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王都に

70話 王都に


「ロラン」


 エスタが、現れた。

 亡くなった妹のエスタではない。

 ロメーンから改名した、美人像のエスタだ。


 あの像が人間に変わった姿に。

 思ったよりも若い。美人というより美少女の方が合う。

 彼女は像のように裸だ。胸像だったから、下半身を初めてみた。

 すらっとした身体の線。くびれたキレイな腰。長いキレイな脚。見惚れてしまった。


 「なに?! エスタ」


「ありがとう。エスタという名前、気に入ったわ」

「そうか、良かった。オレも好きな名だ」


 彼女はオレに抱きついてキスをした。

 ん、ちょっと冷たい感覚。


「おあっ」


 目が覚めた。オレは美人像とキスをしていた。

 夢か。


 王都に入り久々に一人部屋のベッドで像を抱いて寝たら、あんな夢を。

 しかし、おまえが人間になったらあんな可愛くなるんだなぁ。

 ますます、おまえを人間にしたくなった。

 オレは像を抱きまたキスをした。


 北方の町と違い、兵は居たが王都に入るのは楽だった。

 

「さすが王都だ、にぎやかだね」

「もしかしてアニタ、王都に来たの初めてか」

「小さい時、家族で来たけど、憶えてない」

「あの頃アニタは赤ちゃんだったからね」


「お嬢様、あちらに馬車屋が、宿が決まったら行ってみましょう」

「そうねこの荷車、乗り心地最低だしね、早く馬車が欲しいわ」


「ロメーラさんは、王都に住んでたと聞いたわ。都に住んでたなんて、いいわねぇ。あたし、田舎のダンサーだったから。王都のホールで踊りたかったんだ」

「そう。ダンスホールがある宿があるわよ。けど、ちょっとお高いかしら」

「いいわね、そこ泊まりましょ。お姫さまは、どう?」

「いいではないかダンスホールのある宿」


「おい、高いと言ったよなロメーラ」


「お嬢様、その荷台の衣類少しお売りになれば、荷物も減り資金も……馬車のお代にも」


 ここは城かと大げさに言えるほどの宿。

確かに高そうだ。どこかの城を小さくしたような宿だ。さすが王都。

 落ち着かないとグッピーとティアーナはもっと安い宿に。

 で、オレは久々に一人部屋。


 食事は上手い物が食べれれると皆同じ宿に。

 夜のショーにロメーラの口利きでルルが出られるコトに。

 ロメーラは、都で顔が知られてる有名人なのか。

 

 翌日、昨日頼んだレオの馬車が宿の前に着いた。

 定期便馬車の中古で相乗りで屋根付き。レオが、アレコレ注文をつけ改造した馬車だ。

まえの特注品よりおとるが、それなりの貴族風馬車に仕上げてあった。


「あの馬車屋、いい仕事をするわね。時間がないので悪い出来でも仕方がないと思ってたけど」

「良かったですね。内装もよく出来てます」


 高級宿で贅沢をしてしまったのでオレとグッピー、ティアーナ、ルルそれにまた、グールに襲われるかもとミシェールが同行して狩りに出た。


 王都から出て、農村地帯を通り山に入る。平地の森よりデカい獲物が期待できる。


「なあルル、あいつ頭大丈夫だよな」

「ロラン? どうして」

「今日はあの美人像の顔を出して背負って歩いてるだろ」

「そうね、なんか赤ちゃんおんぶしてるみたい」

「昨日グールに襲われた時にあの像が喋ったとか、声が聞こえたとか言ってたが。思い入れが強すぎて、おかしなコトになってないかとな」

「ウ~ンどうかしら。あれで会話とかしてたらあぶないわね」


「おい、ロラン。どうした。嫁が顔出してるぞ」

「嫁って、ティアーナ」

「こうやって一緒に歩いてると、あたいたちの子供みたいだ」

「ないだろ。オレとティアーナが夫婦に見えるか」


「見えない」


「ほら、ミシェールも」



 山では小物のシシブタとコブザル二頭づつ。捕れた。

 「そろそろ帰るか」と言った時。


   ドドドドドド


 地響きが。


「なんだ!」


「大きなケモノだ」


 山の斜面を下る巨大サルのようなのが。


「アレはデカいなオニナマケだ。人が追われてる」

「助けるか!」


               つづく



 

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