オニ茸のガイラ再び
71話 オニ茸のガイラ再び
「ロラン、あの逃げてる奴の頭の笠はオニ茸だ」
「オニ茸のガイラじゃないか!」
オレたちに天然ダンジョンを教えた男だ。モグラの肉の金を一人じめして逃げたくわせもんだ。
「あいつ、助けるのか?!」
「どうする……」
「あ、こっちに来る」
奴を追う怪物は、思ったよりデカい。
「ヒイッ助けてくれ!」
オレたちの横を通り過ぎるガイラの足にグッピーは槍を出して転ばせた。
「ロラン、そいつを捕まえろ。ティア! やるぞ!」
「ヒィアアア!」
グッピーとティアーナは怪物を。
「ガイラ、久しぶりだな」
オレとルルで転んだガイラを後手に縛りつけた。
「お、おまえは誰だ!」
ガイラの笠を取り。
「忘れたかガイラ、オレたちを」
「このくわせもん!」
「痛てっ、おまえらは……」
「こいつホントに忘れたのかしら、思い出すまで殴ってやる」
「ひいっ」
ズシン
後ろで大きな揺れと地響きが、あの巨体が倒れたんだ。
さすがグッピーとティアーナ。もう倒したのか。
「おい、久しぶりだな」
「あわぁおまえらは!」
こいつグッピーとティアーナを見て思い出したみたいだ。
オレたちはそんな存在感なかったか?
「あの時はすまねぇ女房が病気で薬代が欲しかったんだ」
〘ウソだロラン〙
え、今のはミシェール? いや、ちょっと声が違ってた。まさか。
でも、ミシェールの顔を見た。
いつもの無表情だ。
「女房が病気だった〜そんなの初耳だなぁ」
「ホントだ。助けてくれて礼を言う、あれくらいの大物になると、やはり一人ではきつかった」
「ああ、奴はオレたちの獲物だ、今回は持ってくぜ。消えな!」
「そいつをオニナマケを山から出したのは俺だ分け前をくれ」
「こないだ、持ち逃げした分が、おまえの取り分だ」
「ホントなら、ティアーナに首落とさられても文句言えない立場よあんたは」
「殺ってもいいか」
「ひいっ、わかった。いらない!」
王都の食事屋。
お茶しているレオノールたち。
「ねえロメーラさんって妖精が見えるってホント?」
「ええ、見えるわよ」
ロメーラは、バッグから絵を出して見せてくれた。短い衣装着た羽のある女の子だ。
「カワイイ子だね。妖精の他にもナニか見えるの?」
「そうね、あなたちの背光が見えるわ」
「ハイコーってナニかな?」
「人はね常に光を放ってるの、人それぞれ違った光ね」
「アニタも」
「ええ、元気な色が。その日によって変わったりするのよ。病気だと悪い色になるの」
「顔色みたいだね」
「レオ様は貴族の気品にあふれた色」
「だろうね、私は王家の出だから」
「そしてあなたは大いなる力を放ってレオ様を抱いて護ってるのが見えます」
「へえぇそうなんだ、ロランやルル姉は?」
「そうね、アニタと同じだわ、ただ不思議なのはロランが持っている女性の像ね。あれからかすかな光が見えるの」
「ロランは、いつもみがいてキレイにしてるからじゃないか?」
「彼は植物の油を使ったりしていますよ。あの像からいい匂いがします」
「そうなのヴィルヘルム。今度かいでみょうかしら」
「そういう光とは……。気になるというか、不思議というかあの白いフードマントの人」
「ミシェールだね。あの人はアニタは天使だと思う」
「天使……はあそうね。私たち人間とは少し違う気がする」
「あのでっかい像のお婆ちゃん女神よりキレイだから女神かもね」
「あら、あたしもあの女神にくらべたら……」
つづく




