表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/205

新しい旅立ち

37話 新しい旅立ち


 グールが来た夜。


「ミン、色々ありがとう。ミンのおかげで町での生活も楽しかった」


「え、では出発するんですね。先へ……」


「ああ、本当に世話になった」


「いえ、命の恩人ですから。たいしたこと出来なくて」


「いやー美味いもん食わしてもらい、屋根のある寝床、それに温かな風呂。どこがたいしたコト出来なくてだ。ありがたくて涙が出るわ。俺はココにずーっとミシェールると暮らしたいくらいだ」


「ない」


「あのココを出てカチュー国へ行くんですよね。目的は何なのです?」


「私は……追っ手から逃れるためだ」


「そういえばレオ、北からの追っ手と、いうのには会ってないぞ。もうあきらめたんじゃないか」


「だと、しても北に帰れば即、捕らえられ……処刑でしょう。カチューにはデルヴィル家を支援していただいてる同志がいまして、そこを頼りにお嬢様をお送りしているのです」


「俺の目的は違う。ミシェールを嫁にするためだ」


「無理」


「オレは、ある人に会いたいんだ、その手がかりがカチューにあると聞いた」


「ある人って?」


「正しくは人ではない。ミン、ウンリューヒ将軍の伝説を知ってるか?」


「ええ。東方で、知らないものは居ないわ。東方を統一した皇帝ガン様の義兄弟で戰場の英雄ですもん。子供でも知ってるわ」


「その英雄の馬の話は?」


「ゴーハカね。元はカラクリ馬の玩具だったって。アレ、ボクも挑戦したんだ。当時の天才カラクリ師が作った走る馬の玩具」


「ミンも作ったのか」


「持って来ようか。カナさん、倉庫からあの馬、持ってきて」


「かしこまりました」


 すぐに馬の玩具が持ち込まれた。大ネズミくらいの大きさで、大刀を持った武将か乗ってる。


「巻金のバネを使ったんだ。それを巻いて」


 テーブルの上を馬がカタカタと動いた。


「時代が違うから動力は違うだろうけど、こういう物だったらしいね」


「オレが知りたいのはその先だ。そいつを本物に変えた……」


「なるほど。女神ションリだね。たしか西方名ではマコーナでしたっけ?」


「知らないな……マコーナ」


「女神マコーナは、我がゾンネンシュターンでも崇拝されてる女神です。彼女は女神というが天には住んではおらず、極東の楽園に住むと」


「ヴィルヘルムさん、その女神はやはり、ションリと同一神。こちらでもションリは極東の国の女神として崇められてると」


「女神ションリはマコーナ」


「女神マコーナの話は伝説と噂話が先走り知られているが、実は存在しないと聞いたことが」


「そうなのかミシェール」


 ミシェールはうなづいた。


「しかし、存在しない者の伝説や噂話は出来ないだろう。きっと、違う誰かが……。女神でなく魔女かも知れない」


「それは、なくもない。魔女に馬をもらうより女神の方が英雄譚としては華やかだ。そう変えられてもおかしくはない」


「そうか、もうカチューにはようはない。その極東にあるという楽園とか、宝島とか言われてる島へ行く」


「楽園かぁ見てみたいなー」


「楽園なんてウソ」


「知ってるのかミシェール?! 楽園じゃなくてもイイ。極東という響が気に入った。俺とその国で結婚して住もうミシェール」


「しない」


「あ、行くのはオレだ、おまえら別に一緒にこなくてもいい。ミシェールも」


「行くわ」


「なに、言ってんだロラン今さら。俺がついてればどんなバケモノが出ても」


「あんたが行くのはミシェールが目的だろ……」


「ロラン、相棒をおいて行くな」

「同じくロラン」


「ルルまで、オレは相棒にした覚えないぞ」


「アニタの相棒は、あたしの相棒よ」


「あたいも、行く。グルドンと決着もついてない。それにロランはあたいの旦那だ」


「おい、まだ。ティアーナあれは町を出たら、はずしていいから。オレはティアーナのおっぱい見たいんだ!」


「そうなのロラン! 変態」


「ヴィルヘルム、私も楽園の島に行きたい。カチューの知り合いも我が王家がなくなったらどう変わるかわからんし」


「え、でもお嬢様」


「私は冒険したいの。それで国を出てて、助かったじゃない」


「お嬢様……」


「ボクもロランたちに、ついていっていいかなぁ。面白そうだし」


 

 けっきょく同行の馬車が一台増えた。まさかミンの使用人一家も同行するとは。


               つづく




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