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織りなす絲  作者: 琴笠 垰
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 「俺の店でも、良ければ定期的に購入してもらえるか?」


 専門店で今後定期的に購入することを話したら、ワトヤさんの方から提案された。


 「勿論です。ワトヤさんには最初からお願いするつもりでしたから!各店で色々な商売事情をお聞きしましたので、こちらとしても問題がないようであれば是非ともお願いします!」

 「しかしあれだけ買ってまた買いに来たということは、前回の分は全部なくなったのか?」

 「全部ではありませんが、ほぼ消費してしまいました」

 「イトちゃんが料理してるんだろ?」

 「あ、良かったら食べますか?ん~と、はいどうぞ!」


 コーンマヨパンと葡萄パンをクワ太から取り出して渡す。ワトヤさんは物珍しそうに見てから、コーンマヨパンを食べた。


 「こ、これは‥‥旨いっ!‥‥本当にイトちゃんが?」

 「そうですよ。もう1つの方も食べてみて下さい」

 「食べるのが正直怖いが‥‥、これも俺の店で買ったものから作ったのか?」

 「100%、と言いたいところですが、採取したものもあるので90%位ですかね」

 「っ!?再度こちらから頼む!少量でも構わないから、定期的に購入してくれないか!?」

 「ど、どうしたんですか急に?」

 「なに、俺の作ったものからこんな旨いものが出来ることに感動してな‥‥。もしも‥‥、もしもの話だが、仮に困ったことがあったときには相談してくれ。全面的に協力させてもらうぞ」


 ワトヤさんの考えるもしもが何かはわからないが、とてもありがたい申し出だ。


 「はい!そのときはお世話になりますね!」

 「おう、任せろ!」

 「じゃあ早速教えて下さい!この20L瓶ってどこで買ってるんですか?」

 「‥‥困ったことってそういう意味じゃないと思うよ」

 「ま、まあ協力には違いないな‥‥。くくくっ、タクマさん達が気に入るはずだ。なあ、オビト君」

 「失礼ですが、ワトヤさんも昔冒険者をやられていましたか?」

 「ああ、家業を継ぐ前はな。元冒険者だと何か問題があるのか?」

 「いえ、ただの最終確認です。それを聞いて納得しました」

 「冒険者はイトちゃんが好きだと?」

 「はい。イト、お宝の歌ちょっと歌える?」

 「ん?流石の私も、お宝がないのに歌うのはちょっと抵抗があるなぁ。でもオビトがそこまで聞きたいって言うなら、まあ、いいけど?お宝探検隊!お宝探検隊!僕らはお宝探・検・隊っ♪」

 「この変な歌をどう思いますか?ワトヤさん」

 「へ、変っ!?」

 「ワクワクしてくるな。冒険者をもう一度やりたくなったぞ!」

 「‥‥一言で言えばそういうことです」

 「どういうことだよっ!」


 帰り際に瓶のお店と、一応魚の専門店の場所を教えてもらった。また来ます!と言ってタクマさんのお店へ戻る。ちなみにワトヤさんのお店で購入した金額は87,500ギルだった(5,000ギル値引きしてくれた!)。




 「「戻りました」」


 タクマさんのお店に着くと、10時近くなったところだった。商売事情・耳より情報・お買い得情報・お隣繋がり等の井戸端会議・ワトヤさんとの雑談と、それなりにあった往復距離のために思いの外時間が掛かってしまった。


 「遅くなってしまいすみませんでした」

 「おう、その様子じゃ問題なかったみてぇだな。ギンガはもう工房に来てるぞ」

 「はい。では今日から工房をお借りします」

 「俺も客がいねぇときは顔を出すからな」


 お店から工房に入ると、ギンガさんがコハクとヒスイと一緒に座ってチョコレートを食べていた。2人のどちらかがあげたのかな?そういえば昨日の夜は色々あって、ギンガさんとレイアさんにチョコレートを振る舞うのを忘れていたかも‥‥。


 「父さん遅れてごめん」

 「遅れてすみません」

 『おかーり』

 『無事であったか』

 「いや、遅くなってくれたおかげで、コハクからチョコレートを貰えたから得したぞ」


 くぅ~、言うことが男前!今日もギンガさんは格好いいな!


 「じゃあ、早速始めましょうか!」

 「始める前に、これからの予定を先に聞かせてくれない?それによっては俺と父さんの動きも変わると思うし」

 「どういうこと?」

 「例えば、イトが調味料や料理を作るときは俺達2人とも<錬金>と<料理>を教わることになるよね?でも、食べ物以外のものを製作するときは父さんの手が空くから、ここで夜の仕込みが出来ると思うんだ。イトに貰った時間停止袋「助停さん改ね!」‥‥があるから、いくら持ち込んでも宿との往復には支障がないしね。

 あと俺はまだMPがそんなにあるわけじゃないから、<錬金>もそんなに使えない。だから作るものによっては、コハク達と調達に行った方がいいと思うんだ。今日大量に買い込んだけど前回の量を見る限り、採取品も含めてすぐになくなりそうだしさ。

