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4話 パパさんのカラフルなニオイ





パパさんは毎日残業で、帰ると一人で晩御飯食べる。

今日はママのお得意のパスタかな。

トマトピューレの匂いが充満してる。

たまにママがこっそりくれるんだけど、私にはちょっと酸っぱいかもしれない。


モエナも辛そうな顔してズルズルすすってた。

好き嫌いの激しいモエナ。

こっそり嫌いなオカズをくれるのもモエナだから、私とホーにはありがたいんだけど、好き嫌い激しいからガリガリだし。


「好き嫌いしないで食べないとオッパイボインボインにならないぞー」


ってパパさんが言うと、


「パパ、それってセクハラー。そんな事言ってると会社でも嫌われるよー」


っていっちょ前な事を言ってるけど、実は私は知ってるの。

モエナが結構、小さいオッパイ気にしてる事。

コージとかっていうボーイフレンドが出来たみたいで、ママが居ない時に電話してた。

コージは大きいオッパイが好きなんだってさ。

お風呂入る前に鏡の前で自分でオッパイ揉んでたし。

そんなんで大きくなるのかな……。

毛も生えそろってないくせにさ。


おっと、話を戻さなきゃ……。


パパさんがいつもの時間に帰って来た。

自分で飲むビールを駅前のコンビニで買って帰る。


パパさんだけは玄関開けても無言でダイニングまで来て、上着脱いで、隣の椅子にかけて座る。


あれれ……。

おかしいな。


私はふと、パパさんの匂いがいつもと違う事に気付いた。


パパさんはガサガサうるさいビニール袋から缶ビールを二本出してた。


その向かいでママが不機嫌そうな顔でパパさんのパスタを温める。


ママは気付かないだろうな……このニオイ。

パパさんも頑張ってニオイ消したのかもしれないけど。

犬舐めちゃダメだよ。

私とホーにはわかっちゃうよ。


ホーがゆっくり私に寄って来る。


「ねえ……」


「うん」


「あの圭子って女のとはちがうね」


「うん」


ママとパパさん。

毎日この時間もあんまり会話ない。


パパさんも疲れてるのか、下向いて顔歪めて甘い匂いのビールを黙って飲んでる。


ママもパスタ温めてパパさんの前に出すとると、そそくさと自分の部屋に帰っていっちゃう。


もしかしたらママはパパさんが圭子って女と浮気してたの気付いてたのかもしれない。

その頃から、二人の会話も少ないし、やたらと喧嘩するし、寝室も分けちゃった。


私たちには関係ないけどね。


ケンサクだけは少し心配してたみたいだけど、今は慣れたみたいだし。


たまにホーはパパさんに絡まれてる。

ホーはパパさんのビールの匂いが大嫌いで、息吹きかけられるとくしゃみしてる。


パパさんはビール飲んで、パスタ食べたらお風呂に入ってった。

ちょっと脱衣所覗くと、パパさんはワイシャツ脱いで自分でニオイかいでた。


やっぱり少し気になってたんだね。

残業って言って浮気してるんだな。

ママとのセックス、長い事お預けじゃ浮気しちゃうか……。

男って不便な生き物ね。


「なんだよ。お前も一緒に入るか……」


パパさんは私に気付いてそう言った。


ちょっと身震いした。

そして私は聞かないふりしてリビングに戻った。


パパさんの相手。

やっぱり趣味の悪い香水の匂い。

パパさんってきっと女の趣味悪いんだわ。

ママと仲良くしとけばいいのに。


今度のパパさんの浮気相手。

どんな女なんだろう。

その日は一晩中、ホーとその話をしてた。








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