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夕暮れ時の海の繋がりは馬鹿まっしぐら  作者: 天気飴
第1章 傷心の回復
2/21

待ち合わせ

まだまだ慣れてません。

自分の語彙力の無さに痛感しています汗

  夏の日。奈良県のとある町の公園。そこの特徴は四つん這いになっている1体の綺麗なパンダ像で大きさは子供一人分である。公園の真ん中にはまるで独占しているかのように設置したジャングルジム風の黒い機関車が存在していた。機関車は随分と遊ばれていたのかその周りには黒いペンキが剥がれていてコンクリートが見えていた。その他にも子供のいたずらの描き跡もよく見かける。


  ここの公園の名は『パンダ公園』と町の人達は呼ばれている。本来の公園の名は『機関車公園』と呼ばれていたが、本物の機関車を比べると小さく半分に切られてトンネル型にできている。そのため、周りからはここの機関車よりあっちのパンダの方が完成度が高いとのことでパンダ公園と町の人達はよばれるようになってしまった。


「可哀想にね、もういっそのこと消してあげたいくらい」


  と、公園の中に1人洋風な姿をした女性が呟いた。

  凛とした顔立ち、立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花という言葉はこの人にあると思われても仕方ないほどの美しさである。

 橙色の長髪と銀色の目が目立つ彼女は日光を避けるように公園出入り口近くにある木の下に立っていた。


「本当に消すの?セリダおば...お姉ちゃん?」


  セリダの隣には8歳の肩まで伸びている黒髪の少女が心配そうな黒い目で彼女に向けていた。もちろん本当にするわけがない。

 そんなことしたら周りの人達の記憶消すのに時間がかかる。セリダは笑顔で答えた。


「そんなことしないわよ。お馬鹿な子ね。あと、『おば』言ったから今日のお饅頭減らすわね。」


「ケチ!」


  少女はセリダを睨みながら彼女の汚れてはまずいような服を軽く引っ張った。だが、それ以降の反抗はしなかった。

  少女は自分が口を滑らせてしまったのが悪いのだとため息をこぼしながらセリダの手を繋いだ。セリダは繋いでない手を少女の頭を撫でたあと、頬っぺたを痛くしないように軽くつねる。少女は恥ずかしいのか顔が赤くなる。


「そろそろ来るわね、彼。」


  セリダは少女の頬から離して頭をまた撫でる。もう一手は繋いだままだ。


「そうなんだ、元気そう?」


  セリダはどこにもいないはずの機関車を見つめながらまるで何かを確認するかのようにじっくりとみつめていた。

 

「ええ、元気ね。頭の中はともかくね...」


「友達に失礼なこと言ったから饅頭追加ね。」


「はいはい。」


  最初からセリダはお菓子を減らすつもりはなかった。これから彼も出かける時に食べることになるから多めに買ってきたのだ。

  セリダは少女の頭を撫でるのをやめて今度は指先に黄色の光を集めてそのまま頭の上に円を描いた。円の中から紙袋が現れた。

 中身は饅頭や団子、どら焼きそして非常食のカンパンがあった。カンパンは彼の好物のようだ。


「ほんと、これが何が美味しいだか...口の周りパサパサになるだけなのにね。ねぇ真海生。」


「そうだね。たまに食べてみると美味しいと思うけど、あそこまで好きになれないなぁ。」


  セリダは紙袋を真海生に渡した。繋いでいた手を離して両手で紙袋を持った。そこまで重くはないが柔らかい食べ物が多く入っているため、丁寧に持った。セリダは彼女に渡したあと後ろを振り向いた。彼が公園の入り口に来ていたことがわかっていたからだ。

  セリダは少年に笑顔で挨拶した。


「こんにちは、優司くん。今日もよろしくね。」


「かまへん!かまへん!」


  優司は両手を頭の後ろに組んでニッと2人に笑顔を見せた。

次の更新は趣味程度ですので暇な時に更新します。

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