最強のソルを使い手だが汚い忍者にパーティを追放された謙虚なナイト。本能的に長寿タイプのリーダーに残ってください;;と泣きつかれたが俺のログには何もないな。リアルモンクの俺は不良界の伝説になってるんで
それはベヒんもスと戦っていた時のこと。強い、さすがベヒんもスつよい。魔法使いとかモンクとか頑張ってるけど盾役の忍者が弱いのでアワレにも今にも死にそう。
「もうダメだ」
「この戦闘は早くも終了ですね」
メンバーが口々に悲壮感を滲ませた台詞を口にしている。
「まだだよ(笑)」
などと忍者は言っているがどう見てもボロボロで完全に勝てるわけがない状態。そもそも忍者なんかに盾役を任せたのが間違いだった。
その時である! 仲間のひとりがメッセージを受け取った。わけあってその場にいなかった光のナイトの俺だ!
俺は仲間のピンチを敏感に察し、遠くの街からダッシュで駆け付ける。その間も仲間と魔法でメッセージをやり取りしていたらみんなが「来た!メイン盾きた!」「これで勝つる!」と盛り上がっているのが聞こえる。
戦場に近付いてそこを見ると、そこにはボロボロになった仲間たちと今にも崩れそうな忍者。そしてその正面には巨大な魔物、ベヒんもスが立ちはだかっている。
巨大な体躯は深遠の闇のような暗黒色に染まっており、凶悪な牙がずらりと並んだ口腔の隙間から漏れ出る呼気は周囲の大気を歪めるほどの邪悪に満ちている。大樹のように太い四肢には鉄をも切り裂く強大な爪が生え揃い、爪は大地に食い込んで力を蓄えている。口の横から生えている2本のヒゲは冥府の大蛇のように不気味に蠢きこちらの様子を窺っているようだ。
見るだに恐ろしい魔物のベヒんもスだが俺はそんな敵を前にしても臆することなく仲間を守るために戦場を駆ける。今いる場所とはかなり離れていたが俺はスキルを使って普通ならつかないような時間できょうきょ参戦した。
伝説の剣グラットンソードを鞘から引き抜いたその瞬間アワレにも忍者が最後の一撃を受けて死んだ。俺は素早く仲間たちの前に躍り出てさらなるベヒんもスの追撃を盾で防いだ。
忍者が死ぬ直前こっちを睨みながら「勝ったと思うなよ‥‥」とかなんか恨みごと的なことを呟いていたがどうでもよかった。
ベヒんもスが俺を押し潰そうと巨大な脚を振りあげる。俺は素早くバックステッポでそれを避け振り下ろされた脚を斬りつける。ベヒんもスはひるんだ様子もなく反対の脚を叩きつけてくる。再びその脚を斬りつけてやろうとするとベヒんもスはすぐに身を引いてその攻撃をかわした。
「ほう、経験が生きたな」
少し褒めてやるとベヒんもスはぐるぐると喉を鳴らして「何いきなり話しかけて来てるわけ?」とでも言いたげだった。
ベヒんもスが繰り出す攻撃を払いのけて攻撃をしかける。横殴りの一撃をしゃがんで回避し、カウンターの一撃を決めるとベヒんもスは苦しげに呻いて一歩下がった。仲間たちが大騒ぎして拍手をしているが「うるさい、気が散る。一瞬の油断が命取り」と叱責してやると仲間たちは黙った。
ベヒんもスは必死に攻撃してきているが、時既に時間切れ。俺が駆け付けた時点でもう勝負はついている。黄金の鉄の塊で出来ているナイトがベヒんもス程度の魔物に遅れをとるはずない。
ベヒんもスは俺の攻撃にすっかりビビってしまったのだろう、攻撃を止めてガードを固めていたのでカカッっとダッシュしながら強力な一撃を与えてやるとかなり青ざめていた。
しかしベヒんもスも強力な魔物だけあって簡単にあきらめたりはしない。さらなる追撃をしかけてこようとしていたが最強のナイトを前にしてベヒんもスはあまりにも無力だった。俺はベヒんもスの攻撃をやすやすとかわし次々とグラットンソードで破壊力ばつ牛ンの攻撃を打ち込んでいく。
もう負けは確定的に明らかなのにあまりにもしつこく攻撃を続けてくるので
「切り裂かれたいのか?マジでかなぐり捨てンぞ?」
と言うとベヒんもスは顔を真っ赤にして攻撃的になってきたが、挑発に軽々と乗ってくる馬鹿には確実な死が待っていた。
俺が軽くオーラを噴出させて威嚇してやるとベヒんもスはビクリと身体を震わせて動きを止めた。きっと頭の中で俺にズタズタにされる想像をしてしまったのだろう。
「今のがリアルでなくて良かったな、リアルだったらお前はもう死んでるぞ」
というと俺の恐怖に圧倒されたのか動きが鈍くなっていたので一気に畳みかけるように攻撃した。
俺の最強の必殺技・ハイスラを放って致命的な致命傷を与えるとベヒんもスは怨嗟の咆哮を上げながら重い音を立てて大地に平伏すように倒れた。
仲間たちが俺に駆け寄って来て次々と「ナイトのおかげだ」「助かった、終わったと思ったよ」と賞賛の言葉をかけてくる。忍者を行きかえらせるのを忘れているがまあ後でいいかと思った。
「こんなに強いベヒんもスをあっさりと倒してしまうなんて、ナイトさんすごいですね」
「やっぱりグラットンつよい。持ってる人は性格も良いし会話も楽しいし、持ってる人憧れちゃうなー」
「ダークパワーっぽいグラットンをナイトが持つと光と闇が両方そなわり最強に見える」
