東の港町ホマ
46話 東の港町ホマ
「市場だよ、ロラン」
やっと荒れ地をぬけて大きな町へたどり着いた。
センの話だと、カチュー国の北方の小さな国コングリヤの港町ホマだ。
市場には、豊富な魚類から南洋系の果物や野菜が並ぶ。
見たこともない食べ物が。
大きな船も出入りしてるという。
ここから例の島国へ渡れるかもと考えたが。
『そんな船はないね。ここからでも見えるだろ。あの海のカーテン。あそこから先に行く者も船もないよ』
若い頃東方周辺を旅していたというセンの通訳は頼もしかった。
言われて、見れば海の遥か沖にナニか幕の様なのが。地元の人間や船乗りは、あれを「死国のカーテン」と呼ぶ。
あの先は嵐の海で。行って帰ってきた者はいないそうだ。
「船はカチューへか、その先から陸の周辺を周っている。南方へは行くそうだ。ここから先の東の海には進まない」
「そうか、残念だなロラン。ここが東の最先端ってわけだ」
「残念?! なぜだ。ここから先が本番だ。困難があるのは、この先に大きな何かがあるからだ。まだ、知らない情報が有るはずた。探そうグッピー」
宿に帰ると、ヴィルヘルムが。
「ここからは、東へ行く船は出ていません」
と、オレたちが調べたのと同じ話をした。
「じゃここまでねロラン。あきらめよう。あたしはなんだか西の国が恋しいわ」
「じゃ帰ってもいいよルル」
「冷たい言い方ねロラン」
「ルル姉、アニタはずーっとロランの相棒だよ」
「なら、あたしもよ……アニタのそばに。アニタはロランのそばにか……」
「しかし、この先に進めないのは確かだが、ココはちょっと面白い。いろんな国の文化が入ってきてるから見たことない機械や発明品。ボクは、しばらくココに滞在したい。いいよねセン」
「私たち家族は、いつまでもミン様に」
「まあ珍しい物を見るのは私も好きだ。此処は昼間見た感じ面白そうだし、いいんじゃないか。ヴィルヘルム、しばらく楽しもう」
「そうか、まあみんな好きにしてくれオレはオレの旅をする」
細かい情報探しは明日にしようと寝た。
翌日、水夫が集まるという酒場にグッピーとセンを連れ。
カウンターでバーテンダーに。
「ナニか美味い酒は? 俺らは、昨日この町に来たばかりなんだ。地元の美味い酒が飲みたい」
「おい、朝から呑むのかよ」
「こーゆートコではな、酒を注文していろいろ聞き出すんだよ」
後ろの棚から酒瓶を選んだバーテンダーが。
「こいつはどうだ『南海の美女』。名前はこうだが作ってるのはこの町なんだ」
バーテンダーは西の言葉で言った。
水夫はいろんな国から来るので喋れるのだろう。
「へぇ〜シャレたラベルだね。べっぴんさんの人魚だ」
「ああ、ソレは実は俺が描いたんだ」
「あんた絵が上手いなーまるで本物を見て描いたようだ」
「そうなんだ、実は若い頃見たんだ本物を」
「本物見たって?!」
「俺は昔は船乗りだっんだ。海賊が隠した、お宝見つけてよ、それで船乗りやめて、この店をはじめたんだ」
「おー。また出たぜマスターのホラ話し。俺が聞いたのは砂漠の遺跡で見つけたお宝だ」
西の言葉だ。ココは故郷の酒場のようだ。
バーテンダーはマスターか。
「ああは、言ってるがな、俺は『宝探師』もしてたんだ。大きな財宝は見つけてないが、細々といろいろ集めてな」
「そうなのかオレも『宝探師』だ。実はある宝を探している」
「ほう、あんた顔からして西から来たようだな。いい顔してるね。その宝ってなんだ?」
と、顔を寄せ小声で言った。このおっさん、ホントに宝探師だったのかも。
「金銀でも石でもない不思議な物に彫られた女神の像だ、それが東の国にあると」
ウソだ。
「なんだソレは値打ちモンか?」
「ああ、西では城が10は買える」
「そんなに……。聞いたことねぇなそんなお宝」
「ソレは極秘になってるからなぁ……。ここまで来たが、有りそうもない。もっと東じゃないかと」
「なるほど。だがココより先に国はねえ……でもないがな、ぼーず」
「どういうことだ?」
「極東の楽園話を知ってるか?」
「知らん?!」
「船でしか行けねぇが、この先にまだ国がある」
「行ったコトがあるのか?」
「ない。だが、あるのは確かだ。俺はそこから来たヤツを知ってる」
つづく




