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記憶の道  作者: 桐霧舞
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エピソード A  エピローグ






 とある東大陸の国の話。



 大陸の三分の一が砂漠と言う気候の中、突如現れた水の都アクスヴィル。



 沙漠を渡る者誰もが夢かと錯覚する程大きな山の様なこの街では変わった風習が残っている。それは水を求める者には水を分け与え、その見返りは一切受け取らないと言うもの。水が貴重な砂漠なのに何故無料で配布するのかと言う疑問に答えるには、この都を造った者達の事から知らなければならない。



 この街は争いを好まず、水を求めて現れた者は平等に水を手に入れる権利がある。聖母と呼ばれる存在は自分達に刃を向けた者でさえ恨まず憎まず水を与えた。その行為に痛く感謝した者は聖母へ使える様になる。



 聖母の心は広く、砂漠で水に飢えた村を見つけては水を配り、襲ってきた野党でさえも無傷で故郷へ送り届ける程。



 聖母には五人の従者が居たとされるが、本人達の希望で名は一切記録されていない。しかし伝承だけは残っている。


 聖母が一番大事にしていたと言われる者の子孫は名前が二文字で『ラ』を含む名前を付けており街を活気づけた。


 聖母が一番信頼していた者は聖母の代わりに街を統率した。


 聖母が一番頼りにしていた者は街を建築した。


 聖母が一番感謝した者は作物を育てた。


 そして聖母を一番助けた者は弓を捨て棒術を教えた。


 この五人がこの都の始祖であり誇りとなる。



 聖母は五人に都を託し去っていった。また別の場所で水を与えているのだろう。


 いつしか皆、聖母を崇め、記憶から忘れられぬ様水の源泉を聖域とし彼女を祭った。彼女の教えを忘れぬ様、都では今でも祈りを捧げ続けている。



 聖母の名から三日月の印を持った者達は彼女の教えを忘れない。



 聖母の教え、アンナ教は来る者を拒まず皆平等に教えている。







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