平均
僕達は平均を求める。それこそ年収だとか、地位だとか、容姿だとか、学歴だとか、性格だとか。
結局普通が一番なのだと。平均こそが至高なのだと。はみ出し者は叩かれる。出る杭は打たれる。そんな光景を幾つも目にしたから。
そのくせ、僕達は平均を否定する。それは主に自分が平均から少し離れたところにいる時に。平均年収を稼げなくて人を恨んだり、平均年収に満足できず人を憎んだり。学力の偏差値が平均に届かぬことを嘆く者の横で、平均偏差値の低さを笑う者がいる。
結局、僕達は平均を求めて、平均を否定して。平均に振り回されている。だが、実際平均なんてモノはない。平均の顔で、平均身長で、平均体重で、学力偏差値は全教科50で、平均的な大学を出て、普通の仕事について、平均年収を稼いで、普通の家庭を築き、普通の幸せを手に入れる。こんな人がいると気持ち悪いだろう。いる訳がない。
平均なんてものは、個々の個性を殺した偶像でしかない。だから、平均とは違うあなたの長所も短所も気にする必要はない。
それは、あなたがあなたたり得る理由だから。