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第6話 月下航路  

魔石と紋章魔術を組み合わせたランプの灯りが暗夜であっても

書類を確認できる程度の明るさを提供してくれる。

油を用いるものよりも高価ではあるが、

何より『燃焼を伴わない光源』ということで重宝されている。


特にそう、火災が天敵な船などでは。


慣れていなかった頃は、夕飯を消化する間もなく胃袋を空っぽにしてくれた絶えず訪れる揺れ。

腐食防止と難燃性を意図した塗料で黒くなっている木製の狭苦しい部屋。

鼻孔をふさぐのは生臭い潮を含んだ空気。

海はすべての生命の母というが、親離れして陸上生活に適応してから何万年を経た

今となっては慣れるまでかなり酷いことになった。

だが、便利なことに生物には大なり小なり適応性が備わっている。

荒れた海上ならいざ知らず、今のように波が穏やかなら書類を確認することくらいできる。


「やはり航空偵察は空振りか」


手にした書類の中身を一通り確認し終えた男が呟く。

ゆったりとした赤い服は脱ぎ、装飾品も外して薄着になったその姿は

ハジメに対して商人と名乗った面影はない。

サンドリオン。 本名ではないが、それが今の男の名だ。


『にこやかで腰の低い商人』の演技を止めた今の雰囲気はまったく別の印象を与える。

今の男の様子をハジメが見れば名乗られるまで商人とは思わなかった理由に察しがつくだろう。

例えるなら、いかに装飾を施そうとも鞘の中身が人斬り包丁では違和感もあろうというもの。

今の男がまとう雰囲気は一言でいえば『剣呑』。


偵察結果の報告は予想していたことではある。

風龍による単機高速侵入高速離脱では碌な情報も得られないだろう。

背に乗せた偵察員が『何か』を発見する前に過ぎ去ってしまうだろうから。

通常はそれを補うために複数騎を放って単騎あたりの範囲を狭める手段をとるのだが、

今回は単騎で行わせたためにそれもない。

どの道、あの偵察は『見せ札』だ。

それにしても ―――


「面倒なものですね」


蕩けるような声が告げる。

言葉自体はただ短い事務的な文面にもかかわらずどこか閨の睦言にも聞こえる、

そんな艶のある声だった。

琥珀色の酒を音に変換して耳に流し込んだならこんな気分になるのかもしれないと思うほど、

それは男を酔わせる性質がある。

こちらはメイド服姿のままの女が控えていた。


「風龍ほどの大魔力持ちなら城塞群を通り過ぎる前に察知される。

 そこから警戒されれば目的の町へ到達する頃には隠されておしまい、ですか。

 秘してこそ花とは言いますが。

 

 かと言って察知されないような小物では根本的に速度と航続距離が足りない。

 迎撃を受けなかったのは高速の風龍に追いつける手駒の準備ができなかったか、

 手の内を明かしたくなかったか。

 どちらもありえますわ」


「後者だろうな。 単騎の偵察だから迎撃を上げなかっただけだ。

 ジルス・ラウ王国がボルダールに展開した航空騎兵は健在だ……これもまた面倒なことに」

 

