14話 カラフルモエナのエスケイプ
ママは昼から出掛けて行った。
彼氏も仕事で会えないみたいだけど、なんか一人でブラブラしたい気分らしい。
「家にいたくない」
そう言ってママは出て行った。
「ママ、このまま帰って来ないんじゃない……」
ホーはママの車が去った後を見ながら言ってた。
流石にそれは無いでしょ……。
いつも一枚ずつしかくれないクッキーを今日は二枚ずつくれた。
私もホーもがっついて食べちゃって、もう無いけどね。
「そんな事考えても仕方ないじゃない。お昼寝して待ちましょ……」
私は日の差し込むポカポカのフローリングの上に寝そべった。
よく考えてみると、この家のみんな、色々と刺激的な毎日を送ってるよね……。
私たちだけは毎日なんにも刺激の無い日々送ってるよね。
つまんない。
誰か刺激くれないかな……。
なんて考えてると玄関のカギが開く音が……。
えー。
ママかな……。
早くない……。
私とホーはその音に反応して滑るフローリングの上を走った。
モエナじゃん……。
匂いでわかった。
「ママー。ちょっと頭痛くて帰って来たー」
モエナはそう言いながら玄関のドアを閉めた。
ママいないよ。
私はモエナに言った。
けど、モエナにはわかんないか……。
「ママー」
モエナはママの部屋を開けたり、二階に向かってママを呼んだりしてるけど……。
「なあんだ……。いないんじゃん。ラッキー」
モエナはソファに飛び乗るように横になった。
リビングに置いてある携帯を取って、モエナはメールを始める。
学校に携帯持って行っちゃダメだもんね。
すぐにモエナの電話が鳴った。
「もしもし。うん。学校サボり。何かウザくてさ。うん、うん。そーなの。帰ったらママもいないしさ」
誰もいないとよく喋るね。
なんかモエナ、ちょっと悪い子になってるかも……。
「えー。今から。いいけどー。私制服のままだよ。サボりだし。家?やだよ……エッチな事しようとするじゃん」
えー。
ちょっとやだ。
モエナまだ子供じゃない。
モエナの彼氏……、そうなのかな……。
「わかったよ。じゃあちょっと待ってて、すぐ行くから」
モエナ、行っちゃうの……。
危ないんじゃないの……。
ってか、相手誰よ……。
「ねえねえ、モエナヤバくない……」
ホーも心配そう。
「ヤバいわよ。でも私らじゃどうしようもないじゃない……」
「そうよね……。どうしよう」
って言っても私たち犬にはどうしようもない事だもんね。
悪い子に育っちゃうの。
その歳でエッチなんてしちゃうとママ泣いちゃうよ。
もーモエナー。
私とホーはそわそわしながら部屋の中をグルグル歩きまわってた。
「何よ……アンタたち。ママにチクらないでよねー」
そう言うとモエナは私たちの前にクッキーを置いた。
「出た。口止め料……」
ホーはクッキーをもらって喜んでた。
もう。
ホーったら。
モエナはカバンを持って出て行った。
大丈夫かな……。
モエナ。
もうママったら、どこに行ったのよー。




