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ある男の物語

ドルを売ろうとした男

作者: REIZO


男の物語は、虚しさが付きまとった。


今、日本いや世界中を騒がせている問題。

何時けりが着くのか、誰にも分からず

ただ、もどかしさだけが

男の周りにも漂っていた。


テレビのニュースでは、この影響で

ドルを売って円を買う動きが活発になっている

と報じていた。


男は、先ず手っ取り早い手段はこれだと思い付いた。


ドルを売る。


今、自分に売れるドルはあるのか?


暫く考えた後

男は、乗っていた自転車を降り

ふと、ハンドルとサドルを見つめた。


くだらない事を考えているうちに

信号が赤に変わった。

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