神の山は
53話 神の山は
「あのムカシザメが、現れたので、ルートを少しずらす」
「あんなのがまた、来るのか? 船長」
「いや、おそらく次は船だろう。船団か待ちかまえているやもしれない。コレは完璧でない極東国の想像図だ。ハルが描いた」
完璧でない想像図だ? 何だそれは、役に立たつのか?
広げられた図は真ん中に細長い島があり、その先端に四角い島、下方に島が二つ。
「大昔は一つの島だった。天変地異によりこのような四つの島になった国といわれてるわ。私の家にあった地図を思い出して描いたの。大雑把な地図だけどね。この上の方が、北で寒く、下の方が南で、暖かい」
ハルが島の絵を説明した。
「我々が向かう場所は、南にある長四角の島の上あたりだった。が、その横にある長四角を寝かせたような島に向かうことにした。そっちから上陸した方が、ハルが言っていた神の住む山に近い」
「わたしが生まれる少し前に、このあたりにカチュー国から来た大船団が、上陸して神の山の麓辺りまで支配したと、聞いたわ。多分このあたりにはカチューの人間が沢山居るはずだから極東人よりは話が通じるし、仲間意識もあるはず」
「俺ら西方人だぜ仲間意識なんて……あんのか?」
「すいません、話に参加させてもらってもいいですかな」
「いいぞ、セン。ナニか知ってるのか」
「はい、私が若い頃カチュー国に居た頃に聞いた話です。あの東方を統一した、ガン皇帝が、不老不死の妙薬が有る神の住まう山がある極東国に大船団を派遣したが、誰も戻らなかったという昔話。今、ハル様が話したカチューの人間が支配した地方の話と、つながります」
「皇帝の派遣団は国へ帰らず極東国に上陸し住み着いたわけね」
「では、ないかと」
「帰ってこない連中の全部じゃないけど、向こうに居着いたという話は実際にあったんだ。行ったら帰れない所というのは伝説だな船長。帰れないんじゃなく、帰らなかったんだ」
「不老不死の妙薬なんてあそこには無い」
「そうね、そんなもの存在しないわ。あなた、向こうに行ったことあるのね」
そうだ、ミシェールは島のコトを知っていた。
ハルが聞いた。
「長くはないが居た事はある」
ミシェールホントか。島のコトを知ってるはずだ。
「どの島の何処に? 居たのかしら」
「山の麓……。あそこに神など居ない。山を神として、崇めているだけと知った。ロラン、神に会いに行くとか、言ってたが神は、居ない帰ろう」
「なんだよ、今頃ミシェール帰ろうって」
そういえば、オレについて来たミシェールの理由って、なんだ。
はじめは、像を捨てろと、言ってたが、だんだんそのコトは言わなくなった。まあ女神に会ったらのコトはとは少しは知ってるようだが。
ついて来るわりにあまり話しをしないんでオレの旅の目的をどこまで知ってるやら。知ってて来てるのか?
ただグールから逃げてると思ってたのか。
ここにきていきなりなんだ。
ミシェール?! どうした?
「ロラン、あの国へ行くのは無駄に危険」
「ミシェールが、あんなコト言ってるぜロラン。どうする?!」
どうするって、グッピー。オレについて皆がカーテンの先に。いまさら帰るって。
レオ姫はお宝の島が見たいと。ミンは未知の世界を見たいんだ。それにお宝も。
「そうだ、オレは、女神マコーナに会いたい、その理由は、ちょっと……言いたくないが、居ないのか女神は、極東国に……じゃ何処に……ミシェールは知ってるのか?!」
なんなんだ。ミシェールの言葉でオレの目的が希望が夢が消えてしまった。
どうするんだオレ。極東国に女神が居ないのなら次は何処へ行けばいい。
「どうしたらいいんだ教えてくれ、あんた!」
オレは、背にした像を前に移動し抱きしめて話しかけていた。
〘探せ、わたしに命を与える者を、いるはずだ。私をこんな姿にした奴は……〙
と、聞こえた。この声はあんたか?
つづく