男は言葉通り心底面倒くさいと言わんばかりの表情で答えた。

ただメイドの方はそれが表面上だけのことと知っている。

口ではそう言いながらも男の中では早くもそのあしらい方を考えているのだろう。


「城塞群を抜かない限り、後方の拠点を攻撃するには航空騎兵で空からが定石ですから、

 相手が空に対して備えるのも当然ですか」


失礼します、と告げてメイドが正面に腰を下ろす。

そして差し出されたのはまた別の紙の束。


「予想される航空騎兵数200騎。

 うち飛竜50騎、残りはペガサス、グリフォン等の魔獣兵ですか。

 確かにちょっとしたものではあります」


そうだな、と応じつつ男は渡されたものにも目を通していく。

その視線の流れて行く様は中々に早い。

所々で視線が飛ぶのは文字を読み慣れている者に特有の

要点のみを絞って読み取っていく方法のためだ。


「しかもライン城塞群の拠点市街の中ではこれでも脆弱な方ときてる」


「ジルス・ラウ王国自体は小国ですが、ネイシス神聖同盟の一部です。

 兵数だけならかなりのものですよ」


「それでもラシイスカ帝国の技術バカどもが心血を注いだハリネズミ要塞に突撃するよりはマシだ」


人類側の主要国家のひとつを上げながら資料を指し示す。

紙面にびっしりと羅列された単語と数字。

単語の意味を理解できずともわかるのは、それがたった一つの砦に据えられている兵器の数だということ。

その中には魔術によって誘導性能を与えられた対空バリスタも含まれていることは想像に難くない。

いかに風龍とはいえ魔術で強化され、風の結界を纏うことで更なる高速性能を獲得した

バリスタの矢よりも速いわけではなかった。

しかもそれが簡易的とはいえ誘導性能を与えられているとすればなおさら。


「ではノルト北部連合は?」


「それこそ無意味だ。 奴らは農奴を使っていくらでも兵を補充できる。

 命なんぞ一山いくらのバーゲンを国中で開催してるようなものだぞ。

 削りきる前にこちらがバテる」


つまりは消去法。

男が言っているのはそういうことだ。


「バーゲンの意味は分かりかねますが、理解いたしました」


「よろしい」


20歳ほどにしか見えない若々しい容姿に反する態度で男は答える。

それは教師が出来の良い生徒にするように。


「ではもう一つ課題だ。 我々がなぜ危険を冒してまで自分の耳目で確認しに行ったのか」


「他に確認できる者がいなかったからでは?」


「それだけでは合格点はあげられないな」


『教師』の言葉に女は一礼し、


「失礼いたしました。 あの時点で『誰が勇者なのか』を判断できるのは他におりませんもの」


男はその言葉に頷く。


「やはりと言うべきなのだろうな。 勇者と言うのは『浮いて』いる。

 今日会えたのは運が良かった。 単純に発見できるまで居続けるつもりだったしな。

 話したことで確信も持てたし、情報も手に入った」


女は気付かれぬよう嘆息する。


――― 無茶を考える方だ。


長く居続けるということは自分達の『正体』が知れる確率がそれだけ高まるということだ。

そして彼が気付いたように相手もこちらの正体に気付く可能性があった。

無論のこと、この男なら二重三重の安全策を考えてのことなのだろうが、

もう少し立場を考えてもらいたい。

今回は気付かれなかったから ―――


「しかし、獣人と言うのは厄介だな。

 こちらが魔族と言うことに気付くとは」


よかった、と内心で付け加えようとしたところに男の言葉がかぶさる。


「気付かれた?」


「私が勇者へ話しかけている間、無言で牽制された。

 椅子も浅く腰かけていたし、あの場で勇者にも気付かれていたら最悪の場合、

 その場で始することも考えたが、こちらに動きがあればナイフを投擲できるような態勢にしていた」


そう言った事態にも備えて『木を隠すなら森の中』理論で混血の奴隷を

これ見よがしに連れていたのだが、

それもあまり役に立たなかったと言うことか。

格好から見て勇者と一緒に居た獣人は斥候兵。

であるならば魔族の魔力を嗅ぎ分けるのにも慣れている。


「ではなぜ何もしなかったのでしょうか?」


牽制にとどめ、かつ自分達が去るまで、否、去った後も何もしなかったのか。

もしあの後で『通報』されていたら、脱出する前に隠れ蓑にしている商会の

店舗が兵に囲まれていたはずだ。


「それこそ単純な話だ。 あの獣人の娘にはそれをするメリットがない」


「メリット、ですか」


「忘れるな。 利害関係と言うのは重要だ。

 それが金銭であれ、名誉であれ、義務感を満足させるためでもいい。

 最後のを奴らが気に入るように正義の心のためと言い換えてやっても構わない。

 とにかく利害によって動く。 これは人間だろうと魔族だろうと変わらない」


その意見には同意する。

結局のところ行動を起こすには動機が必要で、それは突き詰めていけば

「やりたいから」に収れんする。

やりたいことをやるというのはそれだけでメリットだし、

不愉快だと感じることをやりたがる奴はいないが、それを上回る利点があればやる。

今回に限ってはそれがないと確信している。


「町中で魔族を見ましたって言って信じると思うか?」


「よくて半信半疑でしょうか。 『壁の向こう』 ――― 彼らからすれば『壁のこちら』側は

 安心と思っている連中ですから。

 それでも信じた場合は……ああ、そういうことですか」


「そうだ。 言い分を信じて発見されたとする。 安心のはずの壁のこちらに入り込んだ魔族。