「それほどでもない」
などと仲間たちが口々にもてはやしてくるが、俺は謙虚にそれらを全部受け流した。
そういえばベヒんもスを倒したのでアイテムをドロップしているはずだ。見て見るとベヒんもスの爪があった。レアアイテムだが俺はもうたくさん持っているから別にいらない。仲間に聞いてみると持ってないらしいから他の素材とトレードしてやることにした。トカゲの皮を10枚くれるというので俺は「9枚で良い」言った。
それから忍者に復活の魔法をかけてやるとなぜか忍者は顔を真っ赤にしてなんか不機嫌そうだった。多分コイツがリーダーだから活躍の場を奪われたとか思って悔しがっているのだろう。
そうするとパーティーのリーダーである忍者はいきなり俺に向かってこんなことを言った。
「おれはこのナイトがパーティーに残ることにはどちかというと大反対。今すぐ出て行って欲しいんですわ?お?」
あまりにも突然の台詞に想像を絶する悲しみが俺を襲った。しかし直後俺の怒りは有頂天に達した。
「ちょとsYレならんしょこれは‥‥」
怒りのあまり呂律も上手く回っていない。このままでは俺の寿命がストレスでマッハなんだが。
「お前はひとりで戦いすぎ、もっと仲間と連携したほうがいい。あまり調子に乗ってると裏世界でひっそりと幕を閉じることになる」
忍者は俺に向けてさらに言葉を重ねてくる。リーダーだから全ての権限が自分にあると思っているのだ。汚いなさすが忍者きたない。俺はこれでこの忍者のことが嫌いになったあまりにもひきょうすぎるでしょう?
「確かにそういう戦いかたしてることもまれによくある。それは悪かったかもしれないけど今日はみんなが死にそうだったから急いできた」
「でもお前はオレを生き返らせるのも遅かった。どうやって反省してるという証拠だよ?」
俺が謙虚に謝ってやっているのに忍者はまた悪口を並べてくる。これは謙虚な俺も怒りますわ。仏の顔も三度までという名セリフを知らないのかよ。
「お前それでいいのか?」
俺が全身からかもしだす怒りがオーラとして見えそうなくらい威嚇してやると忍者はまだ調子に乗っていた。
「グラットンソード持ってくるらいで調子にのるのは弱い雑魚の証明。オレのような一級忍者と比べたらお前は貧弱一般人。あんまりしつこいとオレの忍術でバラバラに引き裂くぞ」
ゴミのような忍者の言葉に俺は大きなためいきをついた。
「忍術とか言ってる時点で相手にならないことは証明されたな。本当につよいやつは強さを口で説明したりはしないからな。口で説明するくらいなら俺は牙をむくだろうな。俺パンチングマシンで100とか普通に出すし」
そう言ってやると忍者はかなりビビって何もいえなくなっていた。俺は別に強さをアッピルしていないが俺の強さを感じているのならこの忍者は本能的に長寿タイプなのだろう。
そうしていると仲間が突然口々に「ナイトさんが抜けるならわたしも抜ける」「ナイトがいないパーティに未来はにい」「お手本がいなくなる‥‥」と口々に言い出した。
「たしかに抜けるのは勝手だがそれなりの抜け方があるでしょう?」
リーダーの忍者は焦ったのかそんなことを言っているが引きとめたいのがバレバレだった。
「何か言うことはないか?」
アワレな忍者に俺がそういってやると忍者はなんかまだ悔しそうな顔をしていたがすぐに立場の悪さに気付いたんだろう「やっぱり残る気はないか?」とか俺に言ってきた。
「おいィ?お前らは今の言葉聞こえたか?」
「聞こえてない」「何か言ったの?」「俺のログには何もないな」
俺が呆れた声で仲間たちに振り返るとみんな口をそろえるようにそう言った。やがて忍者は「残ってください;;」と涙ながらに懇願してきた。リーダーなのに格の違いを見せつけられ自分の地位を悟ったのかいつのまにやら丁寧語になっていた。
「地位と権力にしがみついた結果がこれ。一足早く言うべきだったな? お前調子ぶっこき過ぎてた結果だよ?」
俺が正論で言い聞かせてやると忍者はパーティを壊さないでと泣いてきたが俺に未練はなかったからもうだめ。
仲間達は「存在があまりに大き過ぎた」「ナイトさん抜きじゃ何も出来ない」系の事を言っていたが忍者も同じことをおもってるのだろう。
こうして俺は世界の伝説になった。
忍者はそのままどっか行っていくえ不明になった。
やあ (´・ω・`)
ようこそ、ブロンティストの聖地へ。
このジュースはおごってあげるから、まず飲んで落ち着いて欲しい。
うん、「また」なんだ。済まない。
仏の顔もって言う名セリフをしらないのかよ、どうやって謝って許してもらおうつもりだよ。
でも、この小説を見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない
「謙虚さ」みたいなものを感じてくれたと思う。
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい
そう思って、この小説を書いたんだ。
じゃあ、ハイスラでボコすわ。