東方への手紙
79話 東方への手紙
「おい、いつまでついてくるんだ」
「さすがだな、バレてたか」
賊の女……。
「ちょっと女たちが気になってさ」
「女は帰ったぜ」
「まだ、二人残ってるだろ」
北方から来た女と東方から来た娘が一緒だ。
「気になるのか、あんた。えーと」
「クララだ」
「そう、クララの姐さん。あんたに頼みがあるんだ。東方出身の娘をオレの知り合いの所へ連れて行ってもらえないかい」
「東方へか、あたしが」
「ロラン、そいつはミンのトコだな。いいんじゃないか。クララ姐さんは腕がたちそうだし」
「頼めるか?!」
「わかった」
「あの私もご一緒させてもらっても」
北方からのサーシア。とか、いったな。
「二人はあんたを信頼してる。ヴィルヘルム、悪いがミンに手紙を書いてくれないか」
「わかりました。ではすぐに」
ヴィルヘルムは馬車に行き、手紙を書き始めた。
賊だったクララという女が二人と東方へ旅立った。
あの、ダンジョンからの抜け道を地図にして楽に山越えが出来るよう手紙を渡した。
グッピーが言うにはクララは、あの賊の中で一番腕がたつ存在だと。
大丈夫だろうあの女にまかせて。
これで、ロメーラのモデルだった女イータが加わった人数での旅立ちが始まった。
山道を越えてすぐに見晴らしのイイ高原に出た。
オレが絵を描いていたロメーラと会った所だ。
彼女は前方に見える山々を見ながら妖精の絵を描いていた。
実はもらったあの絵、家に置いといたんだが、家と一緒になくなっていた。
ロメーラは北方では有名な画家だった。
あの絵はいくらになったのやら。あの時はまさかと。
またなんか描いてもらうか。
お宝はあればあるほどイイ。
「谷へは馬車は無理だなぁ」
「降りて歩くわ」
着替えて馬車から降りたレオにミシェールが。
「神殿の時のように私が馬車の見張りを」
「ミシェールは妖精に会いに行かないのか?」
「いいわ。私が行っても、何も変わらない」
「そうか、それじゃ」
「ミシェール、馬車の中の食べ物自由に食べて。じゃお願いね、ルルのエサは棚に有るから」
「大丈夫。わかってる」
ロメーラとグッピーを先頭に谷へ下った。
「お姉ちゃん。エルフに会ったコトある?」
「ないわよ、姿形は人間と同じだと。でも、耳の形が違うと聞いたわ」
「どう違うの、大きいの、町で見た亜人みたいに頭の上に耳があるのかなぁ」
「あたしも見たことないからわからないけど、皆美しいって聞いたわ」
「羽は生えてないの?」
「それは聞いたことないわねぇ羽はまた違う種族よ」
「じゃアレはエルフじゃないよね」
つづく




