ダンジョンの先は
20話 ダンジョンの先は
遺跡の開いた壁から洞窟路に。
またゴツゴツした通路を進むと、別かれ道が。
「左から熊モグラの臭いがするが、右はチュビラの臭いだ。左に行こう」
「おい、デカいモグラは何匹居るんだ」
「数はわからない」
「チュビラも同じだよな。どっちが楽かだな」
「ロラン、モグラがお宝集めたのかも」
アニタ。ソレはありえるかも。モグラが、山の中を掘って集めた金属ゴミの山があれか。
「ティアーナには、聞くまでもないか。グッピーは、どっちにする?」
「まあモグラの方が戦いやすいな。チュビラの毒はやっかいだ噛まれたら死んじまう」
「ミシェールは?」
「どっちでも」
「ん、じゃ左にするか」
「ロラン、あたしには聞かないの!」
「ルルはティアーナと同じだろチュビラは苦手だもんな。子供の頃からこんなに小さい細長いチュビラ見て泣いてたじゃないか」
「まあそうだけど……」
「アニタは?」
「アニタはどっちでも同じだろ」
「違う。お宝掘りたい」
「なら、左でいいんだ」
アニタは、両手を見つめどちらが左か確かめてる。
「スプーンを持つ方が右だから……」
親を早く亡くしたアニタはたいした教育を受けてない。姉のルルが教えている。
「宝探師」の知識はオレと居る時にいろいろ教えた。字はルルに教わって勉強中だ。
「こっちが左だ」
アニタは、甲冑虫をぶら下げ前に出た。
はじめの方と同じく通路に横穴が見えた。
「あ、モグラの頭が見える」
「アニタ、もどれ!」
「おい、あいつ襲って来る気なさそうだな」
グッピーがか光る甲冑虫を下げ横穴から顔を出す熊モグラに近づく。
「おい、こいつ怪我してるぜ。来いよ。動けねぇみたいだ」
行ってみると首の下には血溜まりが。
「死にかけてる?」
「楽にしてやる」
あた、ティアーナが首を斬り離した。
「ロラン、あったよ。お宝の山」
モグラの穴の向かいの穴に金属ゴミの山が。アニタの考えがあたっていた。
こっちにもあった。
この金属ゴミはモグラが集めたんだ。だから種類が雑多なんだ。
めぼしい金属片をミシェールの「なんでも袋」に入れ先へ進んだ。
「あのモグラは誰にやられたのかな?」
「俺らの前に、このダンジョンに入った奴が居た。あの傷はそう前のではなかったな」
「あのガイラかしら。あいつ逃げるのにココ通ったんじゃない」
「ガイラは馬を買って逃げたって、ココの入り口は馬は無理だろう」
「馬は入り口に捨てたとか?」
「いや、奴なら馬は売るだろうから捨てねーだろ」
ティアーナの鼻を頼りにダンジョンの迷路をまよわずに、怪物とも出会わずに進むと明かりが見えた。
「出口だ。ダンジョンは山の先に通じてたんだ」
どうやら、ダンジョンに入って正解だった。
オレは光の方へ走った。
まぶしい。暑い陽の光を感じた。
ダンジョンの出口の前には岩場。だが、先には広い荒野が見えた。
「ここが反対側のダンジョンの入り口か岩盤だな」
オレの後にダンジョンの洞窟から出たグッピーが振り向いて見上げた。
「凄い。こっちの入り口は絶壁の下なのね」
「こっちは、向こうより暖かい」
「暖かいと言うか暑いが、洞窟よりこごちイイ」とティアーナがマントをひろげ身体を陽にあてた。
おい、おっぱい丸出し。グッピーが言ってたとおりマントの下は小さな黒い下着。
その上の剣ベルトがふたつ交差されて付けてるだけだ。
ダンジョン内は少し冷えていた。陽に当たるのもわるくない。
「あーあ、これで水浴びでも出来たらサイコーなんだけどなぁ」
「贅沢言うな。あの山を一日で越せたんだ」
オレたちは岩場を通って平らなトコに。
先にかすかな山みたいのが見えるが、だだ広い荒れ地が広がるだけだ。
水はあるのか? わずかな枯れた植物が見える。雨とかあまり降らないようだ。
ここを陽がかたむく方と逆の方を進むのか。
先には何も無い。
つづく




