不具合のモノグラム 4
中々書きなぐりでした。
彼女は優しく微笑んでくれた。彼女の手は、柔らかく、優しかった。私はその彼女のやさしさに包まれるような手に肩の力が抜けた。そして、変に強張らずに自然体の有体でいられる。
「あれ?」
ふと疑問に思った。
「八島って……」
私はあれ、と透さんをみた。透さんは、「ああ」と言われなれているような感じで、すらすらとお話しした。
「ええ。兄妹ですよ。しかし、血は繋がっておりません。養子縁組により、こうして一緒にいるんです」
「そうだったんですね」
「ところで、玲奈さん。お部屋へご案内します」
「は、はい。お願いします」
私は案内を受ける。駐車場から昔の校舎の入り口へと向かう。駐車場からすぐに会談がある。階段の横には部室棟がったっていた。その目の前にグラウンドがある。私はそこの階段を上がる。すると校舎がみえる。左側へ曲がると外の景色がさらに開けて見えた。その中にベンチが一つあった。そこに一人の少女が腰を下ろしていた。
私は不思議に彼女を見つめた。
年齢は10歳前後といったところだろうか。その子は身動きを一つしなかった。瞬きすらせずにただただ外観の景色を一点に見つめているだけであった。背筋を伸ばし、膝の上に両手を乗せている。口は一の字にしている。目はうつろで生気が宿っていない。
私はなぜだろうか、不思議に少女に目を奪われてしまった。謎の魅力が彼女に会った。人を引き付ける何かが。
「お人形さんみたい……」
私は彼女に対して思ったことが思わず声に出てしまった。無意識のうちに、彼女の評価を口にした。
髪色は白色で、肌も白く、やわらかそうな細い腕。黒色の瞳をしていた。佇む様、雰囲気妖精と形容しても文句のない容姿。まるで現実にないような。そして動きを見せない。先ほど妖精と形容してもといったが、一番しっくりする表現は人形のようであった。
生きているような死んでいるようなだが、確実に生きている。人形さんであった。
「……」
空気が変わった。というのも、少女ではない。彼女は何一つ変わらない。横を見る。そうすると、透さんや雪華さんがばつが悪そうに目を伏せた。
「彼女は、アイリスといいます」
答えたのは雪華さんだった。
彼女は片膝をついて、アイリスという少女の頭を撫でた。
「私たちの可愛い子供ですよ」
私は二人を見た。
「この子は、私たちが保護している子。この「TELC」の子供たちはみんな、私たちの愛しい子供たちなんですよ」
にっこりと笑った。
「じゃあ、またね。ゆっくりしていてね」
雪華さんはアイリスという少女にそういった。そして、私の案内を続ける。
「彼女はどういう子なんですか?」
私は続けて聞いた。
「玲奈さん、これ以上は深く立ち入らないようにしてほしいです」
雪華さんは背中でそう話す。だから、私ももう聞かないようにした。
私はそのまま歩いていく。出入口へと向かう。そのまま施設内に入る。そして、進んでいく。
もともと校舎なだけあって、見慣れた景色のように感じる。どこの学校も似たような作りになるのかしら。
「なあ、雪華。リリィやシェリーはどこにいる?」
「あの子なら、今二階の図書室で子供たちといますよ。シェリーは、いつものところです」
「そうか。じゃあ、あの二人に用があるからそっちに行くよ。彼女の事頼んだよ」
「わかりました」
「え、透さん行ってしまうんですか?」
「え、ああ。少しだけですよ」
そう言って透さんは去っていった。雪華さんなら大丈夫だと。まあ、いいか。
私たちは施設長室に向かった。
そこで私はお話を聞くことになった。
「えっと、どこからお話すればいいのかな」
にっこりと笑った。
「私の能力のことが、主になんですが、雪華さんも、「SMP」なんですよね?」
「はい。そうですね。まあね、わたしは色々と特殊なのだけれど。まずは、能力について実際に見てもらったほうがいいのかもしれないね。まあ、ここの子供たちに「SMP」の能力を見させるというのも可能なんだけど、私がやったほうが早いわね」
「と、いうと?」
「こういうこと」
そういって、雪華さんは遠くにあった机の上の花瓶を持ち上げた。もちろん、手は一切触れていない。つまるところ、念動力。
「え?」
「超能力。初めて見るかな?」
「そ、それは、そうですが……」
「あとは……」
そういって、頭を押さえた。そうすると。
「(聞こえますか? 今、貴方の頭の中にお話ししています)」
「えっ!?」
「(テレパシーです。他にもサイコメトリーとかいろいろできますよ)」
「すごい……」
私は目の当たりにしてびっくりした。
「え、私もこういうのとかできたりするんですか?」
「いいえ。実は、一人に対して持てる能力は一つだけ。貴方は「鍵」の能力だけしか使えない」
「でも……」
「私は特殊でね、いわゆる「全能」の能力です。「SMP」の能力を全て使用することができるんです」
「そんなめちゃくちゃな」