 防壁は破られていない。 監視の落ち度か、誰かが手引きしたか」


「落ち度、とは考えないでしょうね」


認めるように男が頷く。

どうしようもなく都合の悪い事実に直面した時、人は自己防衛に走る。

今回のように『絶対だと思っていたライン城塞群を魔族に抜けられた』などという事実があれば特に。

それ自体は自己保存の本能に根ざすものであり良い悪いという問題ではないが、過ぎれば毒だ。


「落ち度でなければ手引きだ。

 さすがに訴え出た奴を犯人とはしないだろうが」


「他の獣人を疑う、ですか。

 まったく度し難いですね、人間とは」


「私も『元』はそうだった」


「 ――― 失礼いたしました」


「まあ、いいさ。 あの勇者が連れているのが獣人以外なら話しかけなどしなかった。

 獣人だからこそバレても問題なかった。 そういうことだ」


もちろん、彼の予想を裏切り獣人が訴える可能性はあったし、一歩間違えればその場で戦闘になってもおかしくなかった。

他にも勇者の方に気付かれる危険もあったはずだ。

だが、それらの危険性を考慮してなお許容すべきと判断したのだろう。

つまりそれだけ新しい勇者に関する情報の入手に関して重要視していたということ。


「それで、話した結果はいかがだったのですか?」


「知れた情報は多くない。

 名前からして同郷。 年齢は20歳前後。 性別は男。

 勇者見習いと言ったことから、訓練中。 実戦はまだだろうな。

 武器の使用経験もないか、少ない。 新しい勇者が来てから1年だ。

 実戦で使いものにするにはまだかかるだろうな」


「召喚前から武器の使用法を学んでいる可能性は?」


「……ないとは言い切れない。 が、気にするほどではない」


その指摘に、少しだけ考えたが、すぐに否定した。


武器の扱い方を知っているかは勇者が召喚される時代によりけりだとしか言えないが、

あの新米勇者が実戦で即戦える程度に武器を扱えるかと言えば、それはない。


自分もこちらの世界に来て10年以上たち、その間に様々な勇者を見る機会があったが、すべて自分と同じ時代からの召喚だった。

こちらとあちらの世界が同じ時間の流れに在るかはさておき、

今回の勇者もほぼ同じ時代からのそれと仮定すると、

こちらの武器の扱いを知っている可能性はほとんどない。

召喚前の世界で武器と言えば歩兵が持つもので主流は銃。

武器を使う職業(例えば自衛官)だったとしても前装式滑腔銃(いわゆるマスケット銃)すらない

世界ではその経験はほとんど生かせないだろう。

武器の扱い云々に関してはほとんど心配する必要はない。


他にはかつての彼がそうだったように、趣味とかそういう域内で剣術を学んでいることも考えられるが、

この世界で刀はメジャーな武器ではないのでハードルが高い。

ひどく手間のかかる代物である鍛造式の刀剣は高級品であり、一般的に出回っているのは溶かした鉄を型に流し込んで鋳込む鋳造式だった。

鍛造式に比較して切れ味や耐久力は劣るが、何より数を稼げる。

性能がそこそこで量産できるというのは重要なことだ。

兵が持つ剣や一般のAGが使用するのも鋳造式だった。

それはすなわち、教える側も鋳造式で厚い刃を持ち文字通り叩き斬る使い方をする

両刃剣の使い方を教えるということ。

なぜなら刀なんてドマイナーな武器の使い方なんて誰も知らないから。

自分の時にはなまじ刀の扱いに慣れていたものだから剣に馴染めず、結局は刀の調達から

実戦での扱い方までやたら苦労した経験がある。

運良くドワーフ族の武器サンプルの中に東方から輸入された刀が含まれていたから

よかったようなものだ。


つまり、前の世界での武器の扱いの経験などほとんど役立たない。

こちらの世界にないか、武器があったとしても実戦で使えるレベルには程遠い。

まったくの素人よりはマシ、そういうレベルだ。

何より勇者にとって重要なことは、別にある。


「問題は新しい勇者の紋章機に関する情報だな」


「申し訳ありません。 そちらは未だ探れていません」


「いや、戦場に出るまでは極力秘匿するだろうからな。

 知っているのは紋章機に埋め込む神霊玉を作った教会の連中か ―――

さもなくば専属の整備士くらいだ」


勇者が使う紋章機の能力。

その源になるのが神霊玉と呼ばれる水晶だった。

浮かび上がる紋章が魔術を行使することを可能としていると言われてる。

その魔術は勇者によって固有であり、中には同じ能力もあるようだが、似ているようで本質は違うとか、

原理は違うが発現する魔術の効果は同じというものもあったりして中々にバリエーションに富んでいる。


言うまでもなく最重要の機密事項であり、情報保全の考え方のないこの世界でも

よく秘匿されている数少ない事例。

どちらの線から探るにしてもまずは『誰がそれを作り』『誰が担当しているのか』から

探らねばならない。

教会は駄目だ。 紋章機の神霊玉はすべてボルダールの街より遥か西方の神聖同盟の

総本山たる宗教国家<オルコス>で製造されている。

気質は排他的で、教徒であってもその国に入るには厳重な審査がある。

侵入しようにも術式による防衛も多重に施された城壁を破るのは至難の業。

故に同盟国でさえ神霊玉の製造法は知らない。 製造場所の正確な位置も、

材料は何を使っているのかさえも知らない。

なぜ勇者によって与えられる能力が違うのか、なぜ扱える魔術は強力ながら1つしかないのか。

浮かび上がる紋章の意味は?


