ニールへ帰る
18話 ニールへ帰る
「とわぁ!」
「アショー!」
グッピーが熊モグラの喉元を槍で突き、ディアーナが、脚を斬り、倒れたところへオレが熊モグラの背に乗り後頭部を剣で刺した。
「おうやるなぁ。あんたらと組んだかいがあった。油断するな、もう一頭出てきたぞ!」
熊モグラも三頭倒すと出てこなくなった。
ガイラは袋に入れやすくするのに手足、頭をバラバラにした。
「今日は、このへんにしようや」
「思ったより弱かったな怪物って」
「ハハハ。おまえらが強いのさ。が、こいつらは序ノ口だ。小型のドラゴンや牙獅子とか、もっと凶暴で手強いのがいるぞ」
「そいつらも殺っちまおう。まだ、やれる」
ティアーナが、剣法の型をはじめた。
「腹と同じだ八分目がイイ。ソレにこのダンジョンには熊モグラより手強いのは居ない」
「おっちゃん、遺跡は?」
「おう、ホラあの二匹目の熊モグラが出てきた穴の反対側を見てみな」
アニタは甲冑虫と遺跡がある所へ。
「ロラン、来て!」
なんだ、なにかおもしろい物でもあったか?
「ゴミの山じゃない!」
「おっコレは金属の破片の山だ。上の方は赤茶けた錆だらけだが、妙に輝くのも下に見える」
アニタは持って来た、かき棒で金属の山を掘り出した。なんか手際が良くなったな。
「見て、錆びてないでっかいスプーン」
「ソレはスープ用のかき混ぜスプーンだ、キレイだ。古道具屋で高く売れるぞ」
いつの間にルルが来てアニタと違う場所を掘っている。
「ナニコレ?」
両先が曲がっている金属の棒を取り上げたルル。
「ソレは舵取りだな、なんとかいう。一人乗りの乗り物の一部だ」
この場所の金属は種類が多いな。もしかして誰かが集めた物かも。遺跡でたまにある。
おお、コレは金属製の車輪だ。
ダンジョンで怪物と金属片なんかを集め、オレたちはニールの町に向かった。
「おまえら、昨日は獣だったから食料品屋へ持ってただろうが、モンスターは専門の業社がある。けっこういい値で買い取る」
「聞いたことがある。でも、ソレはその店に登録してねーとダメなんだろう」
「大丈夫だ、俺のパーティだと言えば問題ない。それから、金属はな、古道具屋より、金属の専門店が金になる。ニールにはそれがある。行ってみな」
町に着く前に怪物をガイラの袋に移した。
別々に出すと無登録と疑われるからだ。
まあそうなんだけど。
町に着いて怪物専門の買い取り店へ。
怪物は、肉や毛皮、角だの用途が別々なので金に換算するのに時間がかかるというので近くの食堂でメシを食いながら待った。
「そろそろだろう。行って来る。約束通り俺の取り分は三分の1だ」
しかし、いつまで待ってもガイラが帰ってこない。
「ヤロー持ち逃げしたんじゃねーか」
「そうだ、遅すぎる!」
「店に行ってみましょ」
「ガイラさんなら、もう帰られましたよ」
「やっぱり!」
「捜す。あたしは、鼻がきく!」
と、ティアーナが、夜の町へ。
翌朝、宿にティアーナが帰ってきた。
「あいつ、馬を買って昨夜のうちに町から出た」
「ちくしょう。今度会ったら全財産ふんだくってやる」
「そうよ、あんなヤツは裸にして大通りに『私は盗っ人です』って書いてさらし者にするべきよ」
「とにかく、金属製品を金に替えに行ってこよう」
ガイラの言うとおり専門の店で古道具屋より金になった。
怪物専門の店に登録手続をしようとしたら怪物狩人の資格がいるらしい。この国じゃ少なくなった怪物の乱獲を防ぐためだと。
オレたちはあと三日、森で獣狩りをした。
「何しに、遠い東方の国に行くのさ。ウチに帰って、ちゃんと働けばまともな暮らし出来るわ」
それもそうだが、さすがに女神に会い、美人像を人に変えてもらうなんて言えない。
つづく




