いとをかし
【最終問題 いとをかしでボケなさい】
この問いを見たときにシャーペンの芯を折った、なんだこのふざけた問題をなんでテストに出すんだよ、担当教師を見るが、やる気の無さを隠す様子も無くあくびをかみ殺しながら問題の説明をしている。
「最終問題は赤点の救済問題だ、これ面白かったら赤点免除だ」
いや、なんでバラエティのノリで最終問題とか作っているんだよ、いらないから真面目にテスト勉強をしているなら赤点救済とかいらないんだよ。
「先生 真面目にテスト受けるだけの生徒になってほしくないと思った」
真面目にテストを受けるという事のどこが悪いんだよ、まぁいいこの問題は無視でいいだろう自己採点で、この問題以外は正解だから少なくとも赤点はないだろう。
「あぁちなみにこの最終問題 無回答の場合は問答無用で赤点だからどんどんボケろよ」
なんでだよ、今までの問題解いていた時間とかテスト勉強にさいた時間も無駄になっちゃたじゃねぇか、そこまでバラエティみたいなノリを求めてないんだよ、求めているのはきちんとしたテスト問題なんだよ。
「今まさにお前らは理不尽だと憤っている奴もいるかもしれない しかし先生は社会は理不尽だということをこの問題を通じて教えたい」
理不尽とかじゃねぇよ、先生が教えているのはバラエティの番組のノリでしかないよと嘆いていてもしかたがないし、をかしとお菓子をかけてお茶でも濁すことにしよう。
「あぁちなみにいとをかしでお菓子たべたいとかそういう定番のボケいらないから」
なんで、ボケを潰すんだよ、今まさにかこうとしていたボケをつぶすなよ、書いたボケを、消しゴムで、消しながら別のボケを考えるが、思いつくこともなく、刻々と時間は、テスト終了時間へと近づいている。
こうなったら落書きでもするか、いとをかしとを崩し描いてしまえば無回答ではない
「あぁちなみに落書きとか不真面目な回答いりません、いとをかしであくまでボケろよ」
問題自体が不真面目な癖に、注文がおおいな、畜生あせってシャーペンの芯が、ポキポキと折れていくたびに、時間がないのにと心も折れそうになってしまう。
「はい終了2分前だ、おまえら名前書いていないと0点だからな」
今時名前書き忘れなんてねぇよ、古文だからって古典的な事いいやがって、あぁもうなにつまらない事考えているんだ、考えるべきは、いとをかしでボケるということだ、いやその考えもおかしいが必死になって 最後の最後、で思いついたものは、つまらない回答だった。
後日回答欄に埋めた【この問題は意図おかしい】の文字は書いていてつまらない回答だと思ったのだが、その解答欄の横には先生からのコメントがあった。
非常につまらない回答です、いとと意図 をかしとおかしいをかけたのでしょうが、つまらないと何故きづかないのですか? 残念ながらボケとしては0点です。
とりあえず他の問題はあたっているので赤点は免れたが、腑に落ちない何かをテスト用紙とともに丸めてゴミ箱に捨てた。