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「じゃあ予定通り、午後は別れて食材集めをします」
「「「「ぶーぶー」」」」
「聞き分けのない人はダメだよね、コハク?」
『あい』
「「「「頑張ります‥‥」」」」
「夕方になったら迎えに行くので、適当に動いてもらって構いませんからね。では解散!」
「「「「コハク行ってきます!」」」」
『いってらっちゃい』
「「「「ぐはぁっ!」」」」
はぁ、疲れた。コハクが可愛すぎるのがいけない‥‥。攫われないように気を付けねば!
「オビト、誘拐を防ぐにはどうしたらいいと思う?」
「鞄みたいに魔石をあげてみたら?」
「その案いだだき!」
再び琥珀の塊を取り出し、包丁で端をカット。手で握り込み今度は『防犯機能』を琥珀に込めてみる。くっつけ~、定着しろ~、お前は不審者を撃退するスタンガンを持った警備員のようになるのだ~!
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[琥珀]
<無属性魔法>が付与された宝石
〈効果:不審者撃退〉
〈製作ボーナス:電撃〉
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作成条件:無属性魔法・細工・錬金Lv6
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「コハク、この宝石と魔石(透明)(黒)を食べて<吸収>出来る?」
『あい、‥‥まじゅい』
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コハク
年齢:0
種族:ベビースライム
Lv:1
スキル:<消化><吸収><完全防御><電撃><空間拡張><縮小><重量軽減><時間停止>
状態:イト・サエキ従属/言語理解/不審者撃退
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HP(生命力):10/10
MP(魔力):10/10
STR(筋力+(攻撃)):1
VIT(体力+(防御)):1
AGI(敏捷+(敏捷)):1
INT(知性+(魔力)):2
DEX(器用+(器用)):2
LUK(幸運+(幸運)):3
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オビトにも内容を伝える。「いいんじゃない」とお墨付きをいただいたので、コハクにも説明しておく。あまりわかってなさそうだけど、一応言っておかないとね。
「危ない人がコハクに触れないようになってるけど、自分が嫌だと思った人とか私がダメって言った人にも気を付けるんだよ。あと、どうしていいかわからないときは何でも私に聞くこと。わかった?」
『あい、かーしゃん』
「コハク、じゃあ俺のところにおいで」
『かーしゃん、いい?』
「いいよ、ちゃんと聞けてコハクは偉いね」
『コハ、えらい?』
「うん、とってもいい子だよ!」
『えへー、オビー』
ぽぅん、とコハクが私の肩から跳ねてオビトの肩に乗る。ほよほよ揺れてるのが可愛いなぁ。
「ねえ、コハク。コハクのスキルに<空間拡張><縮小><重量軽減><時間停止>っていうのがあるんだけど、どんなものかわかる?」
『うーと、コハのなかにたくしゃんものがはいる』
「へえ、凄いね」
『あと、ちいしゃくなる』
「いま小さくなれる?」
『んー』
ピンポン玉サイズだったコハクが、みるみるうちに半分以下の大きさになった。
「今より大きくなっても、いつでも小さくなれそう?」
『あい』
「ありがとう、大きくなってイトのところに戻って大丈夫だよ」
『かーしゃん』
ぽぅんと戻ってきたコハクを撫でる。癒やされる~。いやいや、和んでいる場合ではない。何も見つけられなかったら後であの4人に何を言われることやら‥‥。
「じゃあ私達も行こうか。コハクは私とオビトからハグレないようにね。あと危ないと思ったら、私かオビトのフードに隠れること。それと‥‥このマーカーを身体の中にずっと入れておいてね」
『あい』
コハクが地図に表示されたのを確認してから、他の班が行ってなくて行ったことのない方向へ進む。<鑑定><分析><感知><索敵><地図>を小マメに使っていると、不思議な木を見つけた。
「オビト、木なんだけど木じゃないの見つけた」
「結局何なの?」
「名前はトレント、木の魔物みたい。柄と鞘と箸を作りたいから倒すよ」
「わかった。コハクこっちに来て」
『かーしゃん、たたかう?』
「そうだよ、危ないから俺とここで待ってようか」
