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飴サカナをくわえた悪い奴

40話 飴サカナをくわえた悪い奴


「武術の町というから……。わりと、カワイイ服あるじゃない」


「ルル様、ソレは闘技用の服です。女性は闘技の時もオシャレを」

「え、こんなにカワイイの着て闘うの?」


『お嬢さんが、ソレ着て闘えば相手はイチコロだよ』


「相手はルル様を見て悩殺されると言ってます」

「悩殺……。あ、アン。あたしらは、友だちよ『様』はいらないから」


「ルルさん、ボク、ティアーナと雑貨屋見てきます」


 やっぱり、あの二人服なんか興味ないのね。


「ルルおねえちゃん、あっちにアメ屋が」


 アニタは食い気か。飴細工の屋台ね。



『お嬢ちゃん、なんのアメがいいんだい』


 どれがいいのか聞いてるのかな?


「アニタ様、ナニがいいかと聞いてます」


 カナさんが来てくれた。


「アニタ、サカナのがイイ」


『そのサカナのを』


『おっと、ソレは俺が先に目をつけたんだよ』


『今、来たんじゃないかあんた』

『サカナはアニキの好物なんだ。なあにいさんコレくれ』


『あ、ああ1メンバだ』

『ああ、金とんのか? ショバ代払ったら払ってやるぜ。ねっアニキ。どーぞ。サカナ細工です』


『アメ臭い魚なんかいらねー。それよりジョバ代を』


『すみません、まだ今日は売上がなくて』


『ワギ、店を閉めさせろ』


『と、言うことだにいさん!』

『おわっアメが』


『商売したけりゃ金払いなペッ』


『ここは、町の通りだ。もともと町の許可があれば問題無いはずだ』


『知るかよ、俺たちはワンさんの言いつけ通り、取り立てているだけだ、あんたんトコ以外皆払ってるぜ』


『ワギ、行くぞ』


『ヘイ』


『しかしなーコレはアメ臭いサカナか? サカナ臭いアメか、どっちなんだ』

『アレ、持ってたんですか。ソレはサカナのカタチしたぁアメですアニキ』

『サカナの香りにほんのり甘い味。美味じゃねーか。また、取ってこい』

『ヘイ』



「なんだアレは? なんでアメ屋さんの屋台壊したんだあいつら」


「悪い奴らよ。ここの場所代払えなかったからアメ屋さんは……」


『大丈夫ですか』

『すまねぇ。お嬢ちゃんに飴売れねぇな。ホコリだらけだ』

「おにいさんコレちょうだい」

『おい、そんな汚れたのは金取れない。持って行きな』


「汚れてるからお金いらないと」

『え、大丈夫だ。これくらい洗えばいける』


 広場の井戸で馬の形のアメを洗った。


「もったいないことするな。あの悪い奴ら」

「そうだね。大会前にはあんな奴ら居なかったんだって。なんでも新しく来た役人でワンとかいうが、やたらとうるさいらしいわ」

「そうなのアメ屋さん可哀想だ。お金払わないとお店出せないなんて」

「仕方ないねェ……」



『ネエちゃん、こっちこねぇか』

「なによあんた!」


 服を見てたら変な顔の男に腕を掴まれた。


『アニキが一緒に酒飲もうってよ。ん……この異国女、言葉通じねぇのか?』


「お酒を飲もうと言ってます」

「誰があんたみたいなチュビラ顔と」

「通訳しますか」

「言って、触るな変態ヤローって」


『あんたみたいなブ男と酒が飲めるかバケモノ。と言ってます』

『ああ、俺をバケモノだと、確かに俺はブサイクだが、バケモノって言われたのははじめだ。このガキがぁ』


『ナニ!?』


「アン!」


 凄い、手をあげた男をアンが投げた。


『いま、何をした。このガキ!』


 さすがセンの娘ね。


『お、あた!』 


 また、投げた。


『ワギ、いつまで待たせる女はまだか?』


『アニキ、すみません』


『なんで寝てるワギ』


『このガキが』


『ワギ、こんな小娘に倒されたのか? 使えねぇなぁてめ〜は』


 なんだ、このサカナをくわえたオヤジは。甘い香りと生臭いサカナの臭い。飴細工かしら?


『ルル様に近寄るな!』


「キャ」


 アンが、腕の一振りで飛ばされた。


『わしがようがあるのはおまえだぁべっぴんさん』


               つづく


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