコトは他にないかな」
「ハイ、果樹酒でいいかい」
「お、いいぞ。あんたもどうだ、俺のおごり」
「いただくわ」
「あ、オレはいらない」
「アハハハ。こいつ、お子様なんで」
「好きじゃないだけだ。で、どうかなマコーナ」
「そうね……。アレはこっちでは、ちょっと違うのよね確かにマコーナはこちらでもアレだけど。もうひとり、アレと同一神とされてる女神がいるようよ。時と生命をつかさどる女神が。たしか南方に近い方に神殿があったわ、え~となんだっけ。そうスムミカだっかしら。古い神話の女神よ。それが北方でのマコーナと同一神だと聞いたわ。ソレを聞いてどうするの?」
「マコーナに会ってみたくて、あの北の神殿まで行ったんだ。確かにマコーナは居た。巨大な石の像のね。あそこはただの巡礼地だ。あんなとこに女神は居なかった」
「ソレはそうね、南の辺境の神殿に行っても同じよ。神は天にいるらしいから。会うのは難しいと思うのだけど。あ〜とね、こっちからも聞きたいんだけど。あの白いフードマントの……」
「ミシェールですか」
「そう、あの人の姓は?」
「あっ、俺知らねーロランは知ってるか?」
「聞いたことない」
「だよな〜」
「そうか、フルネーム聞けば思い出すと思ったんだけど、ミシェールも偽名かも。どこかで会った気がするのよねぇ」
「突然現れたからな……魔法使いかと思ったけど、本人はそんな類ではないと」
「類……エルフではないよね」
「ミシェールはエルフには会おうとしなかったよなぁロラン。まさか、ミシェールはエルフの……賢者だから同類会うとバレるのが嫌だったとか」
「そういえば賢者は沢山いると……」
「エルフは長生きだから高齢のエルフは皆賢者みたいなもんって事でしょ」
「そうだ。あんたエルフに会ったコトあるのか? あんた自身エルフみたいだけど」
「あら、嬉しいわ。私がエルフ。私、場所によっては『荒野の妖精』って言われてるの」
「荒野の妖精かぁちげいねぇ。俺はあんたを妖精だと思ってたんだ」
「そんなコト言ってたかぁ」
「ああ、ごめんなさい自分のコトなんかどうでもいいわね」
「そうだ、オレたちにエルフを会わせてくれた人が、ミシェールの背光は、オレたちとは違うと言ってた」
「背光? なんだそりゃ」
「人の放ってる光の事よ。ソレが見える人にエルフを……。まさかロメーラ・ブルリっていう画家かしら」
「ロメーラを知ってるのか」
「やっぱ、なんでも知ってるな嫁2号は」
「違いますわよ。グッピーさん!」
つづく




