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12話:やっぱり怖いよ

 クレープを食べた翌朝。

 俺の家へと雪葉が来ていた。


「おはようございます」

「なんで家まで来るんだよ?」

「……バラされたいですか?」

「来てくれるなんて凄く嬉しいです!」

「宜しいです」


 くっ、畜生っ! なんで雪葉が朝から俺の家に来るんだ!

 今日は厄日か!?


 心の中で嘆いておく。


「それで、準備はもう済んでいるのですか?」

「ん? ああ、それならもう出来ているな。少しだけ次の仕事のスケジュールを確認していただけだ」

「そう」


 興味なさそうにそれだけ言うと、リビングのソファーでくつろぎだした。


「……おい。行くんじゃなかったのか? 勝手に人の部屋でくつろぐな」

「別に良いじゃないですか。付き合っているんですから」


 脅迫されましたけどね!?


 そして溜息を吐いた俺はしばらくしてカバンを持ち雪葉に告げる。


「そろそろ行かないか?」

「……そうですね」


 少し名残惜しそうにつぶやく雪葉だった。



 学校に到着し正門を抜けると、相変わらず視線が俺へと突き刺さる。


「なあ雪葉、もう少し離れてくるか?」

「え? どうしてですか?」


 そう言って俺の腕を両腕で抱くようにして歩き出した。


「秋月、殺す……」

「羨ましい妬ましい!」

「計画は――」


 そんな声が周囲の男子達から聞こえてくる。


「雪葉さん、周りの声聞こえてるよね? ね?」

「ん? なんのことですか? も、もしかして離れて欲しい、とかですか?」


 ぎゅっと握る腕に力を込め、周囲に聞こえる声で尋ねてくる雪葉。

 雪葉の表情は「そんな!?」的な感じで悲しそうである。


「そ、そんなわけないだろ。は、ハハッ……」


 クソッ!


 どう見ても俺のピンチである。


「あの、この状況助けてくれません?」


 小声でそう尋ねると、雪葉はジッと俺の方を見る。


「そうですね。私のせいでもありますし。いいですよ」


 そうして雪葉は聞こえるくらいの声で……


「私、宗助にいじめとかする人いたら、絶対にその人とは話さないことにしますね」


 言葉と同時、視線が外れ、殺気の様な何かも一瞬で無くなった。

 周りを見ると「秋月ってやつは、良い人だよな~」とかそんな声が聞こえてきた。

 俺は隣で小さく笑みを浮かべる雪葉を見て戦慄した。


 こいつ、やべぇ……、と。


 雪葉と別れ際。


「今日のお昼、約束通り宗助の分のお弁当を作ってきたから一緒に食べましょう?」


 上目遣いでそう言う雪葉に、思わずドキッとくるが、これは演技である。


 二度言う。これは演技である。

 決して騙されてはいけない。


 そう思いながら答える。


「ああ、楽しみにしてるよ」


 物凄い笑顔でそう返してやった。するとピロリンと着信があった。

 そこには……


『噂、流されたくなかったら普通にして下さいね?』


 一瞬で普通の表情に戻り「すみませんでした」と小声で謝る俺であった。





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