旅の理由
78話 旅の理由
谷へ行く途中だったから、オレたちが居た村へ。
廃村だ。
「村が廃村になる前に売って良かったわぁ」
まだ、住めそうなルルの家は残ってたが、掘っ立て小屋だったオレの家はなかった。
「懐かしいなぁまだ、たいしてたってねーけど。この村でロランやミシェールと会ったんだよなー」
「ロランとミシェールはココに住んでたのか?」
レオが誤解している。言い方を考えろグッピー。
「違うぞ、オレは同じ日にグッピー、ティアーナ、ミシェールとここで出会ったんだ。あの日はグールどもが村を襲って来て。その時に偶然グッピーが村に居た」
「そうだ、俺を追いかけてたティアが村に来た。そしてミシェールも……ん、ミシェールはナニしにこの村に来たんだ?!」
「偶然……」
「違う。ミシェールは、グールを追ってたんだ。オレがグールに襲われてたとこを助けてくれた。そこでグールのコトを教わった」
「俺はだな、ココでミシェールに一目惚れして嫁にした」
「してない」
「そうなのグールを追ってたの、ミシェールは。でも、東方で奴らが現れた時は、奴らがロランやミシェールを追って来たのかと思ったけど。それにミシェールはなんでロランのそばについてるの? 一緒の理由がよくわからないわ。やっぱりあの噂は……」
「ミシェールは、だな、あの危険な怪物どもから人を密かに護ってきた一族の人間なんだ。東方に現れたのは奴らの逆恨みな反撃だ。なっミシェール。あと、あの噂は忘れろルル!」
「噂ってなんだロラン。ミシェールと関係があるのか」
「グッピーには無関係なたんなる町の噂話だ無視してくれ」
ミシェールの話はハッキリ言ってウソだ、今思いついた。
「そうだ……。そして、私はロランの像の正体を知っている。グールはその像を狙って現れる」
「じゃ村が襲われたのは、ロランのその背中の……。ロラン知ってたの」
「私がロランに教えた。ロランは像を手放したくないと。それで……村を出た」
「なーんだそういう理由で村から消えたのか、なんで相棒のアニタおいてったロラン!」
「わからないのか、奴らはこいつを追って襲って来るんだアニタが危険じゃないか。こいつをオレが遺跡から見つけてきたばかりに村が……申し訳なく思ってる」
「村やあたしも同じ理由ね。でも、ロランは?」
「オレは……惚れた女の弱みだ。こいつを持って死んでも……。それにミシェールが護ってくれたし」
「俺もだロラン。イイ用心棒だったろ」
「グッピー、あんたも知ってたの」
「まあな。そんな金にもなんねーバケモノに襲われるあぶない人形は捨てろと言ってたんだが、ロランはとことん惚れちまってな。あげくに女神に会うだの、今度は妖精か。まあ俺は楽しんでるロランの旅を。ティアにも襲われなくなったのも、ミシェールと一緒に旅が出来るのもロランのおかげだ。あーこれでスッキリしたろうロラン」
まさか、ミシェールとグッピーがすべてを。
そうだな、スッキリだ。
でも、ミシェールは本当にグールから人を護る一族なのか? そうだと言ってたが、あれはオレのウソだし。そこはまだ謎のままだ。
いつか正体をオレだけでいい明かしてくれミシェール。
「まあ良い話ではないか。ルルレット、ロランは優しい男だな。惚れるのもわかるぞホッホッホッ」
「惚れてない!」
「ルルレットは強情だな。顔が赤いぞ。わかりやすいヤツだなホッホッホッ」
すぐ近くのガドットの村にも寄った。
「アニタ!」
「サンミ!」
「ありがとうございました。ロラン様」
「ロラン様はよしてくれ。オレはなにもしてない。で、どうなんだ生活は」
「家族と一緒に。夫は私が行くへ知らずになった時に、体をこわして他界してましたが。母や息子が、サンミを喜んで迎えてくれました。本当にありがとうございます。やっと帰れました……うっ」
「良かったですね。人助けをしますと良い気分ですねロラン君……。気づいてますか?」
「はっ?! どうしたヴィルヘルム」
「さすがだジイさん。ロラン、町からつけてる奴がいる。わからなかったか」
「そうなのか、東方の賊みたいに大胆な追い方ならわかるが、オレはただの『宝探師』だ。わからなかったが」
「どうします。追い出しますか?」
「村の外がイイだろう」
村を出て、谷へつづく山道に来た。
「こそこそと、なんだい。姐さん」
姐さん。グッピー、正体わかってるのか?
「ようがあるなら出てきて言いな!」
つづく




