お姫様は賞金首
22話 お姫様は賞金首
「デルヴォル家は皆殺しになったなどとはデマだ。私が、こうして生きてる」
「お嬢様と私めは、反乱時に国から離れていて難を逃れました。王家を滅ばさんがため新王は殺し屋等に私達を追わせているので、このような地に」
「私の首に一万ギーガの賞金がかかっている。おまえたち欲しいか?!」
「お嬢様そのような」
「グッピー、一万ギーガっていくらだ?」
「ゾンネンシュターンの通貨だな。えーと1ニーニョなんギーガだっけ」
「多分今は……1ニーニョとかわらないと。なので一万ニーニョだと」
「あんたの首に一万ニーニョ! 西だって、当分遊んで暮らせるぜロラン」
「この人を殺してゾンネンシュターンへ持って行けばだろ。今の俺には興味はない」
「ロラン、人を殺してはダメ!」
「まあ、今の目的が先出しな」
「だ、そうだ。ヴィルヘルム。こやつらは私の首に興味はないそうだ」
「お嬢様、ためしましたね。首をとると言い出したら、どうするおつもりで」
「その時はヴィルヘルム、おまえが片づけてくれよう」
「この者たち、見た目より……私一人では」
「ジイさん見る目、あるじゃないか。俺は強いぜ」
「あたいも負けない」
「そこの女性は魔法をお使いになりますね。さすがに私も魔法あいてには……」
「ほう、そなたは魔法使いか?! 私の専属魔術師にしてやろう」
「私はそういう類いではない。遠慮する」
「そうか、おしいな。私、魔法を習いたかったんだが」
「アニタも習いたいミシェール」
「私は違うからアニタ」
「あんたが、なんだっていいわ。水はあるのよね。あのカウカウに少しわけてあげて」
「水……ヴィルヘルム、馬車の後ろのタンクにまだあるだろう」
「はい、あれは予備の……」
「よい、ルルにやれ」
「え? なんであたしの名前知ってるの」
「おまえもルルなのか? ルルは私のカウカウの名だ」
「ルルお姉ちゃんはルルレット、少し違う」
「おまえたち子供も連れてるんだな。面白い一行だホホホ。ルルを頼む」
と、言ってお姫様は馬車に入った。
「おじいちゃん、水はけっこうあるじゃない。なんでカウカウにやらなかったの可哀想に。こんな重い馬車引かして」
タンクの水で一休みしてたら、ルルというカウカウも立ち上がった。
なんとか馬車を引けるようだ。
黒服のジイさんは、カウカウの横で。
馬車には乗らず歩き始めた。
「俺らも行くかロラン」
荒れ地だ。一緒に歩いてると、お姫さんの馬車について歩いてると馬車の窓が開き。
「おまえたちのリーダーは誰だ?」
「リーダー? そんなのいたか」
「歳が一番上だしグッピーで、いいんじゃないか」
「リーダーって頭だろ、俺は人に使われるのは嫌だが、頭ってーのも性に合わねー。ロランでいいだろ」
「あたいは」
「おまえじゃ無理だ真っ先に斬り込むからな」
「そんなのルルでもアニタでもいいんじゃないか」
「でもって、なによ」
「リーダーってなんだ?」
「やっぱり、おまえだロラン」
「とくにいないのか、よしおまえたちは今から私のお供だ。ついて来るがよい」
「って、言ってるぜ。あの賞金首」
「お供……なんだかなぁ。無視してついて行こ。なんかの役に立つかもな」
「お姫さん、あのジイさんはお供なんだろう頼もしいのが一人いるじゃねーか」
「ああそうだ。執事のヴィルヘルムは、へたな軍隊より頼りになる。それから、私はもう姫ではない。もっと気安く呼んでもいいぞ」
「あんた、えーと。レオノールなんとか」
「レオノール・デルヴォルだ」
「めんどうだからレオでいいか?」
「レオ様の方がいいが、レオでゆるす」
「そうか、オレはロラン・ウニカ」
「ウニカ……私の友人にもいたな、東方に嫁にいったがどうしてるか?」
ウニカって、まえにも誰かが。女の名前なのか。
「他の者たちは?」
「槍をかついでるのはグッピー。ボサボサ頭で背の高い女はティアーナだ。その横の弓を持ってるのがルルレット。白いフードマントはミシェールでその横の小さいのはアニタ」
「そうか、東方へ何しに行く」
「まあ、みんないろいろあるんだ。あんたみたいな逃亡じゃないけど……」
ある意味、オレもグールからの逃亡でもある。
「人生何があるかわからないね。遊んで一生を終えると思ってた……」
姫さん、退屈だったんだな、しばらく窓を開けたまま話し続けた。
つづく