『あい、かーしゃんがんば』
さて、どうやって倒そうか。養分は地面からだろうから、思い切って引っこ抜いてみる?近付いたら攻撃してくるかな?ものは試し、口笛を吹きながら通り過ぎてみた。あれ?普通に通れちゃったよ。大人しい魔物なのかな?でもごめんね、私は質のいい木が欲しいんだ。
周りの木を利用してトレントよりも上まで登り、一番近い木から飛び跳ねトレントの上から下までを踵落としで一蹴両断。地面に着地するやいなや幹を掴み、バックドロップの要領で引っこ抜いた。
「ズウウゥ~ン!」と枯れ葉や土を巻き込んで、真っ二つに割れたトレントが地面に転がった。「よっしゃ~!木材ゲットぉ!」端っこを持ってクワ太に突っ込む。
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[トレントの木材]
トレントの成れの果て
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使用条件:錬金Lv4
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[トレントの核]
トレントの心臓
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使用条件:錬金Lv4
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『かーしゃん、つよ!』
「また非常識な倒し方を‥‥」
「ふふん、無傷で倒せれば方法は問わないのさ。コハク覚えておけ、男は先手必勝・一撃必殺だ!攻撃は最大の防御なりっ!」
『あい!かーしゃん!』
「この2人、一緒にしてていいのかな‥‥」
森の奥に進めば進むほど鬱蒼としてくる。蛇とか出て来そうな雰囲気‥‥でも、こうゆうところに意外とあったりするんだよね~。
「おぉっ、生姜発見!」
『ちょーが?おいち?』
「う~ん、コハクにはそのままだとちょっと辛いかな」
こんな感じで歩いてるうちに、唐辛子・辛子菜・油菜も見つけた。そういえば、トウキがあった所にも魔物がいっぱいいたよね。コハクもそうだけど、もしかして魔物は甘いものが好き?
「ねえコハク、甘いもののある所がわかったりしない?」
『んー、あっち』
「え、わかるの!?案内してっ!」
『あい!』
道なき道を進む。獣道ってやつ?途中、道が途切れてて断崖絶壁を飛んだり、沼の中にあった怪しい洞窟を匍匐前進で進んだり、落ちたら真っ逆さまな木の上を跳ねたり。そして、ここは桃源郷だろうか‥‥葡萄・林檎は勿論、レモン・蜜柑・苺・桃・栗・オリーブ・香辛料(ハーブ類・カレー類・バニラ・シナモン)まであるなんて。
ふおぉぉぉ~!ありがとう、コハク!案内してとは言ったけど、こんな結末が待っていようとは嬉しい誤算だよ。目の前に広がる楽園に暫し見とれ、忘れる前に「桃源郷1号」のマーカーを打つ。魔物がいると安心して採取出来ないので、オビトと相談して先に討伐してしまうことにした。
「コハク、危ないからフードの中に入ってて」
『コハもたたかう!』
「う~ん、でもなぁ‥‥」
「<完全防御>があるから大丈夫じゃない?」
「わかった。でも、危なくなったら隠れるんだよ?それと私から絶対に離れないこと」
『あい!』
1・2の3で飛び出す。いたのは3m位の豚人間の群れで、果物を貪り食っていた。<鑑定>するとオーガという魔物。こちらに気付いたのか「ギー、ギー」言い出した。何か食料認定されちゃった?涎を垂らしながらこちらへ襲い掛かって来る。
うへぇ~、必殺殴る蹴るで行こうと思ってたけど涎が付くのは嫌だ!作戦変更しよっと。包丁を構え迎え撃つ態勢をとるが、動きが思ったより早くなかったので一撃で倒しながら進む。途中、一斉に3匹に囲まれ、しょうがない足技を、と思った瞬間稲妻が走った。
地面には、プスプスと黒焦げになった豚人間の丸焼きが3つ転がっている。コハクを見ると、フードの中でぽんぽん飛び跳ねていた。やるな‥‥こりゃあ負けちゃいられんぞ。止めを刺す、そしてまた倒していく。気付くと全部倒していたが、一応<索敵>をすると少し離れた場所にまだ1匹いた。
「オビト、ケガはない?」
「1発も喰らわなかったよ。イトは‥‥凄い倒したね」
「コハクも倒したんだよ、ね~」
『コハ、たおちた』
「何匹倒したの?」
『ちゃんびき』
「俺と同じ‥‥」
『オビいっちょ?』
「‥‥一緒」
「オビト、ここら辺にはもういないから解体しておいてもらえる?私、最後の1匹を倒してくるよ」
「わかった、コハクは俺を手伝ってくれる?」
『あい!』