そもそも ――― 紋章機とは何だ?


まさに完全なブラックボックス。

それでも魔族に対抗できる手段として紋章機は絶対必須。

領地だけ見れば都市国家でしかないオルコスが ――― ひいては教会勢力が

人類の領域で莫大な影響力を行使できるのはそのためだ。

それだけにその秘密はあらゆる手段を用いて隠そうとするはずだ。


あとは実戦で使っているところを見るか、整備の担当から探るしかない。

当然前者の手段には『見た上で無事に帰ってこれるか』というリスクが付きまとう。

味方ならともかく、彼らはそれを向けられる側なのだから。


そうなると消去法的に現場で働いている整備士の方から探ることになる。

だが、ボルダールに配備されているAGは100機以上。

1機につき5名程度の整備士が必要になるが、ローテーションで整備をこなすので

整備士は約300人と言ったところか。

紋章機は魔術を行使する関係で通常のAGとはまた違った整備が必要になるため、

専門の技術者が付く。

仮に整備士を一堂に集めたとしてもその中の1人か2人を特定するというのはやはり困難だ。

今回彼らがやったように地道に酒場や食堂あたりで聞き耳を立てるしかない。

地道に時間をかけることになるだろう。


「だが……かけられる時間は長くないな」


ようやく書類の束から顔を上げて男が言う。


「1年以内にあの勇者も実戦へ駆り出される。

 当然だな。 今やボルダールが支えるべき城塞に残っている勇者は1人だけだ。

 他の要塞から勇者を借り受けるのも論外。 自国の無能を大声で宣伝するようなものだ。

 同盟内での発言権の低下を嫌ってそれはない」


「例えその結果、軍事的な危機を招くとしても?」


「政治だ。 すべては政治が決定する」


人間達も一枚岩ではない。

大きく分けても勢力は3つ。

『教会』を中心とした結びつきのネイシス神聖同盟。

通商条約から発展した強い経済の結びつきによってまとまったノルト北部連合。

軍事力を背景に小国を取り込んで膨張したラシイスカ帝国。

それぞれの思惑が絡まり合い、時に協調しながらも時には対立する。

そして各勢力の中に組み込まれている国家、派閥まで考慮すればきりがない。

それらの思惑の入り混じる混沌をまとめて鍋で煮込んで、

妥協と譲歩で味を調えたものを俗に『政治』と言う。

時に『現実』という名のメインディッシュに添えられて出されることでよく知られているが、

過ぎればメインを台無しにしてしまうのはどんなものでも変わらない。

今のところは添えモノがやや濃いめで済んでいるが、

今後の調理次第でどう転ぶかはまだ知れなかった。

それに ―――


「政治がすべてを決定すると言う点では私たちも変わりありませんわ」


「軍事がすべてに優先するよりはよほどマシだ」


「まあ! 軍事を統べる方の発言とは思えませんわ」


女はことさら驚いたように言う。

その演技に ――― 本気でそう言うような女ならここまで付き合うこと無く放り出している ―――

男は埃でも払うかのような仕草で軽く手を振って応じる。


「戦場の栄光こそが人生の輝ける全てだと思っている連中ならば同意するだろうな。

 荘厳なる凱歌に送り出されて流血の舞台でただ勇気を示す。 それもいいかもしれない。

 敵は悪であり続け、それを打ち倒す自らの正義は神の御名の下に保証される。

 素晴らしき聖戦……いや、まったくもって幸福という他はない」


「人間は、死、悲惨、無知を癒すことができなかったので、

 自己を幸福にするためにそれらを敢えて考えないように工夫した。

 そう言うことなのでしょうか」


「さて? 生憎と自分さえ理解しきれたとはいえないのに、

 人間すべてを理解したと大言を吐けるほど傲慢にはなれないな。

 さて、無駄話はここまでだ」


その言葉が終えるとほぼ同時、扉を叩く音がする。

偶然ではない。

ノックした者が2人の会話に聞き耳を立てていたわけでもない。

単純に男の方が近づいてくる足音に気付いて会話を切っただけ。

言ってしまえばそれだけのことなのだが、この男の本質を僅かながらでも示している。

会話をしながら資料の中身も把握し、それでいながら周囲への警戒も疎かにはしない。

例えそれが自分の手配した船と言うある種の閉鎖空間であっても。


さすがの用心深さと称えるべきか、神経質に過ぎると呆れるべきか。

入室を許可しながらも椅子を引き、背もたれに預けていた体重を戻してもいる。

つまりノックをしながら入り込んでくるのが賊かもしれないと考えている証左だった。

