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27話 シャアのカラフルな挨拶





赤茶色のシャア。

まだまだ子供じゃない……。

なんか少し拍子抜けしたわ。

言う事きかなきゃ虐めてやろうと思ってたのに。


「シャア、おいで、シャア……」


ケンサクが手を伸ばしてるけど、シャアは震えてて一向に動かない。


まあ、仕方ないわね……。

緊張してるのよね。

知らない人ばかりだしね。


かわいいじゃない。

この子虐めるの。


ホーが私の横に来て意地悪そうに言う。


流石の私もこの子は虐めないわよ。

まだまだ子供だし。


「みんなで見てるから緊張してるんだろ……。ほら、みんな散った散った」


パパさんはちょっと偉そうにみんなに命令してる。


そうかもしれないわね。

ホー。

アンタ見ててあげなさいよ。


私はホーにそう言っていつもの場所まで移動。


仕方ないわね。


ホーもまんざらでもない様子。


「ほら、あなたたちお風呂入りなさいよ」


ママもキッチンへ移動。

それに続いて子供らもみんな動き出した。


「シャアなら他の犬の三倍早く動いても良いのにね」


ワカナはそう言って遠巻きに見てた。


何よ……三倍早くって……。

そんなすごいのシャアって。

ってか、シャアって何者なのよ……。


みんなリビングから出て行ったけど、パパさんだけがリビングに残ってじっとシャアを見てる。


「リツコ帰って来るまで少し辛抱しろよ……」


パパさんはそう言ってシャアの顎を指で撫でてた。


リツコ……。

ほら、やっぱ女の名前だ……。

ちょっと誰よ……、リツコって……。


ホーにも聞こえたみたいで、じっとパパさんの顔を見てた。


やっぱりパパさんの彼女の犬みたいね。


ホーは私のところに来てそう言う。


当たり前よ……。

余所の犬なんてそうじゃなきゃ預からないわよ……。


私はホーと入れ替わりにシャアのいるケージの前まで行った。


シャア。

アンタ、シャアって言うの。


シャアは震えながら私の方に顔を向けた。


そして無言で小さく頷く。


大丈夫よ。

誰もアンタを取って食おうなんて思ってないわよ。

そんな震えなくても良いわよ……。


私がシャアに話しかけると、ホーも興味があるのか私の傍に来た。


この子はホー。

尻尾の先が白いからホワイト。

ホワイトのホーね。


私は……。

私はねえさんで良いわよ。


シャアは目に涙を溜めてじっと私たちを見てた。


ホーはケージに鼻先を入れてシャアのニオイを必死に嗅いでた。


私たちの挨拶はお互いのニオイを嗅ぐ事なのよね。

シャアがケージから出たら、改めて挨拶しましょ……。


僕……。


シャアは小さな声でしゃべった。


シャアがしゃべった。

シャアがしゃべったわよ。


ってホーは必死に言ってるけど、これは私たちにしかわからないのよね。


僕、シャア……。

よろしくお願いします。

ねえさん。

ホーさん。


そう言うとシャアは震えながらペコリと頭を下げた。


割と礼儀正しい子じゃない。


私は少し感心した。








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