他人の関係
63話 他人の関係
「山道を出ると、街道になります。しばらく行くと辺境の町アルマスがありますが、そこは辺境でも、にぎやかな町で」
「西の辺境もそうだ、他方の物が違法で売られてたり、亜人も沢山居た」
「何処も似たりですね。亜人は服を?」
「ああ、町だ。ラッシュの腰布一枚は目立つ。おい、アニタ。ラッシュにナニか着せてやってくれ。オレのでもいいぞ」
「あと、少し大勢なので別々に町へ入りましょう。皆が一行というのは目立ちますし、賞金稼ぎもうろついてました。検問所があるかもしれません」
「そうだな、あんたとお姫様、それからグッピー、護衛として馬車についてくれ」
「俺はミシェールと夫婦旅がいいな」
「ない」
「まあいい。俺は姫様の護衛だな」
「グルドンどの、姫様は禁句ですぞ。お嬢様と」
「ヴィルヘルム、姫は手配されてんだろ、ルルと代わったらどうだ、歳や背格好も違うし」
「そうですね、この馬車目立ちますし。乗ってる人間が違えば」
「えっ、あたしがお姫様に」
「違う、とある貴族の令嬢だ、姫とか言ったら処刑されるぞ」
「そんな話、私は……」
レオが馬車の窓から顔を出した。
「いいじゃない、姫さま。アニタのお姉さんになってあげて」
「……仕方がない、乗れ着替えだ。貴族の作法も教える」
「お姫様も、その派手な化粧落として」
「ミンはセン一家の馬車で」
「まあ本来のかたちだね」
「アニタ、まえみたいに姉妹旅をレオとしてくれ。ラッシュは二人のお供だ」
「アニタお供、なに?」
「ん……仲間だ。レオ姫がお姉ちゃん役かぁ」
「仲間……?」
「ラッシュ、アニタたちと一緒にいろ。面倒なのはティアーナだな、おまえいつも一人で旅してたのか?」
「だよ。ロランと夫婦でもいい」
「ロラン君、彼女も護衛にするというのは、東でもやりましたね」
「悪くねーが、ティアと夫婦なんてー設定にするなよ」
「そうしようヴィルヘルム、頼む」
「おい、まてコラッロラン! そーすっと残りはロランとミシェールだ。おまえら夫婦旅か」
「あーそうなるかな。でも、まえは一緒に旅してたよな普通に」
「おい、俺も居ただろう」
「そうだっけ。三人だったのはわずかだ。男女二人なら自然だろ怪しまれない」
「ああ、だがミシェールはそれでいいのか?」
「かまわない」
「おい、そーなのか……」
「よし、今からグループごと、オレたちは他人だ。町中では、ソコで知り合ったことにする」
ヴィルヘルムが警戒したように町の入口では警備兵が検問をしていた。
つづく




