美人像の名
57話 美人像の名
『ロメーン様だ。それは、ロメーン様だよな?!』
『ラッシュはこの像を知ってるの?』
『知ってる。とおちゃんが我らのご主人様だと、とおちゃんが持ってた絵にそっくりの像だ、子供の頃、その絵に毎朝礼をしていた間違いないロメーン様だ』
『君の家族はいったい何なの?』
『なんなんだと、言われても』
「なんだだってミン? こいつはこの像のこと知ってるようだが」
「名前はロメーンと、彼の家族の主人だと。子供の頃毎朝、この顔と同じ絵に礼していたそうだ」
「なんだって……アニタ。ミシェールを呼んできてくれ、部屋に居るはずだ!」
「わかった!」
「ティアーナ、どうだ。こいつの臭いは?」
「ん、臭い? ケモノ臭い」
「だけか、他にかいだ臭いは」
ティアーナは、亜人の背のに近寄りくんくんとした。
「なんだ……かいだコトある臭いがかすかに……なんだっけ」
「おまえ、名前は?」
ん、そうか、言葉が通じないのか。
『名前を聞いてる、この人はボクらのリーダーだ』
『リーダー?』
『頭みたいな者だ』
『一番えらいのか? あまり強そうに見えないが』
『リーダーは、強さで選ぶんじゃないんだ』
『あ、そう。じゃリーダー、オレはラッシュだ』
「名前はラッシュ。種名はわからないそうだ」
「人の言葉はドコで習ったんだ?」
『なんだって?』
『その東方語はどこで習ったと』
『ああ、かぁちゃんからだ。子供の頃から喋ってる。自然に覚えた』
『そいつは、グールだ』
「ミシェール!」
ドアが、開いてたから来たのがわからなかった。
『言葉を母親から。ラッシュの母親は……』
『ああ、このさい言うよオレのかぁちゃんは、おまえらと同じ人だった』
「ミシェールさん、ラッシュの母は、人だそうです」
「こいつは、人とグールの……」
この像はやはり。魔女なのか。
「グールを使い魔としている魔女の像なんだなミシェール。この像は……」
「言ってなかったか? だから、捨てろと。でも、グールが求めてる今、そいつをグールに渡すのは危険だ」
「渡す気はない。が、グールどもは、コレを手に入れたら元の魔女にもどすのか?」
「奴らにそんな力はない……。ソレが魔女だったとなぜ?」
「聞いたんだ、こいつの声を」
「なに?!」
つづく




