ニール2
14話 ニール2
「はい、私は女です。相手が同性だと、恋をしてはいけないのですか」
「あ、いや。そんなつもりじゃ。そういうのをあまり聞かないもので。オレ、田舎者だから」
「王都でも、同じです。それは普通じゃないからと。恋は異性どうしでするものと……。彼女のモデルをして、しばらく一緒に暮らしてたんです。そして私は彼女のいろんな面を、その優しさとかを知り、いつしか愛し合うように……あ、ごめんなさい。よけいな話しを」
「普通じゃないかもしれない恋……。オレも同じような普通じゃない恋を……あ、オレも。すまないホントにロメーラという人とは、それっきりだ」
「いえ、あの人に出会った人に初めて会いました。ありがとう」
「おーい、荷車借りてきたぞ」
荷車を引いてグッピーが戻ってきた。荷車の上にティアーナが乗っていた。
「おい、今のキレイなねえちゃんは?」
「ミシェールを友人と勘違いして声をかけてきたんだ。それだけだ。しかし、あっちからあの人が綺麗に見えたのか?」
「ああ、肥えてないかぎり俺の好みは皆、美人だ。それによ、おまえには妙に美女に縁があるようだ。近寄って来る女はみんな美女だ」
「まあ肥えてる女では。痩せてて棒のような女だった。ああいう女をモデルにどんな絵を描いたんだ」
「ああ、なんのことだ?」
「いや、なんでもない。狩りに行こう」
町から出て森でシシブタやサル、大物は森グマを仕留めた。
森の奥まで行くと草原に出た。
「なんだ、デカい鳥が居るなー」
「モアーラ、アレは飛べない鳥」
「ミシェール、知ってるのか。アレ食えるのか」
「ええ、卵も大きくて美味。走るの速いから捕まえるの難しい」
「よし、俺はヤツの後ろにまわる。ロラン、ティア、前から行け」
長い首のモアーラは、すぐにオレたちに気づくと、逃げ出した。
「行ったぞグッピー!」
草むらに隠れてたグッピーが、槍を突いた。
意外と動きがすばしっこいモアーラを捕まえるのに時間がかかった。
グッピーやティアーナのような武術の猛者でも手こずった。
「卵あった」
「おお、ミシェール。すげーの見つけたな」
夕暮れ、荷車いっぱいになった獲物を引いて町に帰った。
「けっこうイイ値で売れたな」
「ああ、でももっと欲しい」
「よぉあんたら、獲物を食料品店に持ち込んでたが。あんたら狩人には見えねぇな」
「ああ、ちょっと金がいるんでなー」
「森の獣より、稼げるヤツが居るんだが」
「さっしはつくぜ、モンスターか。あんたモンスター専門の狩人だろ」
「ああ、わかるかい」
「その腰の剣は武術の剣じゃねーよな。肉切り包丁だろ」
「ああ。どうだ一時的に組まねぇか? 町から出た東にダンジョンがある」
「ダンジョンか……どうするロラン」
「ダンジョンか……お宝もありそうだな。オレは『宝探師』なんだ。いいじゃないか」
「おう、ありがてぇ。俺は『オニ茸のガイラ』だ。よろしくな。で、あんたらは」
「ロラン・ウニカとその他だ」
「俺らはその他かよ」
「面倒だ。みんなの名前言っても覚えられねぇだろう」
「ハハハ。じゃ明日の朝、町の東の出口でな」
つづく




