表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
織りなす絲  作者: 琴笠 垰
15/79

15

 メリダさんが微笑みながらギルドカードを渡してくれる。何はともあれ喜んでくれているみたいで良かった。カードを受取り、周りを確認してから魔力を込める。


+-----+-----+-----+

イト・サエキ

年齢:16

職業:なし

Lv:2

冒険者rank:2-1/L2

商業rank:-

スキル:-

SP:20

状態:-

受注クエスト:-

+-----+-----+


 あちゃ~、さっき凝視してたのがわかっちゃったよ。SPが20も増えてる‥‥。え~っと、ちらっ、後で説明してもらうわよって顔してる‥‥。わ、私にもわからないってば!


 「本日は初日ですので、買取りカウンターへご案内させていただきます」


 カウンターの上に置いてあったものをメリダさんが持って、カウンター内を買取りに向かい歩いて行く。なので私達も買取りカウンターへ向かった。


 「ヤミル、これをお願いします」

 「おう、ってメリダ?お前が買取りに来るなんて、初めてじゃないか?」

 「そうかもしれませんね。これはこちらの方達の買取り品になりますが、私の知り合いですので粗相のないようにお願いします」


 そしてこちらを見て

 

 「サエキ様、次回以降も私の受付をご利用下さい。本日はありがとうございました。当分の間ごゆっくりとお休みになって下さい」


 これはメリダさん以外の受付を使うな、しかも少し間を開けた方がいいって言ってるのかな?オビトを見ると頷いたから合ってるみたい。


 「わかりました。色々とありがとうございました、また宜しくお願いします」


 ペコっとお辞儀をすると、メリダさんは微笑みながら受付へ戻って行った。


 「これを全部買取りでいいんだな?」

 「はい、お願いします」

 「じゃあ見ていくぞ、解体してあるから差っ引きなしでモクの肉・皮250ギルx2匹=500ギル、ラビの肉333ギルx3匹=999ギル、ウルカの肉16,667ギルx2匹=33,334ギル。それから‥‥これは、癒やし草か?」

