2話:告白という名の提案
伸びて欲しいっ!
そう願いながらの更新です!
「こ、これはもしかして、ら、ラブレター、なのか……?」
俺の言葉を聞いた者がいたのならば「自意識過剰乙」と言われるまでだが、ここには俺しかいないのだからそれも良いだろう。
「それにしても一体誰が……」
そもそも俺には誰も心当たりがない。
女子との接点はほぼないと言えるのだから。
「もしかしてイジメ……?」
罰ゲームか何かでクラスでも影が薄い俺に告白とか?
いらぬ方へと考えが向かってしまい、これは行かない方が良いのだろうかとさえ思っていた。
「今日の放課後だし時間はまだある。ゆっくり考えてみるか」
考えることに決めた俺はトイレを出て教室へと向かった。
自然とこのクラスの誰かなのではないかと思い、不信がられないようにと教室内を確認してみる。が、いつものように教室にはいった俺にクラスメイト達は見向きもしなかった。
席に着いた俺に声を掛けてきた人がいた。
「おはよう宗介!」
見上げると、覗くように俺の方を見る少女がいた。
桃色の髪が特徴的な彼女の名前は立花 桃花、その人であった。
桃花と俺は幼稚園からの腐れ縁、すなわち幼馴染である。
家もそこそこ近く、小さい頃はよく遊んだ記憶がある。
桃花は美少女で、学年での人気はそれなりに高い。
俺に毎朝こうやって挨拶をしてくるのだが、周りの視線が「なんでお前が」的な目で見られている。
俺はそんな視線を気にすることなく桃花へと挨拶を返す。
「おはよう桃花」
「今日は考え事でもしたの? また仕事のこと?」
「え? どうしてそう思った?」
「幼馴染だもん。それくらい分かるよ〜」
「ま、まあそんなところだ」
勘違いしてくれたことにホッと胸を撫で下ろす。
ここでバレたら「私も行く」と言い出しそうだったからだ。
そこに、チャイムが鳴りホームルームが始まるのであった。
――放課後。
俺は体育館裏へと向かった。
もうイタズラだろうが罰ゲームだろうがどうだっていい。
嫌がらせとその他の確率がが99%で、告白が1%という気持ちだ。
学校で噂になるだろうが、俺には関係ないのだ。
平穏に学園生活ができればなにも文句はない。
そう思って体育館裏に時間通りに到着する。
だがそこには――誰も居なかった。
「やっぱり嫌がらせ――」
「秋月先輩ですね?」
嫌がらせ。そう思って言葉を吐いたのだが、それは最後まで言い切ることなく背後からの透き通るような声によって遮られた。
「誰だ――」
振り返った先に居たには、入学したてで学校一の美少女の座を掴み取った一年生、『雪姫』こと姫宮雪葉であった。
「ゆき、ひめ……?」
「その呼び名は不愉快です」
露骨に嫌そうな表情をする姫宮。
「すまん。それでこの手紙は姫宮が?」
「……どうして私の名前を? もしかしてストーカーですか?」
「違うわっ⁉︎ どうしてそうなるんだよ⁈」
「ならどうしてですか?」
どうやら姫宮は自分が学校で有名だとは気がついていないようである。
ならどうして『雪姫』という呼び名を知っているのだろうか?
そのような疑問が残るも、俺は姫宮に答えた。
「入学して数ヶ月の間に告白された回数は数えきれない。全ての男子が告白するも玉砕するんだ。有名になって当然だ」
「そうですか。だからみんな私のことを『雪姫』って言うんですか」
「そういうことだ」
どこか納得した表情を見せる姫宮に俺は要件を聞き出す。
「それで? 俺をこんな場所に呼んだ理由はなんだ? 俺が姫宮に告白してフラれろと?」
「いえ、違います」
首を横に振って否定する姫宮は口を開いた。
「先輩、期間限定で私と付き合ってくれませんか?」
明日の更新は朝あるいは昼頃と夕方を予定しています。
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