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3話 カラフルな家族





ふと気が付くと、陽も陰り始め、ちょっと寒くなってきた。

部屋を見回すと、ホーはまだソファの上で寝ていた。

毛が付くからってママが居たら絶対にソファには登らせてくれないから、居ない間しか寝れない。

結局ソファに残った毛でバレちゃうんだけどね。


玄関のドアが荒々しく開けられる。


ケンサクが帰って来たみたい。


「ただいまー」


誰も居ないんだけど、大声でケンサクは言う。

ホーもそれに気付いて、体を起こし、背伸びしている。

私も顔だけリビングのドアの方へ向けた。


「あれ……ママ、居ないのー」


ケンサクは背負ったランドセルをカチャカチャ鳴らしながらリビングのドアを開けた。


臭い靴下を先に脱いでよ。

そう思ってたら、ケンサクはリビングのドアのところで今日は靴下を脱いでた。

私はホッとした。多分ホーも同じ。


リビングの隅に傷だらけのランドセルを放り出す様に置いて、ケンサクは冷蔵庫を開けた。

紙パックのオレンジジュースをグラスに注いで、スナック菓子を持ってリビングのソファにドカッと座る。

その振動でホーもソファから飛び降りた。


スナック菓子をつまんだ脂だらけの手でテレビのリモコンを押した。


たまにリモコンをホーが舐めてる。

それはこのケンサクが触った後を舐めてるんだとわかった。


「ママ、何処行ったんだろう。お前知ってる……」


ケンサクは私の顔を覗き込んで言う。


知ってるけど、教えてもわかんないでしょ……。


私はそんな顔でケンサクを見てた。


ケンサクもそう言うけど、そんなにママの行き先を気にしてる訳じゃない。

それも私にはわかる。

だってママが居ないと自由にお菓子食べてジュース飲んで、テレビ見れるし宿題後回しでいいし。


「このままママ帰って来なきゃ塾行かなくていいのになー」


とうとう言っちゃった。


心配しないでいいよ。

塾の時間までには必ずママは帰って来るしね。


ケンサクがポロポロこぼしたスナック菓子の屑を狙って、ホーはケンサクの足元をうろちょろ。


臭いのにね。

足。


外で車の音がした。


ママだ。

思ったより遅かったかも……。


ママは家の前に車を着けて車庫入れを始める。

その頃にケンサクはようやく気付く。


「ちぇ……帰って来ちゃった」


ケンサクは吐き捨てる様に言うとジュースを飲み干して、グラスをキッチンへ持って行った。


帰って来なきゃ泣くくせにね。


ママは車を停めて、ご機嫌な様子で車から降りて来た。

流行りの歌の鼻歌なんか歌っちゃってさ。

今日もママの彼氏に感謝しなきゃね。


玄関のカギが開いて、ママの声がした。


「ただいま」


「おかえりー」


ケンサクはリビングの隅に置いたランドセルを抱えながら言う。


帰ったらランドセルは部屋に持って行かないとママは怒る。


ケンサクはそのまま階段を駆け上り、自分の部屋に入って行った。


「ケン。今日塾でしょ。準備出来てるの」


ママはそう言いながらこっちへ向かって歩いてきた。


「今してるところ」


ケンサクの声が二階から聞こえる。


調子良いヤツ。

今までお菓子食べてたくせに。


ママはダイニングテーブルに自分のバッグ置いてリビングに入って来た。


いつもの匂いだ……。

どんな彼氏なんだろう。


私はその時初めてそれが気になった。


ママも二階に駆け上って行く。

しばらくするとスカートからジーンズにはき替えて下りて来た。


やっぱ不自然だもんね。

普段はかないスカートじゃねぇ。


ケンサクは気付かないかもしれないけど、ワカナとモエナは何か感づいてしまうかもしれないしね。


すると今度はモエナが帰って来た。

ワカナは文科系だけど、モエナは体育会系。

なにやってるか知らないけど、なんかのスポーツやってる。

夏の間はくたくたになって帰って来て、そのままリビングに倒れ込んでた。


正直邪魔だし。


「ただいまー。ママー。お腹すいたー」


モエナは毎日そう言って帰って来る。

まだまだ食い気先行。

モエナが女らしくなる日なんて来るのかなって思ってしまう。


その次に帰って来るのがワカナ。

最後がパパさん。

いつもそんな感じかな。


オカモト家の家族には色がある。

もちろん私のイメージなんだけどね。


ママが暖かい緑。

パパさんはグレー。

ケンサクは黄色。

ワカナは赤。

モエナは青。

ホーは白。

私が茶色。


色々と秘密や問題を抱えてるけどー。

そんなカラフルな家族。








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