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プロローグ
グラウンド・ゼロ(ground zero)とは、
英語で「爆心地」を意味する語。
今は何も無いさら地に二人で立っていると、
本当に世界で二人だけみたいに感じる。
戦争で失ったものは数知れない。
それでも右手に繋がれた君の左手を強く握るのは
やっぱりずるいことなんだろうか。
戦争が起きなかったら、
私と君は出逢わなかったんだよね。
これって、
すっごい皮肉だよね。
向こうから爆撃機がやってくる。
マフラーからはみ出た口先から白い息がこぼれた。
今頭上をかすめた爆撃機はきっと、
私達を殺しに来たんだと思った。




