ミンの行動
54話 ミンの行動
あの航海は、何だったのか。
オレは今、ミンの家でぼーっとしている。
あの時、聞こえた。目の前の美人像の声は何だったのか。
追いつめられたオレの幻聴だったのか。
あの時、確かに聞こえた。
この像はもともと人だったのか?
なら、なぜ像にされたんだ? そして、こいつをもとの人間にもどせるヤツがいると。
だが、何処に、そいつは誰なんだ。
あの女神の時のような手がかりも何もない。
そもそも、女神。神を搜すなんてバカげたコトだったのか。
ミン家の応接間。
「ロラン、おかしい。海から帰って一言もしゃべらない」
「そーね。このミンの家の部屋であの置物、見つめてボーッとしたまま。なんなのかしら」
「おいミシェール、アレなんとかなんねーのか、あんたの言葉で、あいつあーなっちまったんだ」
「あのままの方がいいのかもしれない」
「やだ、ミシェール! アニタはまえのロランにもどって欲しい」
「ウソでも言って、あいつを動かせ。退屈でしょうがねえミシェール」
「そんな事出来ない……」
「失礼します。皆さんお茶を」
「ありがとうカナ。皆さんお茶を。あの、ロランは女神マコーナに会ってどうする気だったんですか? 誰か知ってるんですか?」
「アニタ知ってる!」
「俺も知ってるんだが、言っていいもんだか」
「そんなに隠さなきゃいけないコト? アニタ」
「別に隠してない。言わないだけ」
「まあ神様に会って願うコトだ」
「なるほど、なんとな~く想像はつくわね」
「ルル、なんなの?」
「ミン、わからない?」
「彼は、ウンリューヒ将軍の玩具だった馬の話を……。そうか、毎日見つめてる美人像。アレを」
「だな、このさいだ。あいつはホントにあの像に惚れちまったんだ」
「そういう話か。わたしは女神に恋したのかと思ってたぞ」
剣の稽古終えたレオとヴィルヘルムが外から戻った。
「カナ、お茶を」
「ありがとうございますミン様。私たち、ココにとどまる理由もなく……。お世話になりました。そろそろ……」
「いや、遠慮なく居てくれてもかまわないぞヴィルヘルム。そうだ、みんなにお願いがあるんだ。今度はボクの宝探しに付き合ってくれ。砂漠の遺跡探しだ」
ボクはロランの部屋へ。
「あの遺跡には父が何度か行っていてね。父しか場所を知らなかった。父の死後、場所をしめすメモが見つかりボクは砂漠へ向かったんだ。だけどボクには遺跡を探し出せなかった。だからか『宝探師』のロランに」
無駄だった。ロランは部屋からは出なかった。
けど、ボクは出た。
今度こそ砂漠の遺跡を。
「気になるぞ、ロランとミシェールをおいて、出てきたの。ミシェールは、ロランを好いてる……多分」
「グッピーの嫁じゃないのかミシェールは」
久々の馬車。窓を開け扇であおぎながらレオ嬢がグッピーに。
「まあ、なんだが」
「ロランはミシェールに気がない! 大丈夫よ。グッピー。それに、ミシェールは、ロランを押し倒すようなコトするキャラじゃないでしょ」
「ルルならするぞ。グッピー。連れて来て良かったな」
「しないわよ、お姫様じゃあるまいし」
「私はそんな、はしたない事はしない!」
「そうだ、ロランと子を作るのはあたいだ。他の誰にもさせない」
「まだ言ってんのティアーナ」
なんだか、まえみたいに感じにもどったみたいだ。この行動はあっていたかも。
「センたちもいるから問題ないです」
「アンが居るじゃないか、ロランに……」
「なに考えてるのよグッピー。イヤらしいんだからか、娼館でも行ってきなさいよ」
「そうだなぁしばらく行ってないなー。遺跡見つけたらミン、行くか」
「ボクは女ですから」
つづく