ここまで来ると病的と言うしかないが、実際に彼はいつその手の刺客を

送られてもおかしくない立場なので

用心しすぎて過ぎるということはないのだろう。


「 ――― 、 ――― 」


新たには部屋に来た水夫が男と何かを話している。

それを視界の隅に納めながら女はいつもの位置へ ――― 部屋の片隅へ戻る。

黙して語らず、必要とされるときだけ動く道具へと戻る。

ノックがあった時点ですぐに椅子から立ち上がってはいたから、

その動作はごく自然のものとして水夫には映ったはずだ。

表情も自然と緩んでいたものを人形のごとき無表情へ変更済み。


……お楽しみの時間は終わりということですか。


先刻までのやり取りは色気も何もあったものではないが、それでも女にとっては満足な時間だった。

水夫に対しても過剰な警戒を示した男は、それでいながら彼女の前ではまるで警戒する

そぶりすら見せなかった。

長い付き合いだからと言えばそれまでなのだが、

そんなところが心の柔らかいところをくすぐるのだ。


無論、態度には出さない。

男の商人の風体は似合わない変装 ――― いっそ仮装でもいい ――― は一時のものだが、

彼女のメイドの装いは日常のもの。

主人と従者という関係は崩せない。

特に他者の前では絶対に。


それが主人である男との間に『秘め事』を持つにあたって定められた守るべきルール。


時折水夫の視線がこちらに向けられるのも気にしない。

漏れ聞こえる男たちの会話の欠片からあまり上品とはいえない話題のようだった。

自分の容姿が異性に対してどのような効果をもたらすのか熟知している。

単純に美人だとか可憐だとかを思わせるのではなく、理性を飛び越えて本能の中枢を刺激する。

心を温めるより先に体を熱くするような。

それが自分の『性質』なのだと理解はしている。

それですべてに納得できるかは別としても。


「 ――― 、わかった。 では上甲板へ上がる」


水夫との話は終わったようだ。

男の視線がこちらへ向く。


「聞いての通りだ。 出るぞ」


「はい、主様」


実のところ最後にこちらへ向けられた言葉以外はまったく聞いていなかった ―――

内容が自分に関する野卑なこと

(具合だとか、使いこんでるだのと聞こえてきた)なので意図的に聞き流していた ――― のだが、

そんな事はおくびにも出さずに主人へ応じた。


「ああ、それから」


「はい」


いつも簡潔な命令を心がけている主人にしては珍しく二言目があった。

少々意外に思いながらも応じる女に、先程までと同じ態度で男も告げる。


「帰還の祝杯だ。 酒は任せる。

 グラスは ――― そうだな、付き合え。

 月見酒と洒落こむのも悪くない」



○ ● ○ ● ○ ●



上甲板は明るかった。

と言っても太陽はまだ昇っていない。

光源となっているのは雪や花と並び美しいものと呼ばれる天体。

かつて男が生まれた世界では1つしかなかったそれが今は2つ、夜天に捧げられている。


1つはかつての故郷にあったのと同じくらいの大きさであるが、その色はやや青白い。

もう1つは蒼い月より二回りほど大きく、色は緑が掛っている。

それぞれ蒼月そうげつ碧月へきげつと呼ばれていた。

天文を研究している者(いわゆる天文学者ではなく、占星術士たち)によれば、

2つの月の大きさは見た目は同じだが、それは遠近による差であって実際は

かなり大きさが違うらしい。

それが相互に影響を及ぼしながらこの星の周囲を回っているとのことだ。

公転周期はそれぞれ違うらしく、今日のように2つの月が共に満ちていることはおよそ2ヵ月に1回。

昼間のようにとまでは流石にいかないが、それでも夜目の利く者達からすれば十分だった。


潮風を受けて大きく膨らんだ帆を操る水夫たち。

マストの上では見張り員達が文字通りの意味で周囲に『目を光らせて』いた。

夜間見張り員は猫や狼などの獣人で構成されている。

光る目はあの月と同じように周囲の光を反射する特殊な層を目に備えているためだ。

一度網膜を透過した光をこの特殊層で反射し、網膜で再度感知する。

人族などに比較して夜目が利くのはそのためであり、目が光っているように見えるのは反射された光の内、

網膜でキャッチされなかった『余り』が外へ漏れだしているため。


マストと言う高所に配置されるのは遠くを見るため。

普段の生活では意識することは少ないが、この星は球体である。

物が見えるということは『光を網膜で捉える』ということだが、光は基本的に直進する性質があった。(大気密度の差による屈折等もあるのであくまで基本的に)

