表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

名画座にゆこうか

大魔神、フェリーニ、永井豪:「大魔神逆襲」1966年 森一生 監督

作者: あめのにわ

シネマヴェーラ 「大魔神逆襲」1966年 森一生 監督。


大映の「大魔神」シリーズ三作目にして最終作。恥ずかしながら、むかしTV放映で断片的に他のシリーズ作品を観た記憶はあるが、映画館で通しでまともに観たのは今回が初めてだった。


途中までかなりゆるい展開で、いかにも子供向けの時代劇という感じなのだが、大魔神が出現してからの演出がすごい。


かなり凝った特撮を行っているようで、演出も自然で巨大である感じがうまく出ている。おおもとは「ゴジラ」のフォロワーとして企画されていたのだろうか。


大魔神は「ゴジラ」その他の怪獣と同じように、台風や大雪・洪水・噴火など自然災害になぞらえた存在として描かれている。大魔神による破壊の描写は戦争のイメージにもかさなるのだろう。音楽も伊福部昭である。


特撮はフェリーニの「アントニオ博士の誘惑」(’62)に登場する巨女を思い出させる。どちらも巧みなカメラワークで巨大さを自然にみせている。あの巨女が甲冑を着てパワーアップしてゴジラのごとく建築物を破壊してゆくと「こうなる」だろう。


それにしても後年のいろんな作品に影響を与えているようだ。とくに永井豪「バイオレンスジャック」(’73〜90)を強烈に想起させる。大魔神と同じ「荒ぶる神」であるジャック、その分身として黄金に輝く鷹が現れるのだが、その理由が本作を観たら腑に落ちる。少年たちの受難や、奴隷労働などのモチーフも共通している。


そうすると、甲冑を着た巨人の姿は、ひょっとしたら「マジンガーZ」(’72〜)の巨大ロボットイメージの元型なのかもしれない。とすると、大魔神は巨大ロボットもののルーツの一つということになる。このあたりは既に指摘がありそうだが、どうだろう。大魔神の大きさは約5メートルとのことで、意外なことにマジンガーZやイェーガー(「パシフィック・リム」)よりもかなり小さい。レイバー(「機動警察パトレイバー」)よりはやや大きいだろう。


その他、悪役が地下道から逃げて外に出てきたら、そこに逃げてきた筈の大魔神が立ってるというシーンは、TVアニメタイムボカンシリーズ「ヤットデタマン」でさんざんパロディ化されている。


2017/09/09

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