王妃の秘密
74話 王妃の秘密
「久々にどうだ、ロメーラ」
「ナニヤ様……」
「少し遅くなったかなダイモス。外で呑む酒はいかん。酔がすぐまわる……冷ますのに時間がかかってしまった。ゆるせ」
「いえ、何もなければそれで。帰りましょう」
「すっかり遅くなってしまったのぉ。昼間のにぎやかさがウソのようだ」
「少しいそぎましょう。この辺は物騒です」
「待て、王妃!」
「何者だ」
「これから悪い事をする悪党が名乗りはしないもんだ」
「何をエラそうに。そこをどけ!」
「王妃が、街中でこそこそと……。たっぷりおがましてもらったぜ」
「貴様、何を言う。何者じゃ! ダイモス、こやつを斬れ!」
「おっと、俺は一人じゃないぜ、オイ出てこい」
こいつら、はじめから大勢で。十騎はいるな。
王妃のナニを見たというのだ。
しかし、王妃も斬れと。なにか秘密を。
あの元宮廷画家の女となにか。
「王妃、公言されたくなかったら5000ニーニョ。いただこう」
「それはたいした額だな」
「王妃なら楽な金だ」
「ゆするつもりね……」
「その護衛の男は知ってるのか」
「知らぬ」
「なら、その男に……500ニーニョで話そう」
「私は聞く気、ありませんぞ王妃!」
「それは関係ない、喋るぞ。王妃はあの女と……」
「やめろ! 出す! ダイモス、500ニーニョ払ってやれ!」
「しかし……」
「明日の夜、同じ時間に5万ニーニョ持ってココへきな!」
「5千ではなかったか!」
「気が変わった! じゃあな」
「王妃様、よかったのですか」
「すまない。ダイモス。あの男は何者かわかるか?」
「暗くてわかりにくかったですが、おそらく昼間話した革命派のリーダーの男だと。よく聞いた声です。元王宮に居た男で、危険な発言をして、追放された男だと」
「危険な発言?!」
「はい、例の世界統一を……」
「なるほど素性はしれてるのか……。ダイモス、連れがそなたで良かった。あの男、わらわをゆするとは……。ダイモス、急いで城へ帰るぞ!」
「ハッ」
翌日、ある男が、暗殺された。悲しむ者は誰一人居なかった。殺されたのはそういう男だった。
オニナマケがいい値で売れた。
オレたちは王都を出ることに。
「ロメーラ、昨日は遅かったな」
「はい、久々だったもので、 王妃様と話がはずんでつい長く」
「ロメーラさん、帰ってきた時、お酒クサかったよ。かなり飲んだんじゃない」
「はい、王妃はお酒好きで、よくつきあわされてました。昨夜も……」
「今の王妃は俺が兵隊だった頃と違うんだよな。後妻で王は若い娘を庶民からもらったって聞いたぜ」
「そうですねあの人は……昔私と同じ学校で絵の勉強をしてました。まさか王妃になるとは」
「ひとの人生なんてわからないものね。私もずっとお姫様でいられると思ってたわ」
「今でもお姫さまでしょレオ様は」
「そうかしら……。でも、かなり小さい一行の、ですわ」
オレたちは懐かしい森の道に入った。
つづく