つまり球体の影になってしまう部分は見えない。

これは言いかえれば『水平線の向こうは見えない』ということになる。


当たり前と言えば当たり前ながら重要。

では見通しの障害となる地形や建物のない洋上で、なるべく早期に島や船を発見するには

どうしたらよいかと言うことになるのだが、

これも単純に『なるべく水平線を遠くにとること』だ。

その手段としての回答が『視点を高い所に置く』となるのだが、


これは球体の上での水平線を求める式は三平方の定理(ピタゴラスの定理)によって


(R+H)^2=X^2+R^2

*R:球体の半径 H:観測者の視線の高さ X:水平線の距離


これを変形して


X=√(2RH+H^2)


このような公式で求められることによる。


この時点で頭が痛くなっていたら申し訳ないが、球体の半径Rは惑星の半径なので固定値とすると、

Hの値を大きくすればXの値も大きくなる ――― つまり視点の位置を高くすれば

見通し距離が長くなることだけ理解できればいい。

実際は大気による光の屈折で値も理論値から変化するが、地球では大雑把に言って海抜0mから1.6m程度の視点では4.5kmと意外に水平線は近い。

同じ人物を海抜20mの高さまでおけば水平線はおよそ16.6km。

高度の重要性がわかる。

発見できるかとうことはその時の気象条件や見張り員の能力にもよるが、

その様な理由から目は高い位置に置くのが基本だ。


そしてマストよりさらに上には前述の理由からさらなる高度を稼ぐ手段を持った見張りがあった。

報告をもたらしたのは猫の獣人たちではなく、そちらのもう一方だったらしい。


「空中見張り員より伝達。 方位1-3-0-0、距離10000に味方船舶。

 識別符号を確認しました」


いかにも海の男という風体の船長が報告する。

がっしりとした体格で、アイパッチでもつければ海賊で通用しそうだ。


「ありがとう、船長。 向こうはなんと?」


「定型の挨拶文を除けば『先導する。 行先は州都アーカム』以上です」


「了解した。 予定通りということだな。

 うん、よろしい。 見張り員達にはあとで夜明けに酒でも振る舞ってやってくれ。

 もちろん、支払いは私につけて」


「見張り全員にですか?」


「そうだな。 空の連中だけでは不満が出る。 見張り員達の労苦に差異はない。

 差をつけるとすれば、発見した連中には肴でも追加してやればいい」


「それは、ありがたく」


男の言葉は船長を介し、更に見張り長を介して上の見張り員達に伝えられた。

間もなくして歓喜の声が降ってくる。

娯楽の少ない船内では食事は重要な楽しみである。

それがぼそぼそしたビスケットと湯で薄めないと塩辛くて食えたものではない干し肉だとしても。

そこに1品と酒が ――― しかも彼らが通常口にするであろうぬるい麦酒ではなく、

もっと上等なワインに変わるとなればなおさら。

船長が見張り員達に特別な高級酒を振る舞うであろうこと、

そしてそれは名目の階級だけならこの船で船長をも

しのぐ最上位にある男のために用意されたものであろうことを確信していた。


男は本来自分のために用意された酒を勝手に見張り員達に振る舞うであろう船長を咎める気はない。

『支払いをつけろ』と言ったのはそれを遠回りに許可するためだ。

自分が酒を振る舞えば見張り員達は男には感謝する。

だが、そこに加えて船長が(建前的には)こっそりと上等な酒をがめてきたなら、

感謝はさらに船長へも向かう。

その時は船長も仕事に支障がないようわずかばかりに口をつけるだろう。

そうすることで自分も『共犯』となり、露見しても最上位の自分の責任だと示し、

部下たちは気兼ねなく高級酒を味わえる。

ろくに飲みもしないのに積まれている酒で船員たちのやる気と感謝・敬意を得られるのなら悪くない。

しかもそれを自分へも向けさせるあたり、この船長もしたたかだ。

それくらいでないとやっていけないのかもしれないが。


