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SOLID STATE ANGEL  作者: 熊八
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第8話 休暇の風景

 しばらく最前線勤務を続けた俺達だったが、今日は休息日で、今は朝食の時間だ。

 数だけは多い連邦軍は、人数に余裕がある。そのため、ローテーションで休暇がとれる。きちんと休息をとって英気を養い、人数が少なく出突っ張りの帝国軍相手に有利な状況を作れという、ここだけは連邦側でよかった思える制度だ。

 ちなみに、連邦に加わった俺の国の軍では、食事は特別な理由がない限り、小隊で固まって取るのが慣例だ。

 こうすることによって連帯感を育み、本番の戦場で連携をスムーズに取れるようにとの伝統らしい。そのためか、ウチの軍では仲間意識が強く、基本的に仲がいいことが多いのだとか。

「ジェフー! こっちこっち」

 俺の仲間はどこだろうと、食事のトレーを持ってキョロキョロしていると、セシィが立ち上がって手招きをしているのが見えた。

 俺が席に着き、全員がそろったタイミングで、ニールが今日の予定について意見を述べる。

「お前ら今日もカードか? そろいもそろって、不健康な遊びばかりしているな。たまには、もうちょっと建設的な時間のつぶし方を探したらどうだ?」

 それもそうかと思っていると、セシィが恐ろしい提案を始める。

「それなら、たまには体を動かして休暇を過ごすなんてどうだ? みんなでこれからジムにいって、すっきりと汗を流そうぜ」

 この体力バカは、休日にまで訓練したいらしい。ちょっと信じられない。ウォルターも同意見だったらしく、心底げんなりした様子で否定を始める。

「うげぇ……。毎日、やれ戦争だ、やれ訓練だで体を動かしてんのに、この上さらに休暇までジム通いだなんて、いったい何の罰ゲームだよ……」

 それにセシィ以外が同意し、彼女は少し不貞腐れだした。そこで俺は、とある折衷案を提案してみる。

「それなら、今日はみんなで街に繰り出して遊ぶなんてどうだ? たまには、どこかの店でうまいもんでも食ってみるのもいいかもしれないな」

 俺の提案にみんな同意しているようだ。ここで、ウォルターが追加の条件を出してきた。

「いいねぇ。それはもちろん、小隊長のおごりだろう?」

 俺は苦笑しながら同意する。

「仕方ないな。安くてうまい店を紹介してくれたら、おごってやるよ」

 そうすると、セシィが右手を挙げながら会話を引き継ぐ。

「ハイハイ! あたい、最近できた(とり)の揚げ物がうまい店知ってんだよ。今日はそこでメシに決定な!」

 特に異論もないようなので今日の予定が決定し、集合時間を決めたら、のんびりと雑談と朝食を楽しむ。

 こうしてジェフリー小隊の面々は、仲良くお出かけとなったのだった。

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