 それに父上と母上にも、ヒスイの顔見せと一緒に食糧を届けないといけないでしょ?」

 「‥‥仰ると通りでございます」

 「確かにそれだと助かるな。こんなこともあろうかと持って来て正解だったようだ」


 ‥‥こんなところはやっぱりオビトの父親だね。 


 「では、私の製作予定を話しますね。思い出しながら話すので、製作順は話した後で調整するということで宜しくお願いします!」




 まずは調味料・料理・お菓子の製作。


 調味料はチーズ・ソース・ケチャップ・ヨーグルト・オリーブ油・ラー油・マスタード・きな粉・ダシの素・鶏がらの素・中華の素・赤味噌・甜麺醤・オイスターソース・デミグラスソース・固形ブイヨン・固形コンソメ・めんつゆ・乾物・干物・キャラメル・上新粉・ゼラチン。

 あと足りないのは蜂蜜か、こればっかりは蜂の巣を見つけないことには無理だ。豆板醤は豆屋さんで空豆を探してみるしかないね。

 それから酵母・種麹・米麹・醤油・味噌・みりん・お酢・料理酒・バター・植物油・カレー粉・マヨネーズ・パン粉・全粉乳・胡麻油・片栗粉を量産する予定だ。


 料理は思い付く限りだと、和食が焼き鳥・炊き込みご飯・うどん・焼き肉・焼きそば・お好み焼き・肉じゃが・角煮・煮魚・親子丼・カツ丼・すき焼き・鍋物・おでん。

 洋食がステーキ・ハンバーグ・オムライス・メンチカツ・コロッケ・ベーコン・ソーセージ・ハム・ポテトサラダ・パスタ(ペペロンチーノ・カルボナーラ・ミートソース・ヴォンゴレ・和風パスタ等)・イカフライ・牡蠣フライ・鯵フライ。

 中華が炒飯・中華丼・天津飯・餃子・回鍋肉・各種炒め物・あんかけ焼きそば・焼売・肉まん・肉団子・春巻きってところかな。


 可能であればラーメン・担々麺が食べたい!それに豆腐と油揚げも出来たら作りたいし、そしたら麻婆豆腐が食べられる!今のところないのはお蕎麦だ。これもあるといいなぁ。


 軽食も作りたいぞ!おにぎり・サンドイッチ・唐揚げサンド・カツサンド・フィッシュサンド・コロッケパン・ホットドック・ハンバーガー・カレーパン・ベーコンエピ・チーズパン・ガーリックパン・ジャムパン・クリームパン・チョコパン・きな粉揚げパン・フレンチトースト・ピザ・アメリカンドック・フライドチキン・フライドポテト・ポテトチップ・ポップコーン・飴・お煎餅・コーンスープ・クラムチャウダー・コンソメスープを作っておけば、何かあったときの小腹対策もバッチリってもんよ!


 お菓子は、クッキー(チョコ・ナッツ)・ショートケーキ・チーズケーキ・チョコレートケーキ・ロールケーキ・パウンドケーキ・シュークリーム・スイートポテト・ゼリー・お団子・大福・まんじゅう・鯛焼き・かりんとう・おはぎ・アップルパイ・モンブラン・焼きプリン・アイスクリームがあれば日替わりで楽しめるぞ♪悔しいが、ホットケーキは蜂蜜がないから今回は見送りだ。


 食べ物以外の製作は、信じられない位増えたな‥‥。


 紋鉱石を使用した2人の二刀流武器、臨時パーティー4人・ヒスイ・父上・母上の魔法鞄、5L・20L調味料瓶、美味しい薬、箸・お弁当箱・メモ帳・水筒、ヒスイと父上と母上の手綱・鞍・マーカー入りアクセサリー(これは魔法鞄に付けようかな)、<完全防御>アイテム(オビト一家・臨時パーティー4人・父上母上(<偽装>を付与))。


 さらに購入したいものは、オーブン付き大型コンロ・机・椅子。これがあれば、何処に行っても食事をするのに困らなくなるぞ!


 密かに製作したいのはオビトの誕生日プレゼントと、ギンガさんとレイアさんの寝間着。それからごわごわしない石鹸、ってところでとりあえずいいんじゃないかと思う。


 プレゼント・寝間着・石鹸以外を伝えると、オビトがメモ帳を取り出して「書くからもう1回言って」と言ってきた。え~、もう1回言える自信が微塵もないよ‥‥。案の定何個かスっ飛ばし、その度にオビトから指摘された。ん?これって言う意味なくない?


 おっと、大事なものを忘れるところだった。調味料の値段一覧表も作成しないとギンガさんに売れないや。2回言って良かったです、オビト様!


 「今日の予定を順番通りに言うと、調味料瓶・お弁当箱・新しい調味料・量産する調味料製作ってところかな」

 「今日だけでも随分あるけど大丈夫なの?」

 「ふふふ、私には助さんズという心強い味方がたくさんいるのだよ、オビト君!」

 「調味料と一括りにしていたが、これだけのものが存在するのか‥‥」

 「驚くのはまだ早いですよ。これは私の国でよく使う調味料だというだけで、世界各国ともなれば数え切れない程ありますから。有名なものなら私でも知っていますが、流石に全部はお手上げです」

 「本当に驚くばかりだな‥‥」

 「それに料理とお菓子の数も凄いよ。調味料がまだまだあるってことは、当然料理とお菓子の数もそれに比例して何倍もあるってことでしょ?」

 「うん!それこそ計りしれない位ね!」

 「益々楽しみになって来たぞ。一先ず調味料を作るまでは、仕込みをして待たせてもらうか」

 「わかりました!ちゃっちゃと終わらせますのでお待ち下さい!」

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