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11話 パパさんのカラフルな財布





次の日の朝、私とホーはリビングの隅で聞き耳を立ててた。


昨日のママとパパさん。

夜のお誘いを断ったママ。

プライドを傷つけられたパパさん。


今までの経験から行くとしばらくママとパパさんは口を聞かない。

それが怖いからなかなかパパさんもママさんを誘えない。

昨日も勇気をかなりの勇気を出して誘ったんだろうけど。

玉砕って言うのかな……。

もう駄目ね。

ママとパパさん。

夫婦としては機能してないね。

子供たちがまともに育ってくれてるだけが救いね……。


そんな話をしながらホーと並んで寝てた。

すると誰かが二階から足音を殺して下りて来る。


けど、私とホーにはわかるの。

それが誰か……。


モエナ。


珍しいわね……。

モエナがこんなに早起きして来るなんて。

何か嫌な予感がするわよ……。


モエナはパジャマのまま、ゆっくりとリビングのドアを開けた。


私とホーは目だけでモエナを追って、その場から動かない。


「何しに来たのかしら……」


ホーは私に話しかける。


「静かに……」


私はホーにそう言って、


「多分いけない事よね……こんなにこっそり来るなんて……」


私とホーはじっと薄暗いリビングでモエナの動きを目で追っていた。


モエナはゆっくりとリビングに入って来て、サイドボードの上に置いてあるパパさんの財布に手を伸ばした。


これはまずいんじゃないかな……。

パパさんもママも怒るな……きっと。

でもお小遣いは言えばもらえるのにね……なんでかな。


「良いのかな。吠えて誰か起した方がいいかな……」


ホーは怪訝な顔でモエナを見ている。


モエナはパパさんの財布から二枚のお札を抜いた。

二千円か……。

それならパパさんも気付かないかもしれないな。


「良いんじゃない……。無視しましょ」


モエナはサイドボードの上にパパさんの財布を戻した。


私とホーはモエナの近くに歩み寄る。

フローリングに私たちの爪の音がカチカチと響く。


「しー」


モエナは私とホーに向かって指を立てて静かにしろって言う。

モエナはパパさんの財布から抜いた二千円を下着の中に入れた。

そして、クッキーの入ったプラスチックの瓶の蓋を開けて、私とホーにくれた。


また口止め料だな。

このままだと私とホーは口止め料太りしちゃうわよ。


そのままモエナは階段を音を立てずに上がって行った。


「モエナ。なんだろうね……」


「二千円って微妙ね……」


「二千円ってどのくらいなの」


ホーには二千円の価値がイマイチわかってない。


「そうね……。ジャーキー三袋くらいかな……」


「さ、三袋ってー。大金じゃない。三袋もあったら二カ月はジャーキーあるじゃん」


ホーにはジャーキーで説明するのが一番ね。


そろそろワカナが起きて来る時間ね。

騒がしい朝が始まるわ……。

ママとパパさんは会話無いだろうけどね。

子供らも気付くわよね。

あれだけ露骨に会話ないとね……。








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