「そうですよね。ただ、普段だと、3割程度の力しか使えないんです。体が持たない。あと、なぜ一つの能力しか使えないかというと、能力を持つというのはそれぐらい生命エネルギーを使うんです。「SMP」の体はベースが宇宙人ではなく、人間ベースなのです。だから、体が弱い。耐えきれない」
「じゃあ、雪華さんはどうして?」
「「SMP」の能力に不老と不死の能力があるおかげで、なんとか体が持っているのです。普段3割程度しか能力を使えないという体のセーブが効いているおかげでもあります。ちなみに、全部解放したら、死んでしまいます」
平然と言ってのけた。
「私は「鍵」の能力を持っています。ただ、玲奈さんほど強く使うことができませんが」
「私の、能力というのは具体的に何ができるんですか?」
「簡単です。例えばそこのドアに手を当ててみましょう。念じますと、鍵をかけることができます」そういって、距離が離れているのにもかかわらず、鍵を閉めた。
「え? 私も遠距離でできますか?」
「鍛えればできるでしょう。今のあなたでは、まだですかね。直接に手を触れなければ。ちなみに、能力を複合して行っているので、普段では、私もできませんとだけは言っておきます」
さらっと言っているが、この人の能力はチートだな……。
試しに、私は遠距離で開けられるかどうか試した。無理だった。
「能力は鍛えることができるんですか?」
「はい。もちろん。貴方のはドアだけではなく金庫だろうとパスワード付きの物であろうと、なんでも開閉できるのです。そして、あの世界も……」
「世界というのは?」
「今、星のカケラによって別の世界が開いています。それは、貴方も経験したことがあるでしょう。今あなたの命を狙っている黒幕の能力によって、解放されているのです。その世界によって、今、人が命を失っています。あの世界を元のカケラに戻すことが出来るのは、貴方だけしかいません。私では。キャパオーバーなんです」
「私が、やらなければならないことですか?」
「はい。申し訳ないことであると思いますが」
そんなことを急に言われても、という話になる。だから、私は命を狙われているのだ。そう改めて認識することが出来た。
「あと、もう一つ、鍛えることは大事ですが、時間がありません。ですので、私は少しずるをさせていただきます」
「ズルですか?」
「ええ。3割程度ですから、まともにはできませんが」
そういって彼女は私の胸にそっと手を置いた。
ガチャンと音がした。
「あ、ああーー」
体からエネルギーがわいてきた。ふつふつと今までに感じたことのないパワーを感じた。
「貴方に眠る潜在能力を少しだけ開きました」
そんなこともできるのか。結構私の能力って便利かもしれない。
「では、ちょっと試しにやってみてください。遠距離で念じて、あちらの扉を開けてみてください」
そう言って、私は念じてみた。すると、ガチャンと。鍵が開いた。
「え、すごくないですか?」
「はい。ただ、申し訳ないですが、私の限界です」
少し顔色が悪くなっていた。
「すみません。少し、席を外してもいいですか? ちょっと、能力を使うと、どうしても体力の消耗が激しいもので」
「わかりました。」
そう言って雪華さんは出ていった。
私は手を見つめた。
少しワクワクしている。
私の能力がこうも可能性が広がっているのか、という。今の私には何でもできそうな過信に近いような自身が湧いて出てきた。
いろいろと開けることが出来る。そう思って、窓の鍵を念じて開けてみた。すると、開いた。ちょっとうれしい。閉めることもできる。
もっと他に何かないかな、と思った。
部屋を見渡す。すると、厚い金庫があった。映画とかでよくお金が入ってそうな。
盗む気なんてさらさらないけれど、ちょっと開けてみたくなった。ということで、開けてみた。そうすると、書物がたくさんあった。
「ふーん」
私は上にあったものを手に取った。
日記のようだった。
「人形日記?」
タイトルにはそう書いてあった。男性の字だろうか。
私はめくってそれを読んでみた。
その内容は……もしかして、先ほどあったあの女の子の……まさか……そんな……。
登場人物紹介
八島・ファラジオ・E・雪華
年齢 23歳
誕生日 2月29日
身長148.8㎝
種族 SMP
能力 全能
好きな食べ物 甘いもの
嫌いな食べ物 辛い物
作者コメント
お気に入りのヒロインでした。この子も語りだすと止まらない好きな女の子。もう大人になってしまった。アルビノのような女の子をイメージしている。
この子の名前の「E」というのはイオルのEです。何故かというと、イオルは10年前に名乗っていた名前。雪華という本当の名前を捨ててそちらを名乗っていたが、もう過去を振り切り、雪華を名乗ることが今できている。他にももう一つの人格を持っているとかあーだこーだの設定がたくさんあるけれど、全部語るのは難しいのかな。
まあまあ、好きな女の子ということでまとめましょう。




