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ようこそ、怪奇現象探偵事務所へ!  作者: 鵺這珊瑚
第二章 先輩、初仕事ですよ!
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第十話 B棟階段調査 《壱》

放課後、私と優人先輩はB棟階段を調べることにした。今回は、何故か彩乃もいる。


「ここがB棟階段かー。」


目の前の光景に感嘆の意を込めて言ってみる。


「確かに、血の階段だね。」


うん、血の階段だ。段の上に、一滴ずつ赤い物が点々と上って行っている。


「これ、実は血じゃなくてペンキなんだよ。昔、体育大会では看板とか横断幕を自分たちで作ってたんだって。そのペンキを運んでいるとき、慌ててた生徒がそれをこぼしたのに気付かず、そのまま放置された結果、こういうふうになってしまったらしいよ。今は全部コンピュータでやりますからそう言う事は無いけどね。」


さすが彩乃。


「それはどこからの情報?」


「校長先生。あの校長、ずっとここにいるからこの学校の事詳しいんだって。」


やっぱりすごい。あの校長と話す勇気、私には無いなー。


「あ、自己紹介が遅れてました! 私とした事が!」


彩乃はダダっと先輩に駆け寄った。


「私、大宮彩乃って言います!」


「あ、えっと、僕は清田優人。よ、よろしく、大宮さん。」


何をあたふたしてるの、先輩。


「はい、優人せんぱ・・」

「待ったー!」


私は彩乃を優人先輩から引き剥がす。


「優人先輩じゃなくて、清田先輩、でしょ。」

「え、でも里奈もそう言ってた・・。」

「駄目、彩乃は清田先輩って呼びなさい。」

「何で?」

「何でも。」


頬をぷぅと膨らませる彩乃。


「・・仕方ないなー。」


渋々、と言った様子で彩乃は承諾した。


よし、よし。・・・・おい! ちょっと待て、何故だ自分! 別に彩乃にそう呼ばせといてもいいじゃん! 別に、呼び名は自由だし、私が強制するような物じゃないぞ! それぐらい、別に――

「優人先輩!」

うっ、彩乃が優人先輩に、優人先輩と言っている所が浮かんできた・・先輩、とても楽しそう・・私は一人、それを眺める・・なんだか、胸がチクっとして痛い・・ん? 胸がチクっとして痛いって、なぜ?


「ひいっ!」


いきなり肩に誰かの手が触れた。


「どうしたの、大西さん。」


優人先輩・・!


「な、何でもありません! 早く調べましょ!」  

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