コンゴ・フーの悪趣味
28話 コンゴ・フーの悪趣味
村に行ってみると。なにかあったのか、墓地らしきトコに人が集まってる。
「すみませーん」
人は振り向いたが皆、けげんな顔でオレたちを見てる。
『おい、誰だ。奴ら?』
『槍を持ってる奴もいる』
『見たことない箱馬車だ』
『異国人のようだ』
『奴らが、コンゴの子分を殺ったんじゃねーか』
『村長、コンゴに知らせるのか?』
『ん……とにかく話してみよう』
村人がこっちにぞろぞろとやって来た。
口ヒゲを生やした、えらそうな男が話しかけてきた。村長か?
「わかるか? ヴィルヘルム」
「なにしに来たかと」
「説明出来るか?」
「やってみましょう」
ヴィルヘルムが、手で子供の背とかをしめしたりいろいろ聞くと、男から長い返事が。
「昨日村に二人の子供と盲目の女の三人が来て泊まったそうです。二人のうちひとりは異人だったと」
「ソレはアニタかしら?」
「それで少し前に来た盗賊団に二人は連れ去られたということです」
「盗賊に連れ去られたって」
「はい。で、残された盲目の女と長老が見えないんで、もしかして助けに行ったのではと」
「オレたちも行こう。で、盗賊の居場所はわかるか聞いてくれ」
「アニタが盗賊に捕まったなんて。大丈夫かしら。変なコトされてなければいいけど」
「ルル、大丈夫だ、アニタは……」
「おい、どうした。アニタはこの村には、いないのか」
「アニタはこの村から盗賊に拐われたらしい。今から助けに行く」
「盗賊だって。あの緑地に現れた奴らの仲間か?」
「おそらく」
「場所はここから遠くない昔の砦跡に居るそうで。で、砦近くまでこの人が案内していただけると」
『オレは宿の女将だ。子供らを泊めた』
「アニタを泊めてくれた宿の女将さんです」
コンゴ・フーの砦近くの岩場。
「ほら、あれが奴らの砦だと、言っても見えないんじゃったな。ここから三十歩くらい降りて行けば砦の外壁に着く。大分古い昔の砦跡だ。ちょっと探せば穴がある。見張りも居るが穴だらけだから入るのは難しくない」
「ありがとう。老人]
「わしが手助け出来るのはここまでだ。ホントに大丈夫なのか?」
「問題ない」
「じゃあな……」
あの女なにを考えている、あの砦からひとりで。
しかも盲目。
『あ、長老で、ねーか。やっぱり……』
『おや、宿の。その者たちは?』
『コンゴに連れて行かれた異人の子の連れだと。助けたいんで砦の近くまで案内を。やっぱり長老はあの盲目の女を』
『ああ、いま別れたばかりだ。そうだ、ここからはわしが案内する。女将は戻れ』
「ここから村の長老が案内していただけるようです」
「そうか、あのおばさんに礼を言ってくれ」
『あんたらは子供を助けに行くそうだが、奴らは手強いぞ、人数も多い』
「なんだってヴィルヘルム?」
「奴らは手強いし人数も多いそうです」
「何人くらいだ、ジイさん」
「……百人は、いないが七、八十人は居ると」
「七、八十か、ティアが、五十で、残りは俺が。と言ってくれ」
「……油断するなと。奴らをやっつけてくれたら村は安泰だと言ってます」
「おう、まかしときぃジイさん!」
コンゴの砦内。
『頭はお楽しみだ。離れてろってよ。また子供相手だ。まったく俺には、わからねぇな』
『へ、ヘイ、チャオのアニぃ』
『おい、裏の見張りはテキトーでいいぞ。どーせ誰もこねぇ』
ここは辺境、王都から遠い。砂漠の中ってーのが取り柄だ。役人もわざわざこねぇ。
『お、おい、チェン。イモ食うか』
『おい、見張り中だろ、どやされないか?』
『だ、大丈夫だ、チ、チャオのアニぃがテキトーにやってていいと』
『はあ。テキトー?』
『グッ!』
『ん、どうしたロー。ヒッ』
『死にたくなかったら声をあげるな』
コンゴ・フーの部屋。
『ほう、二人共かわいいベぇ。まるで皇女のようだべェ』
アニタたちは、悪い奴らの女たちに風呂に入れられ、キレイな服を着せられた。
アニタはこんな服着たのはじめてだ。
女たちは優しかったが、けっきょくあの気持ちの悪い太ったオヤジの所へ連れてこられた。
オヤジは下着姿だ。タレた胸にでかい腹が目立ってよけいに気持ち悪い。
『どれ、こっちへ来るベェ抱いてやるべェ』
『ダレが行くかば~か。べえーだ』
『フォフォフォ なにをしてもカワイイベェ。今日から二人はわしの嫁だべェ』
『気持ち悪いこと言うな! ダレがあんたみたいののヨメに。わぁよるなブタ!』
『今、なんと言ったべ〜』
『何度でも、言ってやる。ブタ、ブタ、ブタ!』
あ、マーがつかまった! お尻出された。
パン パン パン
『やめろー! 助けてシャン』
『わしにブタと言って生きてる奴はいねぇべっ! だが、おまえはカワイイから特別だ。尻百たたきでゆるすべェ』
パン パン パン
『ひぃ、やめろ!』
オヤジはマーのほっペを指ではさみ。
『わしとチューしたらやめてやる。チュー』
あ、マーの唇に。
「ぐあっ!」
アニタは、服の下に隠してたカバンから、かき棒を出し、太っちょオヤジのハゲ頭を殴った。
かき棒が頭に刺さった。
奴はこっちを見て頭の棒を抜いた。
血が出た。でも、なんともなさそうにアニタの服をつかみ。
『わしを傷つけたら、喰ってやるべ〜』
『やめろ、ヘンタイブタ! アニタ、逃げろ!』
『なに〜。変態だとぉ。ソレも言ってはイケない言葉だべぇ!』
アニタは床に投げられてた。
オヤジはマーの服を破りだした。
『やめろーへんたーい!』
「やめろ! ブタ野郎! マーを離せ!」
アニタは、カバンから、ありたけっのゴミ金属を投げつけた。
つづく




