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巡礼団

65話 巡礼団


「また、美しい人をお連れになりましたね」


「画家のロメーラ・ブルリだ。縁あって神殿に同行する」


「縁って、どんな縁よロラン?!」


「縁でもない限り出会った人間に何度も会わない。ルルとも、あの町で会ったのは縁だ」


「そうね……。あたしたち小さい頃からお隣どうしだったんだもの、ちょっとやそっとじゃ縁はきれないわ。ホント、あそこで会うとは思わなかったよ」

「アニタもだ!」


「縁ですか。この仲間は何かの縁で結ばれて出会ったのかもしれませんね」


「面白い。私もあっちこっち行ったが、一度きりの者は、沢山いた。こうして道連れになったのはおまえたちだけだ縁というやつなのかもな」


「姫さまが、無理矢理お供にしたからよ」


「それも縁だ」



 皆で夕食をした後はそれぞれの部屋に戻った。


「おい、なんで俺たちが一緒の部屋なんだ」


「同じ護衛だからだろ」


「わからないでもないが、男女だ。執事のヴィルヘルムは一人部屋だ。まあそれはいい、ロランは夫婦という設定で、ミシェールと一緒の部屋だ。それはダメだ。いってくる」


「寝るだけだ。あたいは寝る」


 ドンドンドンドン


「ん、なんだグッピー」

「おまえ、ミシェールと……」

「いや、見ろよ。オレの部屋に居るのはラッシュだ、ミシェールはレオとアニタの部屋だ」

「そ、そうか。ならいい……」

「おまえこそティアーナと一緒なんだろう。大丈夫なのか、ティアーナを襲うなよ」

「するか……。ところで、あのべっぴんさんは、どこで知り合ったんだ。おまえホント美人に縁あるよな。あの女はどの部屋だ?」

「変なことするなよ。彼女を慕って捜してる人が居るんだ」

「早い者勝ちだ」

「グッピー! んなこと言ってるからミシェールに嫌われるんだ」

「俺が、ミシェールに嫌われてるって」

「気づいてないのか、あんた」


 翌朝、町を出る。

 なんと、神殿に向かう巡礼団がこの町に宿泊してたのだ。

 彼らと一緒に町を出ることにした。


「この中なら目立たんな」

「そうか?! かえって目立ってないか。槍とか、豪勢な姫の馬車とか。みんな、普通の平民だぞ」

「奴らの団長に用心棒として、ついてくと」

「ぬかりないなグッピー」

「ああ、俺は旅なれてるからな」


「お姫さまの馬車も窮屈で、あたしは、歩いた方がいいわ」


「俺たちは、変わらないがな」


 神殿は岩山のふもとにあるという。

 巡礼団は、途中で休憩に。

 お茶を飲む者や食事をとる者。中には楽器を持った者もいて、演奏と、こちら独特の歌を。

 踊る者もいた。

 そこへ踊り子だったルルが飛び入り、歓声があがった。

 実はルルの踊りを初めて見た。


「ルルのヤツなかなかやるじゃないか。まるで本職のダンサーだな」

「グッピー、知らなかったか。ルル姉は元踊り子だ」


「こら、アニタ。ダンサーよ!」


 休憩も終わり、岩山の細い巡礼用の道を登りゆく。細い狭苦しい道なので馬車は休憩場に。

と、前方に見えてきた。白い大きな神殿だ。北方では、スゴい信教されてるんだなマコーナでは。

 西方では、あんな大きな神殿のある神は知らない。

 マコーナとは、どんな女神なんだ。


「あんたらは何処から来たんだね」


 オレの横をひょこひょこ歩く婆さんだ。


「オレは西方の人間だが、いろいろあって東方周りで来たんだ」

「それは遠いトコ、ご苦労さま」

「オレは、人にすすめられて来たんだけど、マコーナという神様はどんな神様なんだ」

「はあっ知らないで来たのか! あんた」

「ゼロじゃない、聞いた話では東方ではションリと呼ばれてて、将軍の持ってた馬の玩具を本物に変えたという伝説がある」

「そうかい、わたしゃゾンネンシュターンから出たことがないから、そんな話は知らないけど、マコーナ様はどんな願いもかなえてくれる優しき女神様だ。祈って損はないよ」

「なんでも……」

「あんたのいう将軍様は、祈ったんだよ玩具の馬を本物にしてくれと」

「そんなに簡単に願いをかなえてくれるもんなのか」

「あんたのこころがけ次第だよ」


「神は、女神は存在するのか……婆さん」


「信じる心が大事なんだよ、若いの。だから来たんじゃないのかい」


 言われてみればオレは女神の存在を信じて極東国まで行こうとした。

 でも、ミシェールは、極東国には居ないと。


 ミシェールはなんであんなにハッキリと。

 女神に会ったコトでもあるのか。

 極東国に居た時に。


 確かめるか。


「アニタ、ミシェールは?」

「後ろを歩いてた……いないな」

「グッピー、ミシェールを見なかったか?」


「ああ、そういゃあ休憩場までは居たよな」

「ティアーナ知らないか?」


「見てない」


「ロラン、センの馬車とかは。休憩場では近くに居たよ」


 あまり気がすすまないと言ってたから、馬車で待ってるつもりか。


「ロラン、ミシェールって、白いフードマントの」

「ああそうだ銀髪の冷たい顔した」

「あの人は不思議な人ね……」

「妖精が見えるロメーラにはどう見えたんだ」

「人の背光とは、違う輝きを持つ人」

「魔女とか?」

「魔女も人よ……」

「魔女とか魔術師みたいなのと違うと言っていたけど魔法を使うし、効き目のイイ薬も作ってたな」


「ねえそういうの普通魔女って言わないロラン。あの人ホント、なんだろね」

「ルル姉、ミシェールは女神様だ」


「アニタ。ナイ、ナイ」


               つづく 






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