7話:そびえ立つフラグ
新潟に釣りなうです。
楽しい
「アイツ、どんな汚い手を使って姫宮と付き合ったんだ?」
「秋月、俺達の敵だな」
「それで? いつやる?」
おい待て。絶対に『殺』の方だよな!?
教室に入ってすぐそんな会話が聞こえてきた。
身の危険を感じた俺は冷や汗を流す。
「よぉ~秋月」
声を掛けてきたクラスメイト。
「な、何か用か?」
「お前が使ったという催眠術を教えてくれよ?」
コイツ、俺が催眠術を使ったと思ってやがる……
「使ってる訳がないだろ」
「なら脅し方でもいんだぞ? なあ、俺達友達だろ?」
そもそも俺とお前はそんなに親しくもないだろ。てかちゃんと話したのはこれが初めてだろ……
「……あのなぁ、言っているだろ? 俺は何もしてないし、そもそも向こうから――」
ピロンと通知の音がした。
全員の視線が、特に男子達から視線が集まる。
「な、なんだよ……?」
みんなから「はよ見ろや」的な視線が向けられていた。
俺はポケットからスマホを取り出して確認する。
やっぱり雪葉かよ……
やれやれしながらも何の用だと思い確認する。
『宗介、大好きだよ』
「………………」
何を考えてやがる……まさかこの状況がわかってやったのか!?
そして横から男子達が覗き見ており、内容を確認した途端のもすごい形相で俺を睨んでおり、 そのまま俺の胸ぐらを掴み持ち上げた。
「コイツ、シメようぜ……?」
「「「賛成〜」」」
なんでぇ~~!?︎
「ま、待て話せばわかる!」
言い訳をしようとするが。
「ゴチャゴチャ言ってるんじゃねぇよ?」
「えっ、いや、その……」
俺がマジで終わったと思った瞬間……
「ちょっと宗介を離しなさいよ!」
声が聞こえた方を振り返った。
そこには仁王立ちをし、こちらを睨む桃花の姿があった。
桃花の姿を見た瞬間俺の手を離し少し後ずさる男子達。
「そんなことしてて恥ずかしくないの?」
「え? いや、だって、な?」
俺の胸ぐらを掴んでいた男子が他の男子へと視線を向け助けを求めた。
視線の意味を察した他の男子達が言い訳を始めた。
「だってよ、秋月の奴が一年の姫宮と付き合っているんだぞ」
「そうだ! あの『雪姫』と言われた姫宮とコイツがだぞ! どう考えてもおかしいだろ!」
その時、桃花が俺の方へと歩み寄る。
「なんで姫宮さんと付き合ってはいないって言わないの!!」
視線をソッと逸らす俺。
そこに同じクラスの女子が桃花へとある情報を伝えた。
「桃花知らないの?」
「え? 何が?」
「今朝、昇降口のすぐ側で姫宮さんが秋月くんに抱きついてたの」
「……え? なに、それ……」
絶望の表情と虚ろな瞳で俺へと歩み寄る桃花。
そのままガッと両肩を掴まれ――
「ナニソレ……? ホントウナノ、ソウスケ?」
どうやって答える。ここで雪葉とは付き合っていないと否定すれば良いのだが、そしたら雪葉にありもしない噂が流され俺の学園生活に終止符が打たれてしまう。
「あ、その、雪葉とは――」
「雪葉? もう名前呼びなの? ねぇ?」
――終わった。
そう思う俺だった。
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