ちょうど見張りの交代にやってきたのであろう水夫が男と船長を見ると素早く敬礼していく。

返礼しつつ、水夫の喜びを隠しきれない様子に苦笑を浮かべた。

その水夫は見張りのマストへ登る縄梯子ではなく、船の縁へよじ登ると空中へ身を躍らせる。

別に自殺志願でもなければ気が触れたとかそういう理由でもない。

第一に海面へ飛び込んだならするはずの水音がない。

その理由はすぐに知れる。


月の光をさえぎるような影が船上をよぎった。

羽ばたきの音はほとんど聞こえないが、先程の水夫が『飛んでいる』のだった。

その姿は人間で言うところの腕から横腹のあたりまで皮膚を広げたような膜がある異形。

その膜を支えているのは2本の細長い指と腕の骨が一部変形したもの。

耳がやたらと大きく頭頂付近から突き出しており、形状はネズミのそれに近い。

反面に目は前髪で隠れてほとんど露出していないはずだ。

それもそのはずで、彼らの種族はほとんど視力に頼らず外部の情報を得ている。

その手段は『音』と『魔術』。


耳と喉が人間種とはまた異なった構造をしており、

人間の可聴音域外の音も聞けるし発することもできる。

その音とは空気の振動という波であり、その反射波を聞き分けることで周囲の状況を知る。


ただし、これでわかるのは対象の距離や形状のみであって、色などの情報はない。

そこで彼らは種族特有の魔術を行使し、音波を詠唱として一緒に魔術波を発している。

彼らの耳は音の他に魔術波も捉え、そこから色覚や触覚の情報も得ることができるという。

この能力は特に光学観測手段が使えない夜間・暗所や死角の多い閉鎖空間で極めて有利である。


単純に『何かがある』『何かが居る』ことが分かればいい場合は探査精度を落として

距離を稼ぐことができる。

海上での見張りの場合はそれこそ『何かが居る』ことさえ分かればいいので

マジックアイテムによる増幅を含めて相当の距離を見張ることができた。

『何かがある』ことさえ知れれば船なのか島なのかは海図で確認して島でなければ船と判断する。

必要であれば飛べる連中に一走り ――― もとい一飛びしてもらって目視確認すればよい。


そんな便利能力を備えた彼らの種族名はワーバットという、コウモリの特徴を備えた獣人だ。

初めて見たときは「リアル・バットマンか」と思ったものだ。

空を飛ぶことで水平線を遠くに取れることはマストによじ登らせるより有利だったが、

足場があるなしでの疲労度が違うため、交代頻度を増やす必要があり併用しているのが現状だ。

ちなみに夜間は彼らの独壇場だが、昼間は視力が弱く、強い光に晒されることを苦手とする

種族単位でシャイな連中である。

なので昼間は腕が鳥の翼になっているハーピーなどの鳥の獣人が見張りを務める。

逆に夜間は鳥目で飛べないハーピーに換わってワーバットが飛ぶ。

これらの種族を空中見張り員として活用していた。


「では艦長。 後は任せる。

 私は船尾で酒でもやらせてもらうよ」


「お任せください、閣下」


そう応じる船長も人間ではない。

首筋にスリットがあり、耳の位置には魚のヒレにも似た器官が備わり、手足には鱗。

二足歩行する魚という風体の半漁人というやつだ。

動き回る水夫も背が異常に低くて寸詰まりなドワーフ、あちらで支柱に体を巻きつけて

帆を引っ張っているのは蛇の下半身を持つラミア族。

樽を2、3個抱えているオーガなどなど。 幽霊船ならぬ怪物船という様相だ。

味方の船舶と合流し、敵の領域内を抜けたことで船員たちは『人間のふり』を止めて

本来の姿を取り戻していた。

この船に純粋な人間はいない。

魔族といわれる異形たちと『商品』として運ばれる半分だけ人間の者たち。

そして1人のかつて人間だったモノ。


雑踏をすり抜けながら船尾へ向かうと、メイドが既にささやかな酒宴の準備を整えていた。

本当に大したものではない。

椅子も机も何の飾り気もない金属製だし、テーブルクロスさえ用意されていない。

(可燃物を少しでも減らす配慮から積んでいない)