 「さっき受付でメリダさんに確認してもらいました」

 「‥‥だから来たのか。お前達ランクは?」

 「今日ランク2になりましたが」

 「そうか‥‥、癒やし草40,000ギルx10本=400,000ギル。合計で434,833ギルだな、ほらよ」


 買取り金額は計算通りだった。また慌てて鞄にしまう。


 「ありがとございました。え~っとヤミルさん」

 「こっちこそありがとな。癒やし草はクエストを請ける奴が全然いなくて困ってたんだ。商業ギルドからもせっつかれててな‥‥今日は久々に良く眠れそうだ」

 「そうでしたか、お役に立てて良かったです」

 「ちょっと聞くが、お前達もしかして魔草も持ってないか?」

 「そちらはクエスト扱いになったので、受付で渡しましたけど」

 「そっか~、助かった。魔草も品薄で参ってたんだよ、最近の冒険者達は採取を嫌う奴が多くてな。討伐で強さを競う奴らも増えちまって、解体も碌にしてくる奴がいねぇんだ」

 「そ、それは大変ですね」

 「ああ、愚痴になっちまったな。まあ、てことでお前達は俺の救世主ってことだ。名前は?」

 「イトです」

 「オビトです」

 「改めて俺はヤミルだ。出来ればこれからも薬草類を採取してもらえると助かる。ギルドの決まりでクエストの強要は出来ないが、気に留めておいてくれるとありがたい」

 「ポイントも報酬も高いので、当分は請け続けるつもりです。‥‥ただ、あまり納め過ぎると悪目立ちしませんか?メリダさんにも少し間を開けるように言われましたので‥‥」

 「‥‥去り際のやつか。そうだな、そこら辺は後でメリダと話して上手いこと考えるしかないな」

 「はい、そうしていただけると助かります」

 「了解。じゃあ俺は、商業ギルドの奴らをギャフンと言わせるための準備しに行くわ。気を付けて家に帰れよ」

 「はい、ありがとうございました」


 冒険者ギルドを出ると、暗くなり始めていたので急いで宿に帰る。




 「ただいま」「帰りました」

 「お帰りなさい、初日なのに遅くまで頑張ったわね」

 「うん」

 「冒険者1日目はどうだった?」

 「思ってたよりも稼げたよ」

 「あらそう、良かったわね。もう少ししたら晩ご飯だから食堂に来るのよ」

 「わかった、イト行こ」


 連れて行かれたのは、1階にあるオビトの部屋だった。へえ~、男の子の部屋ってものが少ないなぁ。いかん、さり気なく物色してしまった。


 「じゃあ、報酬を半分に分けようか。合計で986,833ギルだったから、はい493,417ギル」

 「‥‥多過ぎるよね」

 「やっぱりそうなんだ」

 「イトでもそう思うんだから、メリダさん風に言うと異常だよ。俺達さらに売ってないものもあるんだよ?それも売ったらいくらになるかわからない位」

 「でもさ‥‥普通に草原とか森で採取してたら、今日みたいに魔物に襲われるでしょ。そしたら皆この位になるよね?」

 「そうか、イトはそこからなんだね。ちょっと長くなるけど、一つずつ説明していこうか。まず第一に、魔物はそう簡単に見つけられない。魔物の数は年々増えてるって聞くけど、それでも森の王国と言われているトルキアナの森は広大過ぎるんだ。俺達が今日襲われたのは、あそこがたまたまウルカの縄張りだった可能性がある。

 それとこれは推測だけど、森で解体していたのがそのあと魔物がたくさん来た原因かもしれない。多分、血の匂いがしていたからだと思う。ヤミルさんが言ってたことを覚えてる?討伐で強さを競う人が増えて、解体をしてくる人がいないって言ってたやつ」

 「うん」

 「皆、少しでもたくさんの魔物を倒そうと思うから、すぐ鞄に入れて次の魔物を探しに行くんじゃないかな?解体も今日やったからわかると思うけど、時間が掛かるよね。だからイトが思ってるよりも、討伐出来てる人は少ないはずだよ。

 次に鞄。イトも今日いっぱいになっちゃったけど、あ、余計なものが入ってるのは置いとくね」


 昼位からオビトがいっぱい喋ってくれる。慣れてきたってことかな?そしてどんどん辛辣さが増してる気もする‥‥。


 「魔法鞄は容量が決まってるから、いっぱいになったら戻って来ないといけない。薬草類みたいに容量が少ないものはたくさん入って尚且つ報酬が高額・高ポイントだけど、魔物は容量が大きいからすぐいっぱいになるし、その割には報酬もポイントもそこそこだから稼ぐのが大変なんだと思う。解体しないのも、容量が減らない理由だけどね」

 「そうだね、だから私も鞄を増やすつもりなんだもん」

 「まあ誰もが思うことだけど、そうしてる人がいないとは思わなかった?」

 「‥‥確かに、でも何で?」

 「じゃあイトは、鞄を何個も身体に着けたまま動ける?ただ動くだけじゃない、魔物に襲われるかもしれない状況で採取しながら魔物とも戦って、相手によっては逃げなきゃいけないときもあるんだよ」

 「そっか‥‥、あれ?鞄の中に鞄を入れたらたくさん持てるんじゃない?」

 「鞄の容量は使用者相当だから、持てる量は変わらないよ。あと最後に<鑑定>、これが異常の原因」

 「<分析>じゃなくて?」

 「<分析>もだけど、問題はそこじゃないんだ。昼に言ったことを紙に書けばわかると思うよ」


オーラ黒SP一覧:黒-800SPまで>青-700SPまで>緑-500SPまで>黄-400SPまで>赤-300SPまで>なし-100SPまで

レベルアップ時取得SP:黒-8SP>青-7SP>緑-5SP>黄-4SP>赤-3SP>なし-1SP


・<分析>-800SP

・<育成>-700SP

・<索敵>-600SP

・<賢者>-500SP

・<武神>-400SP

・<感知>-300SP

・<剣豪>-200SP

・<地図>-150SP

・魔法系<治癒魔法><付与魔法>-100SP

・戦闘系<HP回復><MP回復><状態異常>-90SP

・魔法系<光魔法><闇魔法>-80SP

・戦闘系<身体強化><精神強化>-70SP

・<鑑定>-60SP

・<隠蔽>-50SP

・魔法系<無属性魔法><雷魔法><氷魔法>-40SP

・戦闘系<投術><体術>-30SP

・生産系<鍛冶><木工><錬金><薬剤>-25SP

・魔法系<火魔法><水魔法><風魔法><土魔法>-20SP

・生産系<料理><裁縫><細工><菜園><掃除><洗濯>-15SP

・戦闘系<剣術><槍術><斧術><棒術><弓術><杖術><盾術>-10SP

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