表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/28

8話 カラフルモエナのボーイフレンド





ケンサクは帰るとすぐに習ってる剣道の準備をして出て行った。


子供も大変だね。

私たちみたいにひなたぼっこする暇もないんだね。


今日はパパさんも早く帰って来る日。

多分、モエナがもうすぐ帰って来る。


ケンサクがおやつ食べなかったから、オコボレが無かった。

モエナを待つしかない。


「モエナまだかな……」


ホーは待ちきれない様子だし。


ママは最近、モエナが嘘を付くようになったって少し怒ってるけど、私とホーは知ってる。


この家、みんな嘘ついてる。


人間って嘘つかなきゃ平和に暮らせないんだよね。

みんながみんな正直に話してたら、それこそ滅茶苦茶になっちゃうしさ。


私とホーだって嘘つくしね。


この前も私がかじった私たちのご飯の袋。

それ見てママが怒ってさ。

私は最後まで私じゃないって顔してたら、


「こんな事するのはホーでしょ」


ってホー捕まえてお尻叩いてたし。

あれ、まだ謝って無かったな。


ホー、ごめんね。


「ただいまー」


玄関でモエナの声がした。


「あ、モエナだ」


ホーは走って玄関に。


慌てちゃダメだよ。

フローリングは滑るし、腰に悪いよ。


モエナはカバンをその辺に放り出して、キッチンに立つママに、


「ただいま。お腹すいたよ」


って声をかけて冷蔵庫開けてた。


「もう、何にもないじゃんか……」


モエナはブツブツ言いながらテーブルの上にあったリンゴを取って、リビングのソファに座った。


「今日はパパ早いから、ご飯してるから」


ってママは振り向きもせずに言ってた。


「リンゴじゃオコボレないじゃんか……」


ホーは文句言いながらも、モエナの足元でクンクン言ってる。


私もとりあえず移動。


モエナ……パンツ見えてるよ。

やっぱり、まだガキね。

ママのような色気はまったくない。


「先に着替えなさいよ。ちょっと買い物行って来るから。ジャガイモが全部芽が出てて、使えないのよ」


ママはそう言って玄関へパタパタとスリッパの音立てて歩いて行った。


「はあい。なんかお菓子買って来てよ」


「いつものでいいの」


「うん。何でもいい。お腹膨れれば」


ママの返事は聞こえなかった。


自転車が勢い良く走り出していった。


「いつものだってー。アレ好きなのよね」


ホーは嬉しそうに先の白い尻尾を振ってた。


「あれもジャガイモでしょ……」


私はちょっとジャガイモが苦手。

胸やけしちゃうのよね。

それとジャガイモの毒。

ソラニンがねー。

苦いのよね。

人間にはわからないらしいけどね……。


ママが出て行ったのをリビングの窓から確認して、モエナは携帯を取り出した。


実はいつもこう。


ママが居ないのを見計らって、モエナはボーイフレンドに電話。

そういう意味では年頃なんだね。


「あ、アタシ。うん。ママ買い物行ったからちょっとだけ」


ソファの上で膝立ててパンツ丸見えでボーイフレンドに電話。

そんな格好ボーイフレンドに見られたら嫌われるよ。

いや……逆に好きかな……。


「えーやだよ。何言ってんの。今……アタシと犬だけ」


モエナも嬉しそうな顔するな……。

こんな顔、家族だけじゃ絶対見せないよね……。


「今日さ、マリナがさー、三組のほら、なんだっけ、ちょっと不良のー」


そんな話学校ですればいいのにって話。

毎回そうなんだけど、それが嬉しいんだろうね。

へんなお年頃だね……。


「ねえ、ママもそうだけどさ、モエナの相手ってどんなのだろう」


ホーは小声で私に聞いて来た。


「しらないわ。興味もないし。ママの相手は興味あるけどね」


「パパさんの相手は」


「そうね。興味あるけど、趣味悪いからな。パパさん」


「そうよね……」


モエナはかじり終わったリンゴをゴミ箱に放り込んだ。


そこに捨てたらまたママに怒られるよ。

生モノはキッチンのゴミ箱にーって。

しらないから……。


「そろそろママ帰って来るから切るね。うん。ジャガイモ買いに行っただけだし……」


モエナは携帯を切って、リビングの隅の棚に置いた。


「さて、着替えなきゃ……」


モエナは自分のバッグを抱えて階段を上がって行った。


モエナは要領が良い。

色々と穴だらけだけど、やるべき事はやってる感じ。

だからママも最小限のお小言で済んでる。


うーん。


モエナからもオコボレなかった。

あーお腹すいたよー。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