ニール3 ロラン剣を買う
15話 ニール3 ロラン、剣を買う
「ロラン、ダンジョンに入るなら短剣より剣を持った方がいいぞ」
「そうかぁ。オレ、長いのは使えないんだ」
「あたしが教えてやる」
ティアーナが、教えるって。なんだか怖いな。
「そんな時間ないぞ、行くのは明日の朝だ」
「じゃダンジョンでおぼえろ」
なげやりだな。
「ここでいいんじゃ。武器屋ストロガノフか……なんか美味そうなトコね」
「オレ武器を買うのは初めてだ」
「その短剣は?」
「爺さまが使ってたヤツをオヤジが、それをオレが」
「なるほど……。入るか」
「いらっしゃい!」
「剣を買いたい。いいのはあるか」
「予算は?」
「そうだなー」
「見て決める」
「だとさ」
「そっちの棚のと、壁にかかってるのはオススメだ」
シカの角に乗った珍しい形の剣を見た。
「コレは初めて見る剣だ。抜いてもいいか? 店主」
「ああ、気をつけてな。よく切れるぞ」
手に取ると重い。鞘から抜いてみると片刃だ。
「そいつは東方の剣だ、カタナという。素人や初心者向ぎじゃないな」
「ああ、俺は知ってる。こいつは扱いにくいぞ。もっと使いやすいの選べよロラン」
「こっちはどうだ、お客人。エクスカリバー2000GT」
「名前はカッコイイが、そりゃ模造品だろー」
「模造品だが、それなりに切れる」
「ちょっと見せてくれ店主」
「どうだ重さも本物と同じだ」
思ったより軽い。
「切れ味はどうなんだ」
「特注だモンスターでも斬れる」
「いくらだい」
「そうだなサービスだ。1000ニーニョ!」
「サービスなら半分!」
「700」
「500だ、こいつは偽物だろぉ」
「本物を忠実に再現している。最低でも550」
「んん、やめた。他のにする。コっちのは」
「ソレはクローサー800だ。それなら450」
「模造品?」
「いや本物だ」
「このカタナは」
「カタナは高いぞ。ソレは800」
「こいつは刃こぼれしてるぞ、まるでノコギリだ。やめとけ!」
「カタナには、もとから鞘がついてる。こっちの剣より切れ味がするどいので鞘なしでは持ち歩けない。鞘の作りも良い。だから高い」
「オイ、こっちの二枚刃の鞘入りはどうだ。コレはカチューの剣だ」
「ティア、素人に二本持たせたらあぶねー。自分の脚を斬っちまう。それにモンスター退治には向いてない。おまえとは違うんだ」
「コレがイイ」
「今度はミシェールか。あんた剣がわかるのか」
「うん? そんな剣あったかな。どれどれ。ん、コレは抜けん中で錆びついてるのかな」
「どれ、オレに。ふっ、ホントだ抜けない」
「ソレはいくら? 私が買おう」
「鞘から抜けない剣買ってどうするミシェール」
「私の贈り物だ。受け取れ」
100ニーニョで買った剣を宿に入って渡された。
「本当にコレ使えるのか?」
「抜いて」
「あ、抜けた。簡単に……」
「なんだ、その剣は、虹色に輝いてる」
「魔法で封じてあった。それを今解いた。名前は知らないが錬金術師が作った剣」
「なるほど、それを知ったらあの武器屋のオヤジ泣くぞ。錬金術師の剣ならこの国最高の値がつく。なんでそんなのがガラクタの中に」
「コレを封じた者がおそらく目立たなくした」
「そうだな宝剣のように飾り気はなく、実戦用という感じだ、握りやすいし重さも丁度良い」
「さすが将来俺の嫁だ、いい買い物をしたなロラン」
「ミシェール、ありがとう」
「よし、ロラン。外へ出ろ明日まで特訓だ」
「待てよ、ティアーナ。夕食が済んでからにしてくれ。腹がペコペコだ」
夕食後、宿の裏庭で剣の稽古をしてると。
「なにやってんのよぉ。夜中にカンカンうるさくて眠れないじゃないの!」
つづく




