次の目的地
10話 次の目的地
「何処に居るかなんて知らないわ」
「おう、アレは伝説だからな」
「ボンダーは、歴史だと」
「ああ、ウンリューヒの馬の話はな。だが、馬がもともと作り物の玩具という話は伝説だ」
「女神の話もか」
「そうだよ。あんた女神に会って、どうする気? まさか、好きなお人形さんでも人間に変えてもらう気とか。ウフフフ恋人にするのかな、それとも嫁かしら」
さすが魔道女、するどい。図星だ。しかし、ソレは言う気はない。
伝説かぁおとぎ話のようなものだな。
「話はカチュー国の話よね。カチュー国には、その女神の話、伝わってるんじゃないかしら」
「そうね、さすがメルだ。ロラン、カチュー国へ行けば女神の居場所がわかるかもね」
「おい、おまえらいいかげんな事を言うな。こいつは本当に行くぞ」
「ああ、行ってみる。おっさん、悪いけど馬車を降りる。ありがとうマリンさん、メルさん!」
「あっち方面は危険だ。気をつけてなロラン……だっけ?」
森中で降りちまった。
馬車は走って行っちまった。
あのデカいグールが出たんだ。さすがにもう出ないだろう。
出た!
帰る方向。ルグランへの道を歩き始めたら、前方に、あの見なれた白いフードにマント姿の魔女だ。
グールでなくて良かった。
「ロラン、知ってしまったのね……」
スタスタと近づいてきた魔女はオレにそう言った。
「なんの話だ?」
「あなた、女神に会って、その背の像を人間にしてもらうんでしょ」
「あんた、あの話をどこかで聞いていたのか?」
おっ、魔女の後方まだ遠いが、馬が走って来るのが見えた。アレは。
やはりそうだ。グッピーが馬で追って来たんだ。
「どぉっ。ずいぶん先まで行ったな。おい、しかも、白の魔女様と……どういうこった」
「高いトコからうるさいなぁ。彼女は、今現れたんだ。それまで、あの勇者連中と話しをしてた。女神の居場所はわからなかった」
「奴らと話せたのか。勇者だって?」
グッピーは馬から降りた。
「ああ、あのヒゲデカは、マット・ボンダーだったんだ。知ってるだろ」
「ナニ、あのマット・ボンダーか。そんなコトより、あんた」
グッピーは魔女に近づき、フードをおろした。
「俺はあんたに一目惚れしたんだ。俺の嫁になれ!」
「無理……私はしばらくロランについていく」
「ああ、なんでロランなんだ。俺のどこが気にくわない。顔か、背が低いのがダメなのか?」
「あんた、オレに惚れたのか?」
「違う」
「そうなんだな、なんでロランに?」
「ロランが、あやまちをおかさないように……」
「はあぁ。あやまち?」
「そうなのか、あんたロランに惚れてるわけじやねーのか」
「なんのことやら……」
「まあロランについていくのなら、俺にもついてくるコトになる。ならまだいけるぜ。さあみんなでルグランへ帰ろう」
「オレはルグランを出たら、カチューへ行く」
「はあーカチュー? なんでまたそんなトコに」
「女神を捜しに」
つづく




