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荒れ地の盗賊

59話 荒れ地の盗賊

 

 荒れ地も北方へ行くと馬車が走りやすい。

 レオたちはこんな道を通って来たんだ。

 カウカウの歩きも良く、暑さも東方の荒れ地の暑さと段違いだ。風が涼しい。草木も多い。


「ロラン、気づいてるか?」

「なんだグッピー?」

「高台の上だ」

「ああ、あの連中か……東方の荒れ地、出たあたりからチラチラ見えてる。つけて来てるよな」


「こっちから行って始末してこようか」


「やめとけティアーナ。まだ敵だと……ヴィルヘルム!」


 先頭をカウカウの手づなをとって歩くヴィルヘルムは。


「何でしょう」


「あいつらどう思う?!」


「ああアレですか。盗賊ですかね? 何処で襲うつもりでしょう」


「盗賊ならあたい行って殺ってくる」

「だからか待てよ。奴らなんで襲って来ないんだ」


「我々の事を知っているのではないですか」


「トッケツでもないだろ。知り合いじゃないと思うが」


「向こうが出てくるまで無視しましょう。無駄な争いは、さけましょう」




「頭、まだやらねぇんですかい」


「なめてかかればこっちが命取りだ、あのトッケツのソー・ムンランを負かしたヤツもいる。奴らはカーテンの向こうへ行って帰って来た連中だ、あまくみるな」


「おやじ、ならやめよう。無駄に子分の数減らしたくないだろう」

「シャオルン、黙ってろ」

「奇襲なんてあたいの性に合わないっ。ハッ」

「おい、シャオルン!」

「おい、五人ほどついて行け! まったく親の言うことを聞かねぇ奴だ」



「おい、何頭か来るぜ!」


「ヤッホホーイ来た来た!」


『すまん、あたいはワー・シャオルンというケチな盗賊の者だ』


「トッケツみたいだなぁ。女が頭か?! まだ若い」


「私がお相手しましょう」


「頼むヴィルヘルム」


『あなたが頭ですか?』



『あたしは頭ではない。頭はあたしのおやじだ』


『盗賊が私等に何か?』


『あんたらがカーテンの向こうに行って帰ってきたというのはホントか?』


『確かに』


『向こうからお宝を沢山持ち帰ったのか?』


『いいえ、我々はカーテンを超えましたが向こうの国へは行ってませんから、みやげなど何も』


『そうか、ならいい。おい、おまえら聞いたな。帰るぞ』



「行ってしまいましたね。物わかりのいい盗賊の

の娘さんだ」


「なんだって?」


「あっちに行ってお宝をとってきたのかと聞かれました。島へは行ってないと言ったら納得して」


「オレたちがカーテンの向こうへ行って帰って来たのを知られてるんだな」


「どこかで我々がお宝を持って帰ってきたと噂でも流れているのではないのでしょうか」


「それをねらってたのか奴ら。そんなモンあるかバータレどもが!」


「つまらんヤツらだなぁ帰ってしまった」




『あ〜。そんではい、そうですかと帰ってきたのかシャオルン』


『ウソを言ってる顔じゃなかった。帰ろうおやじ。それに、奴らを見てわかった。あたしらには勝てない』


『おめぇバカか、そんなのウソに決まってる。こっちは奴らの倍以上いるんだぞ!殺っちまってお宝を奪うぞ』

『奴らの噂を聞いただろ、仲間を殺す気かおやじ!』


『おまえは黙って見てろ!』



「ヴィルヘルムの話、信じなかったようだぞ、奴ら大勢でやって来る」



『ああ、これだから盗賊稼業は……。あ、もう。しょうがねぇなぁバカおやじ!』



『俺たちの負けだゆるしてくれ!』


「やりがいのねー連中だぜ、まだ十人も残ってるぞ、もう降参か」 


「まだ、殺りたりない!」


 頭らしいおやじは剣を置いて土下座した。


『すまん、止めたんだが。おやしをゆるしてくれ!』


 さっき来た娘が走り込んで来て馬から降りた。


「ミン、なんと?」

「襲撃を止めたようね、あの娘。父をゆるしてって。お父さん思いの娘だよ、盗賊らしくないねあの娘」


「まあこっちには何も被害はないし、ゆるす。早く怪我人を手当してやれと。ヴィルヘルム!」


 ヴィルヘルムの話を聞いた娘はリーダーと聞いてオレのトコに来て。


『あんたが頭だと。すまない』


「やつら、帰ったな。あれでまだ盗賊続けるのか? あの娘、盗賊向きじゃないよな」


「あの娘、腕はたつ。闘いたかった」

「そうなのかティアーナ」


「名はワー・シャオルンと言ってましたよティアーナさん。また何処かで会うかもしれませんね」


「ホントか?!」


「なんだそれはヴィルヘルムの予言か?」


「いや、ロラン君は、美女に縁があります。あのシャオルンという娘、なかなかの美人でしたよ」


「俺もそう思うロラン。前にも言ったが、おまえの周りは美女だらけだ。だから俺はおまえについていってる」


「あたいも美女か」


「例外もある。お、やるのかティア」


「また、やってる。あのふたり」

「アニタの仲間、強い!」

「うん、ラッシュ。見たよね。みんな強いんだ!」

「怖い」

「怖くないよ、みんな優しいよ」



「ここからゾンネンシュターンへの街道ですが、そのまま行っては王都へ行ってしまいます。私たちは、コチラの山道から、脱出しました。登りはありますが、ゆるやかで馬車が通れる道です。ケモノ等の出没はありますが、みなさんなら問題はないでしょう。ケモノは食料にもなりますから」


「そうだな、モグラは不味いからいらねーな」


「美味しかったけどチュビラもいらないわ」


「安心して下さい、どちらも見ませんでした」


 荒れ地から、森に入ると登りだ。カウカウ一匹のレオの馬車はきついと、男たちで馬車を押した。


「なんで、町に居た時にこの姫様馬車の馬を買わなかったんだ」

「だな、なんでだヴィルヘルム。金はあったんだろ」

「はい、実はお嬢様はカウカウのルルがお好きで。馬に代えたくないと」

「そんなに好きなら、なんで馬車を引かせているんだ可哀想だろ」

「お嬢様は幼少の頃からルルに玩具の車を引かせてまして」

「幼少って、あのカウカウは今、いくつなんだ?!」

「姫さん、老物虐待じゃないか?」


「ヴィルヘルム、ちゃんと説明しなさいよ、ルル二世で、まだ若いと」


 レオ姫が、馬車の後部窓から顔を出した。


「お姫さん、好きなら、たまには降りて歩きな」


「お供のさしずはうけないわ」


 あっ、引っ込んだ。

 そこへ。


「ロラン、ティアーナが先の方から、馬の臭いがすると、見に行っちゃたわ」


「馬ですか?! 山賊は馬を使いません。もしや新国王の兵……」


「馬車を上の窪地まで上げたらティアーナの帰りを待とう」


               つづく






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