肴は日持ちするものということで乾燥肉かチーズ。あとはクラッカー。

肝心の酒は ―――


「完全に自分の好みで選んだな」


「任せるとの仰せでしたので」


高級酒ではあるが、甘口の白ワインだった。

彼の好みからは外れている。

そしてメイドの好みにはぴったりと当てはまる。


「まあ、いいさ。 酒は酒だ」


そう言いながらチーズをかじり、酒を一口。

やはり甘い。 まるで菓子だ。

アルコールも強くない。


「甘いぞ」


「そうですね。 辛かったらラベル詐欺になってしまいます」


ふー、とアルコールを含んだと息を吐き出す。


「任せると言った手前、文句も言えないが……」


「取り替えますか?」


「面倒だからいらん。 酒の肴だけでいい。

 あと、一度開けたからには選んだ責任を持ってお前が飲め」


「ではそのように」


ああ、まったくもって有能な奴めとメイドに毒づく。

嫌味ではない。

本当にそう思っている。

ほとんど何も言わずともこちらの意図をくんできた。


まず船室で見張りからの報告を受けた時点で船長に対して水夫たちに酒を振る舞うよう

告げることは決めていた。

そして船長が高級酒をこっそり抜き取るであろうことも予想した。

酒を持って月見酒をすると言ったのは船室へ戻らない理由を作るため。

船長が酒蔵から酒を抜き取り、船員たちがこっそりと酒宴を開くのを邪魔しないように、

あえて『船内の出来事に気付けない場所』に留まることにした。

うっかり見つけてしまったら、立場上咎めないわけにはいかないからだ。

酒の選びを任せたのメイドに任せたのも『自分は管理してないから少しくらい

無くなってても気付かない』というポーズを作るため。


そして彼の好みではない酒をあえて選ばせるため。

そもそも常在戦場を心掛けているために、船上で酒を飲むつもりがないし、

その事はメイドも承知している。

何も敵は分かりやすいものばかりとは限らないからだ。

味方であるはずの連中に殺されかかるなどそう何度もしたい経験でもなし。


しかし月見酒を理由にした手前、酒を用意しないわけにはいかない。

好みの酒ではないのなら飲まない理由ができる。

付き合えと言ったのは遠まわしに『お前が飲むものを持って来い』ということだ。

メイドへの労いでもある。


この世界には身分制度というものがあり、それは彼からすればかなりナンセンスな部分もあったが、

気に入らないならまったく無視すればよいというものでもない。

なぜならそれは社会構造に組み込まれており、彼の立場で無視することは少なからず

社会的影響があるからだ。

これは単純に良い悪いという話ではない。

なので人目がある場合はそれなりに配慮している。

面倒ではあるが。


今回の酒の件にしても酒が無くなったことが後から発覚しても

『誰が盗んだかわからない』ことになるだろう。

そうなると処罰対象は管理していたメイドになる。

管理不行き届きの罰を与えることになるとしても、裁量権は主人である彼にある。

つまり、罰はどうにでもできる。

外部の雇われである船長以下、この船の者たちにはなんら影響はない。

そういうことだった。

メイドはその意図をくみ、かつ処罰されるにしても彼が責任を押し付ける真似はしないとして乗った。

有能と評したのはそういうことだ。


「……主様、何でしょうか。 先程からこちらを見たまま固まって」


ワイングラスを傾けながらメイドが言う。

主人の前で酒を飲むのも『罰として責任を持って飲まねばならない』から非礼には当たらない。

そこではっと気付いたように


「もしや月光に当てられてムラムラですか。

 私の肢体にのしかかって、組み伏せて欲望の赴くままにむさぼりますか?

 獣のようにいきり立つものを押し込んで、情愛のほとばしりを注ぎこんでみますか?

 それなら先にベットメイキングをしてきますが。

 おや、いかがなさいました。

 『ないわー、ひくわ―』みたいなお顔ですが」


「……もっと情緒のある表現をしろ。

 言いたいのはこれだけだ」


「サキュバスに何を求めていらっしゃるので?」


そう言うメイドの背にはコウモリのような羽が伸びている。

ヘッドドレスとまとめた髪でうまく隠しているが、頭部には黒い角もあるはずだ。

コウモリの羽だけなら吸血鬼も備えていたりするが、角があるので吸血鬼ではない。

それに吸血鬼は血を吸うために獲物の皮膚を破り、そこから血管内へ麻痺毒を流し込む牙がある。

このメイドの種族であるサキュバスにはそう言った獲物をとらえるための武器はない。


かわりにあるのは自らの肢体を武器とすること。

毒や怪力で狩る方法ではなく、獲物が自ら望んでやってくるような魅惑の能力。

獲物を敵とするのではなく味方として誘い込み、時に自分を守らせることさえする。

種族としては強力とは言い難い彼女らの確立した安全な狩りの方法というわけだ。

ただ、それを他がどう思うかは別としても。


「ミレイユ」


「 ――― はい。なんでございましょう我が主様」


サンドリオンと名乗る主は船に乗り込んで初めて彼女の名を呼んだ。


「私が求めることはただ一つだ。 お前の種族は関係ない。

 『役に立て』。 それだけだ」


立ち上がり、メイドは一礼する。

スカートの端を軽くつまみ、あくまで優雅に。

月光の下、金髪を揺らし、蒼い目を細めて。


「承知いたしました、主様。

 どうぞ御随意のままに」


一礼の間にある種の儀式を終えた主従は再び同じ席に着いた。

再びメイドはグラスを傾け、男は塩気の過ぎるツマミに手を伸ばす。

しばしの時間が流れ ―――


「考えたらほとんど月見てませんよね。

 月見酒なのに」


「こっちは酒も飲んでいない」


そうですね、とメイドは応じて視線を上げた。

その視線の先には異なる2つの白色光をたたえる無慈悲な夜の女王。


――― 月が綺麗ですね


囁くように、詠うように女が告げる。


「風流に言ってみましたが」


男からの返答はない。

ただ、「変なことを教えるんじゃなかった」と呻くにとどめた。


船が目的地へ到着したのはそれから更に3回月を見上げる夜を過ごして後。

魔族による大規模侵攻のちょうど半年前のことだった。



くろまくーの回。

しばらく魔族サイドの話になります。


メイドさんはエロくてクールであるべき(キリッ)

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